GW放浪記2000


 本稿は現地で書いた原稿に加筆修正を加えたものです。

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プロローグ
4/30 京都競馬場(天皇賞)
5/1 移動日(大阪)
5/2 高知近辺ドライブ
5/3 高知競馬場
5/4 帰京




放浪記
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プロローグ
 昨年のゴールデンウィークは天皇賞を見に淀まで遠征したが、今年もGWは天皇賞を見るために淀まで遠征である。4/29(昭和天皇の誕生日)に東京競馬場で青葉賞を見て、それから八王子発の夜行バスで京都まで行く。

 そして、ついでだから四国にも足を踏み入れてみよう。私が今までにいったことのない都道府県は富山、福井、鳥取、島根、宮崎、鹿児島と高知県だけである(といっても「行ったことのある県」の中には登山をやっていたときに北アルプスを縦走中に県境の稜線上を歩いただけの富山県なども含まれるが)。その中のひとつである高知県を今年は制覇しよう。ちょうど5/3に高知競馬で開催があることだし。

 行きに夜行バスの手配をして、帰りは高知から羽田までの飛行機の切符を手配。例によって(笑)準備はそれだけ。あとは行き当たりばったりである。どうせ競馬の成績によって泊まるところも変わってくるだろうしね。

4/30
 夜行バスを降りたら5時ちょっと過ぎの京阪三条駅前だった。八王子−京都間の夜行バスは府中に住んでいると八王子までの交通の便が良く、しかも京阪線の駅で停まってくれるので(もちろんその後京都駅にも停まるが)淀に遠征するのには便利だ。淀駅まで京阪を使って1本だし。

 結局6時ちょっと過ぎに淀に着いた。まだ競馬場の開門前だ。しかし、人は前日からの泊まり込み組を含めて大勢いる。

 7時半に開門だ。競馬場内にどっと人が入り込む。昨年来たときはスタンド改装中だったが、今年は新しいスタンドができたので席を確保するのはそれほど大変ではなかった。せっかくだからということで新しいスタンドであるビッグスワンに陣取った。

 PATをインストールしたパソコンを持ってきたので府中や福島の馬券も買おうと思い、東京で馬三郎という中央競馬が開催している全場全レースの馬柱などが載っている新聞を買って持ってきたが、いつのまにか関西でも発売されていたらしい。去年の今ごろは首都圏限定発売だったのに。

 というわけで、勝負レースは朝のうちにPATで買ってしまった。その他のレースは競馬場の窓口で1レースにつき300円程度のお遊びで馬券を買うだけ。しかし、午前中は1番人気の複勝が当たっただけだった。

 競馬場で串カツを食べて見たが、ここの串カツは府中や中山の串カツとは何かが違う。中京の「味噌カツ」も独特のものなのだが、あれは府中や中山の串カツに味噌を付けただけだ。しかし、淀の串カツは串カツ自体が違うのだ。普通、串カツといえば葱は玉葱を使っているのだが、ここでは長葱を使っていた。しかも、中身がパン生地みたいなものでくるんであった。串の長さも長い。なかなか、旨かった。

 午後になって運竜氏と合流。2年連続春天の時はお世話になっている。

 さて、そうこうするうちにメイン競走の天皇賞である。馬券はテイエムオペラオーの単勝に本線のテイエムオペラオー−ステイゴールドの馬連、それからホッカイルソーからのワイド馬券も押さえておいた。スタンド前を2度通過する長距離戦。2度目の4コーナーでステイゴールドがいい位置にいるも延びず。ペースが早めだったので展開が向かなかったのだろう。結局1番人気のテイエムオペラオーの貫禄勝ちだったが、結局その単勝が当たっただけ。2着には平成の盾男武豊騎乗のラスカルスズカが執念で突っ込んできた。

 その後最終レースも見事に外し、この日の収支はマイナス3500円ほど。PATで買った東京最終レースは3着(タイホウウンリュウ)の複勝が当たったが、大した金額をつぎ込んでいたわけではなかったので焼け石に水だったし。

