Share
  1. 競馬のお時間 >
  2. そこに馬がいるからだ >
  3. インターネット競馬界 一時代の終わりと始まり

インターネット競馬界 一時代の終わりと始まり

01/6/18

 The Derby Square でおなじみだった k-ba.com というドメインが競馬最強の法則WEB の公式ページに生まれ変わった。そこにはダービースクエア時代のコンテンツもいくつかは残っているが、実質的には別のページになったといってよい。

 ダービースクエア(以下DS)といえば日本のページの草分け的存在である。その名前が無くなるのは寂しいことであると同時に、時代の流れというものを感じる。WWWといえば初期のころは個人ページが中心で、熱心に取り組む企業は少なかったが、今では雑誌、新聞、テレビ等の既存メディアのページが多く立ち上がっていて、他メディア出身のページは充実している場合が多い。

 DSは1994年に現オンザエッジ社長のほりえたかふみ氏が始めたページであり、もちろんその当時は他に類を見ないぐらい充実したページであり、後にほりえ氏がオンザエッジを立ち上げ、オンザエッジが運営するページとなった。いわゆる個人ページが発展して会社まで作ってしまったパターンである。ちなみにオンザエッジは競馬最強の法則Webの運営も行うようだ。DSといえばインターネット界ではビッグネームであるが、自社独自のページにするよりも雑誌という既存メディアの知名度を利用したほうが商売になると判断したのであろう(もっともインターネットはもともとは個人が非営利目的でコンテンツを作るものであったが、現在ではビジネスチックなものも多く、そういう意味でも時代はたった数年の間に変わったと言えるだろう)。(インターネット上ということを抜きにすると)知名度でいえば競馬最強の法則のほうが上であるわけだし。

 私がWWWの世界に足を踏み入れ、Webページ制作に乗り出したのもDSのおかげである。当時はそれほどの数がなかった競馬ページへのリンクも充実していて、いろいろなページを見て自分も競馬のページを作ってみようと思った。そして95年8月に競馬のお時間を公開開始して、実生活でもますます競馬にのめり込むようになり、現在に至る。

 あの当時は競馬のページが少なかったので、私の競馬リンク集「日本の競馬ページ」からは競馬観連ページを発見し次第片っ端からリンクを張っていた。しかし、今では競馬ページは星の数ほどある。もちろん私が競馬のお時間の公開を開始した95年以降、数々の競馬ページが誕生し、そして多くの競馬ページが消えていった。もちろんその中には大したことのないページもあれば、充実した内容で役に立つものや非常に面白いものも数多くある。また、97年にJRAのホームページがオープンしてから、その数は爆発的に増えたような気がする。

 競馬のページの数は他のジャンルに比べて非常に多いような気がする。私が「日本の競馬ページ」を作成した当時はそのリンク集は日本で2,3を争うぐらいの有名競馬リンク集だったが、今となってはもっと充実して便利なリンク集が何個も存在する。競馬のリンク集の場合「競馬」というジャンルにとどまらず、「予想」とか「ニュース」とか「データ」「血統」といったサブジャンルに分かれるほとが多い。特定の騎手や厩舎、馬などの専門ページも多い(これはプロ野球関係のホームページに特定の球団の応援ページが多いことと似た現象なのか)。競馬のお時間はどういうジャンルになるのかは自分でもよくわかっていないが(笑)。「競馬全般」とするにはマニアックネタ(というかB級情報)が多いような気がするし。なにはともあれ日本にはそれだけ競馬ページの数が多いということだ。

 なぜ、競馬のページはこうも数が多いのだろう?もともとJRAはPATの様な電子投票システムから、JRA−VANという一般人が自由に利用できるデータベースなど、情報化に力を入れていたので、競馬をやる人にはコンピュータを扱うのに抵抗が無い人が多いというのも一因だろう。ただ、それだけではなくDSのような金字塔的ページが早い時期からあったので競馬ページが増えていったということも考えられる。その後 Netkeiba.com 等もっと充実したページができていったが、それはインターネット上に競馬情報が多い→それが競馬ファンがインターネットを初めるきっかけとなる→ますます競馬関係のホームページの需要・供給ともに増えるといった繰り返しで成長してきたおかげで、今のインターネット競馬界があるのだと思う。そう考えるとDSが今の時代を作るきっかけとなったといっても過言ではない。

 インターネットというと移り変わりの速い世界である。また一つ「ダービースクエア」という老舗の名前が消えた。個人ページとしてスタート→共同運営→その人達とインターネット関連の会社を設立→その会社が他メディアと一緒になって新ページを運営。インフラは自分たちでやってコンテンツのメインは既存の雑誌社が行う、つまり得意な部分を受け持つという理想型。こう考えるとDSは見事なまでにその時代その時代に合わせて進化してきた成功例の一つである。競馬のお時間の場合はもうじき6周年を迎えるが、少なくとも現時点ではあくまで個人の趣味のレベルであり、それは6年前から変わっていない。個人が自分の好きなことを情報発信できるということもWWWの素晴らしい点である。今後とも個人ページとしてほそぼそと(?)運営していくつもりなので、よろしくお願いします。


もどる
もっともどる