馬券を買ってみよう

 では競馬の最たる醍醐味である馬券を買ってみましょう。一口に馬券をいってもいろいろな種類がありますので、まずは日本の中央競馬で売られている馬券をご紹介しましょう。

馬券の種類
名称略称説明
単勝式単勝  競馬の基本は勝ち馬を当てるということです。そしてこの馬券はその基本に則ったオーソドックスな方式の馬券です。馬を一頭指名して、その馬が勝てば的中であり、2着以下だった場合は不的中となります。
複勝式複勝  この方式も馬を一頭指名します。この馬券を説明するのに「買った馬が3着以内に入れば的中する馬券」と説明する人がいますが、それは間違いです。正しくは「買った馬が8頭立て以上のレースでは3着以内、7頭立て以下のレースでは2着以内に入れば的中する馬券」です。当たり易いのですが、配当(払い戻し額)は低いです。
枠番連勝複式枠連  2頭の馬(正確には2つの番号)を指名し、それらが(順序を問わず)1,2着となれば的中する方式を連勝複式といいます。
 枠連は枠番号で指定します。枠は最大8枠あり、9頭立て以上の場合、同じ枠に2頭以上の馬が入っている枠が存在します。また、枠番号によって騎手の帽子の色が決まっているので、枠連で勝負した場合、観戦する際は帽子の色だけ見ていればいいわけですから馬連よりも楽です。
 馬連は馬番号で指定します。馬番号は出走するそれぞれの馬に対して固有の番号が与えられます。8頭立て以下の場合は馬番号=枠番号となりますので、馬連の発売はありません2005年より枠連の発売は行われず、馬連のみの発売となりました(以前は逆でした)。

 なお、馬連は下の拡大馬連(ワイド)と区別するために普通馬連と呼ばれることもあります。また、地方競馬では馬単(馬番連勝単式)と区別するために馬複(または普通馬複)と略されている場合があります(中央競馬では馬単発売後も馬連と呼ばれています)。

馬番連勝複式馬連
拡大馬番連勝複式ワイド  中央競馬では1999年末から導入された新馬券。原則として9頭立て以上のレースで発売されます。2頭の馬を指名し、その2頭が3着以内に入れば的中となります。つまり、1着2着、1着3着、2着3着が的中です。当たる確率は馬連より高いのですが、配当は安いです。3着に人気薄が来そうな時に狙える馬券かもしれませんが、売れ筋が人気薄に偏る傾向になり、単純に馬連の3分の1の配当となるとはいえません。馬連の押さえと考えていたほうがいいでしょう。
馬番連勝単式馬単  中央競馬では2002年から導入された新馬券です(ずっと昔にも売られていた時期があったらしいです)。1着2着を順番通り当てる馬券です。当然馬連(馬番連勝複式)よりも配当は2倍程度高いです。「この馬が勝つぞ」という自信がある時に買いましょう。単勝でもいいのですが、馬単だと2着に来る馬も絞り込めます。
馬番三連勝複式3連複  中央競馬では2002年から導入された新馬券です。3頭の馬を指名し、それらが(順序を問わず)1,2、3着となれば的中する方式です。馬連では狙った馬が2着までに入らなければ不適中ですが、3連複では狙った馬が3着までに入れば的中です。そういった意味ではワイドを拡張した馬券といえるでしょう。買い目の組み合わせが多く高い配当ですが、その傾向は多頭数ほど顕著となります。
馬番三連勝単式3連単  中央競馬では2004年から導入された新馬券です。3頭の馬を指名し、それらが1,2、3着順番通りに来ればとなれば的中する方式です。買い目の組み合わせが多く高い配当ですが、その傾向は多頭数ほど顕著となります。配当は高いのですがある程度他点買いをしなければなかなか当たりません。なお、資金が多分にあるという前提だと、この3連単を組み合わせることによって日本で発売されているすべての種類の馬券と同等の組み合わせになります(詳細は省略)。