 結局この日は運竜邸に泊めていただけるということで、そこに泊まることにする。淀から山崎行きのバスに乗り込み、茨木にある運竜邸へと向かう。茨木では焼肉食べ放題の店に焼肉を食いにいった。私は腹が膨れるほど食べたが、運竜氏はもっと食べていたようだ。

5/1
 今後の日程について考えてみる。とりあえず5/4の高知発の飛行機は押さえてあるので、最終的には高知にいくことは決定している。問題はどういうルートで高知へいくかだ。鉄道(瀬戸大橋線)を使うと、途中岡山も通るので、岡山あたりを散策すれば高知県だけでなく行ったことのない県の一つである岡山県まで制覇ということになる。しかし、大阪から夜行フェリーで高知まで行くと交通費が安い。5000円もかからないし。しかも、5/3の高知競馬にはいくことが決定しているので、前日に高知入りするとゆっくりと高知見物できる。しかも淀の競馬で勝ったのならともかく負けたのだから、宿泊費も安く押さえたい。というわけで、負け犬は負け犬らしくフェリーで高知まで行くことに決定。

 とりあえず大阪まで行き、サウナにいく。この日もフェリー泊で風呂に入れないので、昼のうちに入っておく。いつも大阪に行くたびに利用しているカプセルホテルのサウナだ。なんか、大阪にくるたびにここに来ているような感じ。

 サウナでリフレッシュした後、フェリー乗り場までの交通機関を調べる。フェリーは南港から出ているらしい。南港フェリー乗り場には地下鉄で住之江公園まで行き、そこからニュートラムでいくらしい。ニュートラムとは東京のゆりかもめのような新交通機関であり、要は無人運転の電車である。駅の様子もゆりかもめの駅みたいだった。住之江公園駅でニュートラム乗り場にいったら目の前に競艇場のコースとスタンドがあった。開催はしていなかったが。これだけあからさまに車窓からコースが見えると、結構宣伝効果があるんだろうな。

 船の発時間は9時20分。しかし、5時過ぎにフェリーターミナルについてしまう。適当に散歩したり、本を読んだり、飯を食ったりしつつも、船で飲むためのビールとつまみを買い(どうせ船の中で買うと高いだろうから)準備は整う。乗船手続き後は乗船時刻前から船の入り口付近に並ぶ。建物の中だと暑いからである。そとに出るとほどよい海風が吹き付けてきて気持ちいい。それにしても、雨が降るという予報はどうなってるんだろう。

 船に乗りこみ寝場所を確保した後は、酒を飲んで寝る。四国へいくのはこれが2度目だが、前回も東京からフェリーだったので瀬戸大橋を見たことはないな。あ、前回は帰りは松山から東京までの夜行バスだったので、瀬戸大橋を渡ったことはあるのか。

5/2
 朝、船が高知港についた。椰子の木の生えているところが南国らしさを醸し出している。高知港で船を降りて、とりあえず高知駅へ向かう。港から駅まではけっこう距離がある。3.7km。歩いて30分以上かかった。

 駅にある店で朝食を取った後、レンタカーを借りることにする。高知競馬は3日から開催なので、この日は高知近辺を観光することにした。

 まずは、駅から南下し、桂浜に向かった。桂浜には闘犬場がある。桂浜の駐車場に車を止めると、闘犬場から「9:50から闘犬の試合が始まります」という」アナウンスが聞こえてくる。土佐犬による闘犬は私が見たいと思っていたものの一つである。迷わずに闘犬場のある店に向かいチケットを買った。2000円也。

 闘犬とは土佐で戦国大名長宗我部元親が始めたという、2頭の土佐犬を戦わせる競技である。先に逃げたり鳴いたりしたほうの負け。相撲にならって「土俵」とよばれるリングはプラスチックのパイプで作られた柵で囲まれている。しかし、観客席は土俵が間近に見れる場所にある。この日はフジテレビが取材に来ていた。

