10R | 第69回東京優駿(日本ダービー) |
馬主や調教師、生産者等競馬関係者にとって特別なレース。馬にとっても一生に一度の特別なレースである。ジャパンカップのほうが賞金が高くなったとはいえ、やはり格や重みはダービーが一番である。馬券師としてもやはりダービーは他のレースよりも的中したときの充実感が大きい。競馬場にもダービーデーは独特の雰囲気が漂い、気持ちも高ぶってくる。そして、もちろん実際に手綱を取る騎手にとっても特別なレースである。
ダービーとはこのように独特の雰囲気のあるレースであり、勝利をものにするには場慣れが必要であるので、ベテラン騎手に有利なレースである。勝てばこの上ない名誉であるが、なかなか勝つのが難しい。ダービー初出場の騎手やダービー出走歴の少ない騎手に勝てるものではない。それはたとえアンカツであっても一緒である。他のレースなら普通に乗れば技術の違いで勝てる騎手であるが、ダービーの独特の雰囲気を感じたことのない騎手ならたとえ名手であっても実力を発揮するのが難しいであろう。特にJRAの騎手はメンツがあるので、地方所属の騎手の馬を総力で負かしに来る可能性がある。これは短期免許の外人騎手にも言えることでデザーモも割り引いて考えたほうがいいと思う。まして、(JRA所属ではあるが若手の)勝浦や村田では回ってくるのがやっとかもしれない。
キーポイントとなるのは4頭出しの藤沢和厩舎。藤沢厩舎の主戦岡部はシンボリクリスエスに乗る。
このシンボリクリスエスは前走青葉賞は何故か岡部ではなく武豊が騎乗。そのレースで岡部は藤沢和厩舎のボールドブライアンに乗り、番手でレースをすすめ、バテてブービー。逃げたトウカイアローの次に下の着順である。この青葉賞は差しが決まる展開で、3頭出ししていた藤沢和厩舎はシンボリクリスエスが勝っただけではなく、ヤマノブリザードが3着に入り、優先出走権を確保。
ボールドブライアンを捨て駒にして、2頭のダービー優先出走権を確保した。岡部が何故、青葉賞でペースメーカー役の馬に騎乗していたのかは不明だが、岡部が乗るシンボリクリスエスがダービーでの狙い目となる。ちなみにデザーモが来れるかどうかが不明だったため、藤沢師は岡部にシンボリクリスエスに乗るかマチカネアカツキに乗るかを選ばせたらしい。
他の藤沢勢ではサスガは鞍上がアンカツなので先述の通り消し、ヤマノブリザードにしても地方からの転厩馬であり、他の3頭はデビュー当時から藤沢厩舎の馬だったので、調教師としてはその他の3頭のうちのどれかを勝たせたいというのが心情だろう。シンボリクリスエスが藤沢和厩舎にとっての本命で、他の3頭はクリスエスが有利にレースをするための引き立て役であると見て、シンボリクリスエスを私の本命とする。昨年シンボリルドルフの調教師としてお馴染みの野平祐二元調教師がお亡くなりとなった。追悼の意味もこめてルドルフと同馬主で同騎手であり、厩舎も当時のスタッフだった藤沢和雄現調教師の厩舎であるので、是非ともクリスエスに勝って欲しいものである。
タニノギムレットはさすがにローテーションがきつい。昨年のクロフネのような能力的にずば抜けた馬ですらダメだったのだからギムレットでは難しい。前2走を余裕含みで戦って来たのならともかくとして、不利を受けたが3着まで食い込む等、全力で戦って来ているように見えるので、さすがに疲れが溜まっているだろう。こんな馬が1番人気だと消すしかない。いくら1番人気は過去10年でメジロブライト以外は連に絡んでいるとは言え、このような過酷なローテーションで1番人気となった馬自体がいないのだから、「1番人気連対の法則」は今年に限って言えば当てにできない。
クリスエスに次ぐ2番手評価はノーリーズン。皐月賞で大穴を開けた馬であるが、皐月賞では完全に人気の盲点になっていた。若葉Sで惨敗したのが人気を落とした理由であるが、今回も3番人気前後であろう。不利を受けた若葉Sの成績を度外視すれば文句無しの内容であり、距離が延びたらもっとよくなるであろう。皐月賞ほどにはおいしい配当にはならないだろうが、それでも本来1番人気になる筈の馬の割には人気になっていないので対抗評価とする。鞍上の蛯名もそろそろダービージョッキーになる順番が回ってくる頃だろうし。
3番手評価がタイガーカフェ。皐月賞の評価が低いのか、この馬もそれほど人気になっていない。近走を見ていると常に人気を上回る着順であり、地味だが安定性がある。しかも3歳春のビッグレースに強いサンデーサイレンス産駒である。ダービーに出走するサンデー産駒の中では最も期待のできる馬である。
更に1頭、皐月賞4着馬ダイタクフラッグが異常に人気がない。4着といってもタニノギムレットやタイガーカフェとタイム差無しのレースをしているのだから、人気薄のここでは一応押さえておく。鞍上が江田照というのも穴を開けてくれそうな騎手であることだし。
|
|
2着は私の本命シンボリクリスエス。3着がマチカネアカツキ。両方とも藤沢和厩舎である。この2頭の馬の両方が両方とも勝ちにいったから惜敗だったが、どちらか片方がギムレットをマークするように進めたら、残りの片方は勝てたのではと思われる。
勝ち馬、2着馬ともに父はロベルト系。ダービーではロベルト系種牡馬が相性がいいらしい。ブライアンズタイム産駒が連対することが多いし。
4着はニホンピロウイナー産駒のメガスターダム。距離が持たないと思われたが、この馬が勝ち馬からそれほど離れていない4着にくるような展開だったので、しまいの瞬発力勝負の展開だったといえる。瞬発力勝負になればギムレットは有利なので勝ったのもうなずける。この組み合わせで8倍も付くのなら押さえておけばよかったか。