 なお、馬券の正式名称は勝馬投票券といいます。

 なお、地方競馬では上記の馬券がすべて売られているとは限りません(単勝・複勝・枠連はどこの競馬場でも売られています)。また、ネット投票限定ですが、連続する5つのレースの勝ち馬を当てる五重勝(JRAの場合だとWIN5という愛称)も売られています。

マークカードを書く

 さて、馬券を買うにはどうすればいいかです。馬券を買うにはマークカードに記入するということをしなければなりません。口頭の窓口も一応ありますが、JRAの競馬場やウインズではほとんどがマークカード専用売場となっていて、口頭の窓口を見つけだすだけで苦労しますので、馬券を買う以上マークカードを書くことは覚悟しておいたほうがいいでしょう。

 マークカードを書く際の注意点として一番肝心なのは蛍光ペンは使用できないということでしょう。蛍光ペンだと機械が読みとってくれないので使用不可ということは頭にいれておいて下さい。 なお、マークカードは馬券売場にいけば無料で配られています。

 2004年に3連単が発売開始された後は、マークカードは下記の3種類になりました。

通常のカード

すべての種類馬券が買えます。カード一枚につき4点(裏表のあるタイプでは8点)まで購入可能です。マークカードでは「式別(単勝とか)」、「競馬場名(東京、阪神等)」、「レース番号」、「買い目(連勝式では2つマークすること)」、「各買い目に対する投資金額」をマークします。表と裏で別の式別を選ぶことが可能ですが、別のレースを選ぶことはできません。また、次の日のレースを前日発売で購入する際はシートの右上にある「前日発売」というところを忘れずにマークして下さい。

このカードでは買い目欄に「単+複」という選択肢もあります。これは選んだ馬の単勝と複勝を同じ金額だけ買うという意味です。応援馬券を買うために設けられたもので、これを選んだ場合馬券に「がんばれ」と表示されます。ただし、2つの券種を同時に買うということなのでマークした金額の2倍の料金がかかりますのでご注意下さい。

ながし専用カード

連勝複式において「ながし」という買い方をする場合に用います。このカードでは通常複数の買い目を購入することになりますが、投資金額は各買い目について均一となります。また、連勝単式系と連勝複式系の馬券でマークする面が異なります。

[ながし]

軸を一つ決め、それから何頭かの相手に流す買い方です。軸を1つ、相手を任意の数指名します。たとえば軸[3]相手[1,5,6]とした場合、[1-3,3-5,3-6]が買い目となります。
3連複・3連単の場合は軸が1頭の場合と2頭の場合があります。

軸1頭の例:軸[1,2]相手[3,4,5]とした場合[1-2-3,1-2-4,1-2-5]が買い目となります。
軸2頭の例:軸[1] 相手[2,3,4]とした場合[1-2-3,1-2-4,1-3-4]が買い目となります。
これらの例は連複の例ですが連単の場合は着順も指定しなければなりません。連単の時は軸馬の番号をそれぞれの着順の欄にマークします。

ボックス/フォーメーション専用カード

[ボックス]

番号を3つ以上(馬連などの場合2つでも原理的に可だが無意味)選ぶと、その中の任意の2つ(3連複の場合任意の3つ)の組み合わせが買い目となる買い方です。最大10点まで選択できます。たとえば馬連や枠連で[1,3,4,7]を選ぶと[1-3,1-4,1-7,3-4,3-7,4-7]の6点が買い目となります。3連複で同様の選び方をすると[1-2-4,1-3-7,1-4-7,3-4-7]の4点が買い目となります。なお、枠連の場合ゾロ目は含まれません。馬単の場合は裏表の買い目と見なされます([1,2]の場合、1→2、2→1の両方が買い目となる)。
数学の確率論での combination の記号を使って表すと(分からない人は以下は無視して)、N頭マークした場合、馬連・枠連の場合 C(N,2)通り、三連複の場合 C(N,3)通りの買い目が発生します。馬単は馬連の2倍、三連単は三連複の6倍の組み合わせ数になります。