 まずは横綱の土俵入りから始まった。犬の世界にも横綱というものがいて、土俵入りが行われる。四つんばいになっても人間の大人の身長の半分ほどある巨大な土佐犬の横綱が登場し、化粧まわしで着飾られる。化粧まわしをしてから登場するのではなく、裸で登場した後、係員が化粧まわしを着せるところが人間の相撲とは異なっている。

 横綱土俵入りが終わり、いよいよ試合開始である。横綱よりは小さいが、それでも迫力のある土佐の闘犬2頭が飼い主に連れられて入場である。飼い主は柵の上に登り、2頭の犬は戦いを始める。飼い主は柵の上から掛け声をかける。1頭の飼い主は要所要所でしか声を発しないのに対し、もう片方の飼い主は常時何かを叫んでいる。2頭の犬は血を流しながら戦いつづける。逃げる様子もなく、かといって鳴き声を立てるわけでもなく。

 しばらくすると制限時間一杯、引き分けである。闘犬には優勢勝ちというものが存在せず、時間内に勝負がつかない場合、すべて引き分けとなる。係員が噛みつき合う2頭の犬の顔に、火のついた新聞紙を近づけると、2頭の犬は離れていく。闘争心旺盛な闘犬用の犬とはいえ、動物は動物。火を見ると怖がって離れて行く。

 今回の試合はこの1戦で終わりだそうである。もっと何試合か見れることを期待していたのだが。これで2000円の入場料は高いのだか安いのだか。それ以上にわざわざ横綱土俵入りをやっておいて1試合しかやらないのだろうかと思った。闘犬は取り組みが1つあるたびに横綱土俵入りが行われるのだろうか。横綱になるためには幾十もの試合を勝ちぬかなければならないのだろうから横綱の数の数十倍位の試合が行われている筈だ。そのたびに土俵入りがあるとは、犬の横綱も忙しいものである。

 闘犬場では「鳴子よさこい踊り」が余興として披露されていた。通常年に3日しか行われない盆踊りのような行事であるが、観光客にもその存在をアピールしようということで、闘犬場で闘犬が終わった後となりの部屋で披露している。鳴子とは田んぼにつるしておくすずめおどしのようなもの。というかすずめおどしそのものなのだが。その鳴子を両手に持っておどるのがよさこい踊りだそうである。なかなか面白いが、闘犬とは全然雰囲気が違う。同じだったら逆に怖いが。

 桂浜といえば海の景色に期待していたのだが、駐車場付近からは海は見えない。お土産屋があるだけ。海を見るには丘を一つ越えなければならない。丘を登るとそこには坂本竜馬の銅像があった。思ったよりもでかい。巨大な竜馬像が海を睨み付けるように突っ立ている。外国船が頻繁に往来した幕末には砲台があったと思われる丘の頂上に突っ立ている。藩政時代は脱藩の志士として地元では悪者扱いだったこともある竜馬だが、江戸幕府の体制に終止符が打たれ時代が変わると地元でも英雄扱いである。私は司馬遼太郎の「竜馬がゆく」が大好きなので、坂本竜馬は好きな人物の一人である。幕末の人間のなかでは最も好きな人物といってよい。私の心の中の竜馬像は司馬遼太郎の小説というフィルターを通しているために、幾分美化されたものであるのかもしれないが、私にとっては日本の歴史における偉大な英雄が竜馬なのである。彼の業績云々というだけではなく、生き方に共感を覚えているのであるが。

 丘を降りると月の名所として有名な桂浜の風景。昼間だったので空に月はなかったが。しばらく太平洋を面前にして砂浜を散歩する。

 桂浜を後にして車を走らせる。桂浜を出るには峠を越えなければならない。その峠道を車を走らせて行く。狭い道で対向車がやってきた。よけるために、ハンドルを左に切る。いきなりガタンと車体がつんのめった。その道には車のタイヤと同じぐらいの側溝が設けられていて、左の車輪が前後とも側溝にはまってしまっていた。車から降りて持ち上げようとするが、一人じゃ微動だにしない。困ったものだ。

