Share
  1. 競馬のお時間 >
  2. そこに馬がいるからだ >
  3. 三強:クラシックの考察

三強:クラシックの考察

00/4/25

 これを書いている日はもうすぐ桜花賞。桜が咲きクラシックシーズンの到来だ。しかし、ここに書くのは今年のクラシックではない。99年(昨年)と93年の牡馬クラシックについて主に書く。タイトルを見て今年のクラシック展望だと思ってアクセスした人には申し訳ない。

 さて、牡馬クラシック路線といえば皐月賞、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞である。皐月賞は何故4月にやるのに「皐月」賞なのだろうかということを考察して見よう・・・・・ってなことを延々と述べるわけでもない。ちなみに皐月賞の皐月は5月という意味ではなく植物の皐(皐月と書くこともある)のことだから皐月賞なんだっけ?

 仕上がりの早い馬が勝つといわれるのが皐月賞。運のいい馬が勝つと言われるのがダービー。強い馬が勝つと言われるのが菊花賞である。

 99年クラシックは皐月賞テイエムオペラオー、日本ダービーアドマイヤベガ、菊花賞ナリタトップロードといった三強が分けあった。

 まず、皐月賞を勝ったのはテイエムオペラオー。仕上がりが早かったのは間違いないだろうが、現時点ではこの3頭の中で古馬になっての活躍が最も期待されている。決して仕上がりが早いだけではない。まあ、アドマイヤベガは全然仕上がっていない状態で皐月賞に出てきたのでオペラオーのほうが仕上がりは早いのだろうが。ただ、歴代の皐月賞馬には仕上がりが早いだけの馬もいるが、オペラオーは仕上がりが早いだけではない。

 ダービーを勝ったのがアドマイヤベガ。運の強い馬だろう。何故かというと鞍上に恵まれたからだ。武豊という超一流の騎手を背にした上に、テイエムオペラオー(和田)、ナリタトップロード(渡辺)といったライバル馬の鞍上がダービーでは勝てないといわれるダービー初騎乗の若手ジョッキーだったということも恵まれている。運がいいのだろう。日本ダービーとは特殊な雰囲気が漂うレースなので、若手でしかも初騎乗となるとどうしても駄乗になってしまうし。藤田伸二ほどの大物でなければ20台前半の騎手が勝つのは難しいだろう。しかも、オペラオー、トップロードは他のクラシックでも3着以内に入る優良馬なのに対し、アドマイヤベガは他のクラシックでは凡走したにもかかわらず、ここぞというダービーを制している。決して運だけが呼んだ勝利ではないが、運があったのも事実だろう。

 菊花賞はナリタトップロードが勝った。強い馬だということになる。「オペラオーのほうが強いのでは」という声もありそうだが、底力という点では一番だろう。有馬惨敗は枠順に恵まれず、馬群を抜け出せなかったせいだし。武豊が乗っていれば三冠馬だったろう(これはオペラオーにも当てはまるか)。三頭が三頭とも強かったので順番が回ってきて菊を制したという見方もできるのだが、やはり強いということは間違いではない。三強と言われた馬すべてがクラシックを勝ったのだし、見応えのある世代だったと思う。その1個上のいわゆる「最強世代(スペシャルウィーク等)」では三強のうちの1頭がイマイチだったし。6歳になって短距離G1を制したが、クラシックではイマイチだった。

 三強といえばナリタタイシン(皐月)、ウイニングチケット(ダービー)、ビワハヤヒデ(菊)の93年クラシック世代。こちらは馬が三強なだけではなく、騎手も三強だ。武豊、柴田政人、岡部幸雄という当時の競馬界の三強ジョッキーだ。ナリタタイシンは仕上がりが早かったし、ビワハヤヒデは古馬になっての活躍でわかるように強い馬だ。

 それでは私の最も好きな馬であるウイニングチケットは運の強い馬なのだろうか?実力がありながら運に恵まれずダービーを勝てなかった柴田政人にダービーを勝たせた。もちろんこれは政人の執念とチケットの実力にもよるだろうが、運もあったのだと思う。ダービーをどうしても勝ちたい柴田政人が乗ったことも運がいいといえるかもしれないし、柴田政人を勝たせたということで感動的なドラマの主人公となれたのも運が味方したのかもしれない。第60回ダービーほど感動的なG1レースは私の中では他に無いし。

 三強の世代についてクラシックを振り返ってみたが、他の世代はどうだろう。ナリタブライアンは仕上がりが早くて運もよくそして強いということを見せつけた。サニーブライアンは仕上がりの早さと運はあったが、強いことを証明できずに終わってしまった。かといってマチカネフクキタルが強いかといえばそうでもないだろうけど。

 運のないダービー馬といえばスペシャルウィーク。生まれてすぐに母が亡くなり、生まれた牧場は火災で大惨事。99年有馬記念では体勢は明らかに勝っていたのに首の上げ下げほんの数cmで2着となった。しかも中長距離G1で年間3勝2着2回というどう考えても年度代表馬たるべく成績をおさめても、日本で一度も走っていない馬に年度代表馬を取られてしまう。ここまで運の無い馬がクラシックはダービーしか勝てないのだから不思議である。

 オペックホースは・・・・・・・・・・。


もどる
もっともどる