夏に行われる唯一のＧII札幌記念。ＧIIに格上げ後は明らかに格上の馬がいる場合はその馬で決まることが多い。昨年のファレノプシス（７着）は例外。今年はダービー馬ジャングルポケットが参戦する。過去において３歳馬の出走が無いので３歳馬がデータ的にどうのこうのとは言うことができないが、今年の３歳馬は（少なくとも早い時期に勝ち上がっている馬は）古馬相手でも活躍している。だからレベルの高い世代のダービー馬ジャングルポケットも古馬相手でもダービー馬の名に恥じないレースをするであろう。本命はジャングルポケットで決まりだ。

　問題は相手。おそらくグリグリの人気になるであろうから◎の単勝では馬券的妙味がない。スティンガーが一応実績２番手だが府中巧者が平坦・小回り・右回りと府中の逆を行く競馬場で走るので割り引かざるを得ない。調教もあまり良くないし、府中に条件の近い新潟外回りですら惨敗を喫しているぐらいなので調子も落ちているのだろう。では、２頭出しの藤沢和厩舎のもう１頭の馬ウインシュナイトは連闘策が不気味であり岡部がスティンガーではなくこちらに乗っているので人気もなく面白いかと思った。しかし、考えてみれば未勝利を勝ったばかりの馬がＧIIで勝負になるとは思えない。岡部にしても素質のある馬なので将来を考えてこちらを選んだのだろう。特に岡部という騎手は出走経験の浅い馬は勝つことより育てることを考えて乗ることが多いので今回も勝ちにはこないだろう。将来性は買うが馬券は買えない。

　藤沢和厩舎だけではなく二ノ宮厩舎も２頭出しをしてきている。ダイワカーリアンとエモシオンである。このうち昨年の覇者ダイワカーリアンを連の相手とする。おそらく差し馬ジャングルポケットが中心にレースが動くことになると思われ、少頭数ということもありペースは緩くなるだろう。そこでダイワカーリアンが楽に逃げることができ、展開的に有利である。札幌との相性がよく昨年もこのレースを征しているので近走はぱっとしないが見限れない。