騎手に注目していると、今年の函館は例年とはちょっと違う。武豊がいないというのもそうだが、それよりも何よりも福島男中舘英二が毎回函館で騎乗しているのである。中舘といえば福島だが、夏の福島の開催期間中はずっと函館で騎乗しており、福島では１度も騎乗していない。福島のファンにとっては名物男が来ないので物足りない競馬だったと思うが、中舘騎手は函館では大活躍した。もともと福島以外でも平坦小回りなコースは得意なジョッキーなのであるが。

　その何故か函館で乗っている福島男中舘騎手が騎乗するのが、同じく騎手時代福島男と言われていた増沢末夫厩舎のスピードオーバーである。デビュー戦である前走は新潟のダート戦を圧勝。新潟からの転戦＆初芝ということでそれほどには人気になっていないが、前走0.9秒差の圧勝をした馬は他にはいない。しかも父ロドリゴデトリアーノは芝でこそ実力の発揮される血統である。さらに、前走は牧原騎手の騎乗だったが、今回は中舘騎手に乗り替わりというのが非常に魅力である。今年わずか２勝の騎手から５５勝の騎手への乗り替わりで鞍上強化度はナンバーワンである。芝の方が得意な筈の馬なので是非狙ってみたい。西田雄一郎（元騎手）に乗って欲しい馬名ではあるが。

　相手は期待の新種牡馬ジェニュイン産駒のオメガスターライトを筆頭に、今年は２歳戦で好調の森厩舎のエーススターエルドラード、函館リーディングジョッキー松永幹夫騎乗のサダムブルースカイ、先行力があり逃げ残りの可能性があるブルーショットガン。２頭出しの森厩舎の人気のない方であるヘルスウォールも連闘策が不気味であるので、押さえておこう。