[フォーメーション]

3連単の登場と共に登場したカードです。1,2,(3)着欄に複数の番号を記述でき、それらが論理的に可能な全ての組み合わせの買い目の購入となる馬券です。こう書いても何が何だかさっぱり分からないでしょうから3連単の場合の実例を示します。

1着: 1,2
2着: 2,3,4
3着: 4,5,6
この様にマークした場合1→2→4、1→2→5、1→2→6、1→3→4、1→3→5、1→3→6、1→4→5、1→4→6、2→3→4、2→3→5、2→3→6、2→4→5、2→4→6 の13通りが買い目になります。
2→2→4 のような数字がダブっているものは理論上このような買い目はありえないので買い目にはなりません。
このカードは主に3連単用に作られたものですが、3連複や馬連等でも使用可能です。買い目の数がとてつもなく多くなる場合がありますので注意して買いましょう。買い目の点数の計算が複雑なため、フォーメーションのマークカードを馬券販売機に投入すると買い目の点数を教えてもらえるサービスもあります。

窓口にいく

 マークカードを書いたらいよいよ馬券購入です。馬券を買うには自動で発売している機械に現金とマークカードをいれるか、おばちゃんのいる窓口にいっておばちゃんにマークカードと現金を渡します。おばちゃんの代わりにおねえちゃんがいる売場もごく稀にあるらしいのですが、通常窓口にいるのはおばちゃんなので過度な期待は禁物です(笑)ちなみに私は関東をホームとしているためこう書きましたが、北海道の競馬場にはおねえちゃんも結構居ます(フォロー、フォロー(^^;)。

 マークカードの記入が間違っていなければ、それで馬券が買えるはずです。間違っていた場合は機械の場合は画面の指示にしたがって、有人窓口の場合はおばちゃんの指示にしたがって訂正するなりキャンセルするなりして下さい。

馬券が当たったら

 馬券が的中した場合は払い戻しが受けられます。払い戻しは競馬場やウインズにある払い戻し場で行われています。払い戻し金額は「(投資額)×(オッズ)」です。オッズはレース確定後に発表されます。その際金額で表されていることが多いですが、金額で表されている場合それを100で割った値がオッズ(倍率)となります。たとえば「1,230円」なら賭けた金額の12.3倍の額の払い戻しが受けられます。

 中央競馬をはじめとした日本の公営ギャンブルのオッズは大ざっぱにいうと「賭けられた金額全体から胴元の取り分(テラ銭)を引いた残りを的中した人がわける」という計算方式なので(細かい式はJRAのホームページに書いてある)、売れている馬券(つまり的中者が多い)ほどオッズは低くなります。ですから、複勝・ワイドはそれぞれ単勝・馬連より的中する確率が高いのでオッズはたいていの場合安いです。

 なお、買った馬がレース発走前に出走取り消しや除外を受けた場合(もしくはレース自体が中止になった場合)はレース確定後に買い戻しが 受けられます。その場合金額は投資金額と一緒です(当たり前か)。

 なお、当たり馬券の有効期限は60日です。それを過ぎると当たり馬券は有価証券から紙屑へと姿を変えますのでご注意下さい。

馬券が外れたら

 60日待たなくても有価証券ではなく紙屑となります。ゴミ箱に捨てるなり、記念にとっておくなりして下さい。

その他

 勝ち馬投票するにはパソコン等の端末で自宅から投票できるPATや電話投票等があります。更に2002年よりインターネット(携帯含む)でも馬券を買えるようになり、世の中便利となりました。それらのサービスを利用するには会員登録しなければなりませんし、会員は申し込めば誰でもなれるわけではなく抽選に当たらなければなりません。また、このような投票システムでは勝ち馬投票しても馬券はもらえませんのでコレクターには不向きです。

また、即PATというジャパンネット銀行に口座があればすぐに始められるシステムも登場しました。口座があれば誰でも会員登録できます。この場合インターネット投票のみです。詳しくはJRAのホームページをご覧下さい。


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