華麗なる一族。そういうドラマが流行っているらしい。競馬界で「華麗なる一族」といえばローザネイ一族、別名「バラ一族」である。ロゼカラー、ロサード、ローズバド、ローゼンクロイツなどヨーロッパ語で「バラ」を意味する馬名の馬ばかりである。そしてやたらと2着3着が多いイマイチっぷりや小倉では何故か勝てたりと典型的な橋口厩舎所属馬が多い。「平均的」ではなく「典型的」というのがミソだ。厩舎の傾向を端的に著わした馬が多いのである。なかなかGIは勝てないが、その代わりオープンまではまず間違いなく出世し、重賞でも2着3着と賞金を加えてくる馬主孝行な馬が多い。それがバラ一族の特徴である。
その華麗なる一族の中でも際立つのがヴィータローザである。イタリア語で「人生薔薇色」という意味である。デビュー以来5戦連続3着。その後未勝利で6着に負けるが、その次も3着。この時点で7戦3着6回という見事なまでのイマイチっぷりである。その後は重賞を2連勝したりするが、やはり2着か3着が多い。新潟記念3年連続3着という珍記録も達成した。まるで「地味なナイスネイチャ」だ(笑)。まさに薔薇色の人生である。