ＪＲＡとしては今世紀初のＧ１である。このレースが行われる東京ダート1600mコースは、芝コースを横切ってスタートし、芝を走る距離が外枠の馬ほど長くなるので、外枠の馬ほどスタートダッシュを付けやすく、外枠有利といわれる。特に、逃げ・先行馬にとっては。枠順による有利不利が大きく、Ｇ１を行うには不適切なコースという声も上がっている。

　その枠順の恩恵を最も受けそうなのがトゥザヴィクトリーである。とにかく前にいきたい馬なわけであるが、その馬が大外枠を引いたのはかなりラッキーだろう。芝での実績馬だが、今回は初ダート。適性があるのかどうかが不安視されているが、適性がないわけではないように思える。むしろ、牝馬限定戦でしか実績のないということの方が不安なのだが。しかし、枠順・展開が恵まれた今回はあっさり粘ってしまうということが考えられる。枠順を見るまでは他の馬を本命視していたのだが、枠順による利を考慮して、トゥザヴィクトリーを本命とする。

　フェブラリーＳといえばＧ１格上げから２連勝した岡部騎手。岡部騎手はフェブラリーＳに限らず、東京ダート1600mというコースが得意である。今回は昨年の覇者ウイングアローに騎乗である。ウイングアローはもう一つのＪＲＡダートＧ１であるＪＣＤも征し、また東京ダートコースでは負け無しである。久々なのがちょっと不安だが、実績ではナンバーワン。馬連の軸はトゥザヴィクトリーとするが、この馬の単勝も押さえておこうと思う。

　他では堅実派のサンフォードシチー、投票者の競馬に関する知識不足の犠牲となった昨年の幻の最優秀５歳以上牝馬ファストフレンド、勢いのあるマンボツイストが狙い目。人気サイドでは昨年２着のゴールドティアラは、昨年ほど展開は向かないだろうし鞍上も武豊ではなくなり、マイルも大丈夫だが本質的には1400m以下の方が適性がありそうなので今回は見送り。