 どうしようもないのでJAFに連絡してレッカーを呼んでもらおうと思い、車の中でレンタカー会社からもらった資料で連絡先の電話番号を探していたら、地元のタクシーの運転手が離しかけて来た。タクシーの運転手の呼びかけで通り掛かりの地元民が数名集まってくる。やっとの思いで車を側溝から脱出させる。どうしようかと思っていたところなので非常にありがたい。側溝に車を落としたのは不幸だが、親切な人が手助けをしてくれたのは不幸中の幸いだった。ありがとう!!

 車を広い場所に移動させてレンタカー会社に連絡する。車のホイールカバーがかなり傷ついていたので(結局車を返したときに前輪のアームがちょっと曲がっていることも判明した)、修理が必要と思われるが、保険とかの関係もあるため警察に事故届けを出したほうがいいかどうか聞いた。事故届を出して事故証をもらわないと保険が利かずに修理代をすべて弁償という可能性もあるし。答えは「その程度なら事故扱いにする必要はない」というものだったので、そのままドライブを続行。見てくれが多少悪くなったものの自動車としての機能には何の影響もないわけだし。ただ、修理は必要なので、ノンオペレーションチャージ(修理期間中の営業補償金)として3万円を請求されたけど。痛い損失だ。夜行バスや夜行フェリーや格安航空券などを使って節約した旅費がここで消える。まあ、レッカーを呼んでいたらその実費も負担しなければいけないので、それがなかっただけでもよしとしよう。

 気を取りなおして高知から東へ向かい室戸方面を目指す。途中時間があれば、龍河洞という鍾乳洞を見ようと思っていたのだが、とんだタイムロスがあったため結局いかず。室戸岬まで車を走らせた。

 室戸岬には幕末に竜馬と共に活躍した陸援隊隊長の中岡慎太郎の銅像があった。この銅像も結構でかい。竜馬像といい、慎太郎像といい、なぜかふところに手を忍ばせた姿で立っている。室戸岬の最南端は月見が浜というところ。ここも月の名所らしいが、またもや昼間なので月は出ていない。土佐の海らしく岩礁に囲まれた浜であった。しばらく海を見ていたが鯨は見えなかった。そう簡単に見れるものではないだろうけど。

 さて、再び高知まで車を引き返す。レンタカー店が閉まる時間についたので、適当な駐車場を探して車をとめておく(こういうときのために車を24時間契約で借りていた)。この日はオールナイトのサウナに泊まった。

5/3
 この日はいよいよ高知競馬に参戦である。高知競馬場には駅前から無料送迎バスが出ている。この日はゴールデンウイークに本格突入ということもあり高知競輪や鳴戸競艇(だったかどうか忘れたけど四国のどっかの競艇)のテレボート高知(場外舟券売り場)での発売もあり、これらの公営ギャンブル場へのバスは同じような場所から出ている。「いかにもといったオヤジ」がたむろしているのが目に付いたが、かといっていかにもといったオヤジの後を付けてバスへ乗り込むと、競馬場ではなく他のギャンブル場についてしまう可能性があるので注意が必要だ。

 駅のKIOSKで新聞を買う。なぜかスポーツ紙等とは別の場所に置いてあったので苦労したが、KIOSKで手に入った。バス停にいた地元のオヤジおすすめの「中島競馬號」という新聞を買った。

 バスは予定より15分ほど遅れてやってきた。うるさいオヤジがバスが競馬場に付くまでの間中ずっと運転手に向かって文句を言っていた。おっさん、気持ちはわからないわけではないが静かにしてくれ。15分遅れたところで第1レースには余裕で間に合う時間につくことには変わりないのだから。私にとって高知競馬は初めてだが、それでも隣の席にいたオヤジと元中央馬のナムラコクオーの話題で盛り上がっていた。