外れ
2002年 5月26日(日) | 4回東京4日 | 天候 | 曇 | 馬場状態 | 良 |
---|
10R | 第69回東京優駿 |
3歳・オープン・G1(定量) | (牡・牝)(指定) | 芝2400m | 18頭立 |
着 | 枠 | 馬 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 斤量 | タイム | 着差 | コーナー順 | 3F | 人 | 体重 | 厩舎 | 賞金 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | タニノギムレット | 牡3 | 武豊 | 57 | 2.26.2 | 12-13-11-12 | 34.7 | 1 | 482 | (栗)松田国英 | 15000 | ||
2 | 6 | 11 | $ | シンボリクリスエス | 牡3 | 岡部幸雄 | 57 | 2.26.4 | 1 | 8-8-9-8 | 35.2 | 3 | 520 | (美)藤沢和雄 | 6000 |
3 | 4 | 8 | マチカネアカツキ | 牡3 | デザーモ | 57 | 2.26.4 | 頭 | 8-8-6-4 | 35.6 | 6 | 512 | (美)藤沢和雄 | 3800 | |
4 | 5 | 10 | メガスターダム | 牡3 | 松永幹夫 | 57 | 2.26.4 | 頭 | 6-6-6-8 | 35.2 | 9 | 490 | (栗)山本正司 | 2300 | |
5 | 8 | 18 | ゴールドアリュール | 牡3 | 上村洋行 | 57 | 2.26.5 | クビ | 3-3-3-2 | 35.8 | 13 | 498 | (栗)池江泰郎 | 1500 | |
6 | 3 | 5 | アドマイヤドン | 牡3 | 藤田伸二 | 57 | 2.26.7 | 11/4 | 11-11-11-12 | 35.3 | 8 | 440 | (栗)松田博資 | ||
7 | 7 | 15 | バランスオブゲーム | 牡3 | 田中勝春 | 57 | 2.26.9 | 11/2 | 2-2-2-2 | 36.2 | 10 | 458 | (美)宗像義忠 | ||
8 | 1 | 2 | ノーリーズン | 牡3 | 蛯名正義 | 57 | 2.26.9 | ハナ | 12-11-11-11 | 35.6 | 2 | 474 | (栗)池江泰郎 | ||
9 | 1 | 1 | ヤマノブリザード | 牡3 | 柴田善臣 | 57 | 2.27.0 | クビ | 15-14-14-16 | 35.3 | 16 | 492 | (美)藤沢和雄 | ||
10 | 8 | 17 | タイガーカフェ | 牡3 | 四位洋文 | 57 | 2.27.2 | 11/4 | 6-6-6-5 | 36.2 | 5 | 478 | (美)小島太 | ||
11 | 3 | 6 | テレグノシス | 牡3 | 勝浦正樹 | 57 | 2.27.2 | クビ | 10-10-9-8 | 36.0 | 4 | 458 | (美)杉浦宏昭 | ||
12 | 8 | 16 | バンブーユベントス | 牡3 | 村田一誠 | 57 | 2.27.5 | 2 | 5-4-4-5 | 36.5 | 12 | 450 | (栗)田島良保 | ||
13 | 2 | 4 | ダイタクフラッグ | 牡3 | 江田照男 | 57 | 2.27.7 | 11/2 | 3-4-4-5 | 36.6 | 14 | 500 | (栗)鹿戸明 | ||
14 | 4 | 7 | モノポライザー | 牡3 | 後藤浩輝 | 57 | 2.27.8 | 1/2 | 16-16-16-12 | 36.3 | 7 | 440 | (栗)橋口弘次 | ||
15 | 5 | 9 | ファストタテヤマ | 牡3 | 安田康彦 | 57 | 2.27.8 | クビ | 16-16-16-15 | 36.2 | 15 | 448 | (栗)安田伊佐 | ||
16 | 6 | 12 | チアズシュタルク | 牡3 | 石崎隆之 | 57 | 2.28.2 | 21/2 | 14-14-15-18 | 36.2 | 17 | 456 | (栗)山内研二 | ||
17 | 7 | 14 | サスガ | 牡3 | 安藤勝己 | 57 | 2.28.6 | 21/2 | 16-16-16-16 | 36.8 | 11 | 512 | (美)藤沢和雄 | ||
18 | 7 | 13 | サンヴァレー | 牡3 | 田中剛 | 57 | 2.29.7 | 7 | 1-1-1-1 | 39.1 | 18 | 460 | (栗)岩元市三 |
LAP | 12.8-11.3-12.6-12.6-12.4-12.3-12.4-12.0-12.2-11.7-11.6-12.3 |
---|
通過 | 36.7-49.3-61.7-74.0 | 上り | 72.2-59.8-47.8-35.6 | 平均 | 1F:12.18 / 3F:36.55 |
---|
単勝 | 3 ¥260 | 複勝 | 3 ¥130 / 11 ¥180 / 8 ¥310 |
---|---|---|---|
枠連 | 2-6 ¥800 (2) | 馬連 | 03-11 ¥870 (2) |
ワイド | 03-11 ¥400 (2) / 03-08 ¥760 (5) / 08-11 ¥1050 (9) |