府中西門写真集 

秋の夕暮れ


秋の夕暮れ   ▼ダウンロード版
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 秋の夜はつるべ落としと昔から言う。
 秋の東京開催シーズンになると日没も早くなり、最終レースが終わったころには薄暗くなり始める。
 西門飲屋街の店の照明は競馬場側から4件目ぐらいまでは蛍光灯であるのに対し、それより先はすべて白熱灯である。見事に途中に境界線が引かれたように、蛍光灯組と白熱灯組に棲み分けされている。

 この写真は、最終レースが終わって少したった後に、白熱灯の方の店を写した物である。
 いわゆる電気照明というものは、蛍光灯の無機質な光よりも、白熱灯の暖かみに溢れる光の方が趣があるものだ。

 清少納言の枕草子の中にも「秋は夕暮れ。」という一節がある。
 競馬が終わって薄暗くなった時に、オケラ街道に並ぶ淡いオレンジ色の光。
 これが現代の日本の味のある「秋の夕暮れ」なのではないだろうか。



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