 ところで、高知競馬の競馬新聞を読んでいて気になることがあった。調教師などのコメント欄に「今の所、えい時の出来はないみたい」という風に「良い」ということを「えい」と書いてあるのである。確かに東北や関西などで話言葉で「良い」のことを「よい」とか「いい」ではなく「ええ」といったりするが、文字で「えい」と書かれると何か違和感がある。土佐弁では[e:]ではなく[ei]と発音するのかもしれないが、文章中で「えい」と書いてあるのもなんだかねぇ。高知らしさが出ていてえいのかもしれんが。

 高知競馬の出走馬を見ていて気がついたことは、ほとんどの馬が他の地方競馬か中央競馬からの転厩馬であるということである。高知競馬生え抜きの馬はあまりいない。この日は時期が時期だったかも知れないが、4歳馬限定戦は1つも行われていなかった。4歳の馬すら見当たらない。高齢馬も多く9歳や10歳の馬もざらにいる。3歳や4歳の若駒が多いホッカイドウ競馬とはまさに対称的である。生産地である北海道ではこれから他の地区に売るためにオーナーブリーダーが若駒を走らせるレースが多いが、ここ南国高知では他の地区で走った馬が新天地を求めて転厩してくる場合が多い。そう、ここは各地の競馬場を賑わせてきた競走馬達による往年のオールスター戦が行われている競馬場なのである。赤字続きで存続の危機にある高知競馬だが、こういう「地元では力が衰えたがまだまだ現役を続行したい馬」たちの活躍の場もなかなかよい。これ以上赤字が続くと廃止になるので、これを読んでいるみなさんも是非高知競馬場を訪れて馬券を買っていただきたい。生産地であり地元の産業の振興に必要なホッカイドウ競馬よりも、高知のような単なるレジャー施設でしかない競馬場のほうが赤字だとリストラしやすいので事態は深刻なのだから。

 さて、競馬場では鯨カツが売られていた。せっかく高知に来たのだからと鯨カツを食べる。久しぶりに食べる鯨は美味い。川崎競輪場でも鯨カツは食べられるらしいが、競輪場は行ったことがないのでわからない。私は子供のころから鯨肉が好物だったが、最近は外圧による捕鯨禁止の影響で食べる機会が減ってしまって残念である。欧米人には解せない文化なのかもしれないが、日本人ならやはり鯨を食べたい。

 高知競馬場で売られている馬券は単勝式、複勝式、枠番連勝複式、馬番連勝複式の他に、枠番連勝単式がある。馬番連勝単式は無い。頭数が少ないとギャンブルとして面白くないので枠単はあるが、9頭立て以上だと面白くないということもないだろうから馬単は作らないのだろうか。四国ではギャンブルといえば競馬より競艇なので、必ず6艘立て枠単となる競艇との兼ね合いもあって枠単が導入されているのかもしれない。

 第1レースは狙った馬の単勝が10倍以上ついていた。「これは買い!!」と思い単勝を買う。そしてレースを見る。高知競馬場は馬場の内側に大きな池がある。3日前の京都競馬場といい、この高知競馬場といい今回の旅では「馬場内に池がある競馬場」に縁があるらしい。高知競馬場は京都競馬場とは違い地方競馬らしい落ち着いた雰囲気なのだが。そうこうしているうちに単勝馬券を買った馬が勝った。そして払い戻しのアナウンスが。「単勝8番110円。」なんと1.1倍。私が買ったときは10倍以上ついていた筈の配当が、いつのまにか1.1倍に下がっていた。これだから地方競馬は怖い。特に早いレースの単勝や複勝はすぐにオッズが変動する。

 この競馬場ではあまり馬券が売れない単勝や複勝はオッズの変動が激しく、配当との兼ね合いを考えて馬券を買う身にとっては単勝や複勝は不向きなようなので、以降のレースは馬複か枠単を中心に勝負する。しかし、当たったのは5倍ぐらいの単勝だけ(;_;)。

