日本にやってくれば好走することの多い香港馬。今年は２頭香港の馬が参戦する。外国の馬がやって来た場合、馬の能力以上に陣営のやる気がキーポイントとなるが、今年の場合はどうだろうか？香港の馬は日本のＧＩで活躍するイメージがあるが、実は香港の馬なら何でもいいわけではなく、アラン厩舎であることが重要である。オリエンタルエクスプレスしかり、インディジェナスしかり、フェアリーキングプローンしかり。それだけアラン調教師は日本競馬に対する意気込みが強いと言うことだ。もともとアラン師はシンガポールで開業して香港に拠点を移しているので、国境というものをあまり意識していないのかもしれない。しかも、人気薄で好走し、次の年同じ馬が出てくると人気になり負けるというパターンが多い。これはマークされないと強みを発揮できることもあるが、アラン調教師自身が自厩舎の馬の馬券を買って勝負していることにもよるだろう。

　というわけで、アラン厩舎のジューンキングプローンが本命。ここ２年連続して安田記念で連に絡んでいるデインヒル産駒なので、安田記念への適性はＯＫだろう。人気にもなっていないので、狙い目である。

　対抗は昨年本格化し、香港の国際ＧＩでも連勝しているエイシンプレストン。ＱＥ２カップでは日本の現役最強馬アグネスデジタルを下しての勝利である。前回の帰国緒戦の中山記念は斤量のせいもあり５着に敗れているが、香港マイルはそのレースに照準を合わせていったのに対し、ＱＥ２カップは日本に適当なステップレースが無いから遠征したのであって、あくまで狙いは安田記念だと思う。ここでは万全の仕上げで登場するだろう。

　▲は藤沢和厩舎３頭出しの中から筆頭格のゼンノエルシド。先週のダービーは多頭出しの藤沢厩舎の中では岡部が騎乗している馬が連に絡んだが、今回はさすがに馬の格からいってゼンノエルシドが藤沢厩舎の本戦だろう。