Share
  1. 競馬のお時間 >
  2. そこに馬がいるからだ >
  3. 中央競馬と地方競馬

中央競馬と地方競馬

00/7/29

 先日中央競馬が開催中の福島競馬場に行って来たが、そこでは盛岡競馬の場外発売が行われていた。中央競馬の馬券では負けたが、盛岡競馬で損失補填。福島まで来た甲斐があるというものだ。といっても交通費の元をとったわけでもないのだが。

 そこでつくづく思ったのが「地方競馬って馬券を買える機会が少ないな」ということである。中央競馬の場合全国各地に馬券を売っている競馬場やWINSがあるし、最近ではPAT等の電話投票が当たりやすくなったので中央競馬の馬券を買う機会は多いはずである。

 地方競馬でもPAT・電話投票やそれに準じるものや場外馬券売場もあるところはあるが、やはり中央競馬との最大の差は一般のファンが手にすることができる情報量という点である。中央競馬では競馬場やWINSがある地区ならその辺の駅の売店やコンビニ等で競馬新聞が手に入るが、地方の場合は馬券を売ってる場所かその近くの駅の売店などでなければ売っていないことが多い。それに中央の場合はFAXで新聞を送ってくれるサービスをしている新聞社もある。さらに、インターネットのホームページも充実しているし、JRA−VANや競馬道ONLINEのような優秀なデータベースもある。スポーツ新聞も大々的に扱うので無理に専門紙を買う必要もないし、その気になればJRA−VANのデータだけで予想もできる。

 地方競馬のPAT(のようなもの)でもどの馬が何番なのかを示す出馬表やオッズなどは取り寄せられるが、それだけで馬券を買おうと思う人がどれだけいるだろうか?確かに「金を賭ける」という行為はそれでできるが、やはり勝ち馬投票をするには予想をしなければならないし、そのためのファクターも必要である。だからJRAの場合そのファクターがファンに入って来やすいので売り上げもあがるだろう。競馬は宝くじ等と違い、「金を賭ける行為」だけではなく、そのための予想が醍醐味なんだから。だから、ファンが情報を得やすいような仕組みをつくるのが売り上げをあげるには肝心なのではないだろうか。私もJRAの馬券ならPATやPARSで買うこともあるが、地方競馬の馬券はその競馬場か場外売場にいく機会があった時しか買わないし。

 あとは地方競馬と中央競馬のルールの違いというものがある。中央競馬では1着か重賞の2着でなければ本賞金が増えずに、その本賞金によってクラス分けが行われている。だから「夏の5歳のクラスが下がった馬は狙い目」とか「条件戦でいつも2、3着の馬は運悪く勝てないでいる場合は狙い目だが、クラスが上がって強いメンバーと戦わなければならないという状況を避けるために善戦はするが勝たせないようにしている馬は少なくとも単勝は買えない。両者の見極めが肝心だ。」とかそのルールに基づいた予想方法がある。地方競馬では掲示板に載って賞金を稼いだ馬はそれだけでクラスがあがる。未勝利でもオープンレースに出てくるような馬もいるし。ルールが違うために中央での予想で培ってきた予想のノウハウがそのまま地方に水平展開できるというわけではない。それが競馬ファンが地方競馬にとっつきにくい要因となっているのかもしれない。もちろんそれなりの理由があってそういうルールにしているわけなのでやみくもに「中央と同じようなルールでやってくれ」というつもりはないが。ばんえい競馬を除けば「馬の体の一番前の部分がゴール版前を通過した順番に入線順位とする」等根本的なルールは一緒なんだし。

 もちろん競馬ファンの中には地方競馬が好きな人も多い。中央競馬の殿様商売ぶりが嫌で地方しか見ないし買わないというファンも中にはいる。地方では1,2着を順番通り当てる連単という馬券を導入しているところも多いし、中央とはまた違った楽しみがあるものである。やはり、中央の馬券が売れるのは予想をして馬券を買いやすいようなしっかりしたインフラができあがっているところにあるのだろう(もちろん出走している馬のレベルが高いということもあるのだが)。

 


もどる
もっともどる