 この日は兵庫県競馬園田競馬場でJRAとの交流重賞「兵庫チャンピオンシップ(G III)」が行われていた。高知のメインの前にこの兵庫CSの場外発売と実況が行われた。かの一部の競馬ファンの間で有名なチェリーコウマンの息子マイマスターピースと昨年園田で行われた兵庫ジュニアグランプリ(G III)の覇者アドマイヤタッチというJRA勢の馬複1点で勝負する。しかし、笠松の星ミツアキサイレンスが勝ってしまった。2着にはホッカイドウ競馬のタキノスペシャルが突っ込み穴をあける。

 そして高知のメイン吉川村天然色劇場特別という何だかわからないようで面白いような名前の特別レースである。マチカネホシマツリという馬が出ていた。中央競馬ではマチカネといえば細川益男氏(orその息子)が馬主であるが、このマチカネホシマツリの馬主は(有)待兼となっている。この待兼は細川氏と関係あるのだろうか?マチカネホシマツリを頭で枠単で流した。結果はマチカネホシマツリの圧勝。しかし、2着に抜け目が来たため馬券は不的中。1着→3着である。拡大枠番単式(ワイド枠単)という馬券を作ってくれないものだろうか。今日はこんなのがやたら多いし。勝ったマチカネホシマツリが表彰を受けていた。馬主の正式名称は有限会社待兼牧場というらしい。その割に生産地がアメリカだったりするのがなんとも。

 そして最後のチャンスの最終レース。このレースも枠単で頭流しの馬券を買う。そして軸馬が買った。しかし、2着に来たのがパドックで入れ込んでいるため切った馬。高知競馬場は中央競馬と違いパドックがすいているためパドックを見てから馬券を検討していたが、この日はそれが見事に裏目に出た。パドックを見て切った馬が連に絡むことが多い。入れ込んだ馬でも走れる競馬場なのだろうか。結局トータルで4000円ほど負ける。

 最終レースも終わり、帰りのバスへと乗り込む。朝、バスの運転手に向かってどなり続けていたおっさんが近くの席に座っていた。乗車口でバスの案内をしていたバス会社の係員に向かって文句を言っていた。「朝よぉ、10時10分のバスが10時半に来たんだぞ。よく言っとけ、この野郎。」今度はバスが発車したらおとなしくなったようだが。

 高知の繁華街の近く、はりまや橋でバスを降りた。周辺をしばらく散歩した後、飯を食い、第2ラウンドへ。パチンコである。昨年加藤茶のパチンコ台が出たが、今年は志村けんの台が出ていた。志村けんの声で「リーチ」と言ったりする。次は高木ブーの台がでる番か?雷様とかいう機種名で(笑)。志村けんのパチンコでは見事に負けたが、その後昔からある一般台でチンタラ稼ぎ、競馬の負けを取り戻すぐらいに勝った。

 パチンコを打っていて気がついたら10時。カプセルホテルに泊まろうと思っていったら満室だった。しかたないから、ビジネスホテルにでも泊まろうと思ったが、どこにいっても満室。ゴールデンウイークの真っただなかに10時過ぎに予約無しでホテルを探すというのは考えが甘かった。結局昨夜と同じサウナの仮眠室で寝ることにする。

5/4
 この日は今回の旅も最終日。午後1時の飛行機で東京に帰る。駅からバスで飛行場へ。

 飛行場では高知出身のクイズ解答者漫画家はらたいらが書いたイラスト風の一こま漫画が額縁に売られて展示販売されていた。クイズダービーが終わって以来久々にはらたいらと見た。といっても写真で見ただけだったが。はらたいらの書いた漫画を見るのはこれが初めてだ。はらたいらと言えばクイズダービーで有名であり「はらたいらさんに全部」という流行語も生まれた(のか?)が、ちゃんと漫画も書いているらしい。

 そして空路東京へ。いろいろあって予定外の出費もあったが、充実した旅だった。今度高知に行くときは高知競馬は存続しているのだろうか。今後も赤字なら廃止らしいが、四国唯一の競馬場であるので、是非とも数年後高知を訪れる機会があっても開催していて欲しいものである。


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