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騎手に対する先入観

01/7/10

 例えば、藤田騎手といえば「中途半端に△を背負った人気薄で好走し、グリグリの1番人気で凡走する」というイメージがある。穴党にはありがたい騎手である。その藤田騎手が最近人気でも勝つようになった。いや、ここ2〜3週間のうちにそういうのが目立つだけで、これが永久に続くのかたまたま最近だけなのかは今後を見守るしかないが。

 人気の藤田を切って馬券を買ったら、その藤田の馬が好走して馬連1着3着や2着3着だった時に「藤田、仕事しろ〜!」とついつい叫んでしまう。もちろん騎手の仕事は「自分が乗った馬を一つでも上の着順に持っていく」ということで、そういう意味で考えると十分仕事をこなしているということは百も承知だが、馬券を買ってる私の主観としての藤田伸二の仕事は「人気を集めてこけて、人気薄の時に連に絡むこと」なので、レースが終わった直後には魂の叫びとして、そう叫んでしまう。面と向かってそう言ったら「バカヤロー、俺はちゃんと仕事をしてるんだ」と返って来そうなものだが。でも、競馬を「見せ物」として捉えると「ファンの期待に応える」のが騎手の仕事なので、「仕事しろ」はあながち間違ったことを言ってるわけでもないのかも知れない。まあ、藤田の馬券を買った人の期待には応えているのか。もちろん冷静に考えると、競馬が「見せ物」なら八百長ばっかりの胡散臭いギャンブルになるわけで、「筋書きの無いドラマ」の筋書きを勝手に考えるというのが競馬予想の楽しみなのである。

 騎手に関する先入観といえば、中舘騎手の「逃げ」というのも上げられる。中舘英二の仕事は「逃げる」ことに尽きる。高松宮杯のヒシアマゾンで逃げた時には勝ち負け関係なく盛り上がったものだ。レースの展開を読むときに新聞の騎手の欄に「中舘」の文字があるだけで、その馬は逃げる(少なくとも先行はする)と読んでしまう。中舘騎手の馬券を買ったときに、その馬が後方からの競馬をしていると、その時点でがっかりしてしまう。やはり気持ちのよい逃げで勝った時が、彼には一番似合っている。彼はヒシアマゾンでしかGIを勝っていないが、それでは引退後数年たったら「代表的な乗り馬:ヒシアマゾン」ということになってしまい、彼のイメージには全然合わない。是非とも逃げ馬でGIを逃げ切ってもらいたいものである。

 すでに引退してしまったが、小島太(現調教師)の「重馬場は苦手」というのは、騎手に対するイメージの最たるものだろう。一説によると泥をかぶるのが嫌だから重馬場では真面目に走らないという噂もある。一時期サクラの馬は重馬場が苦手といわれていたが、それはサクラの馬が苦手なわけではなく、サクラの主戦騎手である小島太が重馬場だと走らないからだということが彼の引退後に判明した。

 このように、特定の騎手に対してイメージ付けをおこなって競馬を予想していると面白い。もちろんイメージとは違う乗り方をして、それでも勝ってしまうこともあるのが競馬であるが。また、騎手に対するイメージでも「的場はダートでしか走らない」という間違ったイメージが定着している場合もあるのだが(これはダビスタの影響)。


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