テイエムオペラオーとメイショウドトウ。この2頭はここ2年ぐらい中長距離GIの連対の常連であった。特にテイエムオペラオーは昨年はパーフェクトな成績だった上に、今年も昨年ほどの勢いはないものの、なんだかんだ言って連には絡んでいる。メイショウドトウにしても悲願のGI制覇を達成したし、ここ2戦も展開が向かなかったり不利を受けたりしての敗戦である。今回は頭数も手頃だし、両馬とも外枠を引いたので馬群でつつまれてしまう可能性も少ない。この2頭でまたしても決まってしまうようにも見える。
しかし、有馬記念といえば3歳馬が強いレース。3歳といってももうすぐ4歳なので、秋の初め頃は3歳馬と古馬が対等に戦える斤量差だったのが、この時期になると3歳馬も成長して古馬同然の完成度になるため、斤量差が有利に働くわけである。有馬記念に限らずこの時期の3歳以上のレースは3歳馬が有利なようである。
今年は菊花賞馬マンハッタンカフェが出走する。長距離を使われるようになってから頭角を現したサンデー産駒のステイヤーである。サンデー産駒にこの距離が短すぎるということはなく、むしろベストだと思われる。菊花賞をフロック視する声もあるが、この馬はある程度以上の距離ならかなり強い馬である。有馬記念と相性のよい3歳馬ということでマンハッタンカフェを本命とする。
そしてこのメンバーでは、今まで名前を挙げた馬にナリタトップロードを加えた4頭の争いになるであろう。この4頭の力が抜けている。4枠と8枠以外の馬の出番はなさそうである。ダイワテキサスの3着とかならあるかも知れないが。その4頭のうちナリタトップロードは使い込んだ時計のかかる芝コースというものは苦手である。彼の脚はスピードの出る芝でこそ生きる。この時期の禿げた芝なら力は出し切れないと思われる。現に有馬記念は7着、9着と敗れている。というわけでマンハッタンカフェの相手もテイエムオペラオーとメイショウドトウの2頭とする。
後方に付けたマンハッタンカフェが最後に鬼脚を発揮し、突っ込んできた。菊花賞に続き古馬GIも制覇だ。マンハッタンカフェが勝ちそうになった時は、テイエムオペラオーかメイショウドトウのどっちかは2番手まで上がってこれるだろうから「取った!」と思ったのだが、届かず、5着に4着。
2,3着はアメリカンボスとトゥザヴィクトリー。両方馬とも先行した馬だ。先行馬に有利な展開となったため粘ってしまった。菊花賞でもそうだったが、こういう先行有利で有力馬が不発に終わる展開でもしっかりと勝つのがマンハッタンカフェだ。2,3着に前に行った馬が残り、人気馬が4,5着あたりまでしか届かず、マンハッタンカフェだけは持ち前の瞬発力で勝ってしまうという、まるで菊花賞のVTRを見ているような競馬だった。こういう展開でもしっかりと勝てるところがマンハッタンカフェの強みだ。
2着のアメリカンボスは今年の初め頃中山でGIIを2連勝した馬だ。近走不振のため人気にはなっていなかったが、冬のボコボコに荒れた中山の馬場は得意なのだろう。キングマンボ産駒だけに荒れた馬場に対する対応力がありそうだし。しかも江田照は中山は得意と来ている。このことに事前に気づいていれば押さえていたのだが・・・。