かつてはマル外ダービーと呼ばれたほどマル外の活躍が多かった。というか出走自体が多かった。創設当初はマル外にはクラシックが開放されておらず、また、当時は海外市場でもジャパンマネーがブイブイ言わせていたマル外全盛期だった。しかし、今ではマル外にも部分的ではあるがクラシックが開放され、日本人馬主も以前ほど海外から良血馬を買って来なくなった。日本が不況であることに加えてアメリカ人等の有力なバイヤーが登場してきたからである。日本人でもアメリカのセリで８億出して馬を買う馬主さんもいらっしゃるようだが、そのような人は本当に良血な馬はアメリカの厩舎に預けているようだ。

　というわけで、過去のデータを分析した結果得られる解である「外国産馬有利」という考え方はここでは通用しないだろう。むしろ今まで実績の無い皐月賞や桜花賞からこのレースを狙ってくる馬が活躍するであろう。かつては強い馬なら猫も杓子もダービー・オークスだったが、レース体系が整理され距離による分業化が進む現在の日本競馬界では、皐月賞や桜花賞を使って上位入線していても、距離適性を考えてＮＨＫマイルＣを本気で取りに来る厩舎もあるだろうし今後増えてくるだろう。余談だが桜花賞を勝ってＮＨＫマイル出走というのは私がウイ○ングポストというゲームでよくやるローテーションである。

　本命は桜花賞馬ラインクラフト。牝馬戦とはいえＧＩ勝ちの重賞３勝というのはこのメンバーでは明らかに格上。桜花賞は牝馬だけの戦いとはいえ、翌週の古馬ＧIIマイラーズカップと同タイムというのは優秀。２頭出しで万全の体制で臨む瀬戸口師の本気度にも注目できる。マイルならあっさり勝ってしまいそうな器である。

　対抗は皐月賞６着のペールギュント。重賞を２勝しているマイルの舞台に戻るとその真価が発揮されそうな気配。橋口厩舎＆武豊の追い込み馬ということで、１着はともかく２，３着付けで買うのであれば信頼度抜群。

　馬券的には上記２頭を軸とした３連単を狙うが他の馬はマイル以上の重賞連対もしくはオープン勝ち馬を中心に狙う。東京1600mというコースは距離の割りにスタミナも要求されるコースであるし、過去のこのレースを見ても1400mがベストというような馬はあまり活躍していない。むしろ長いところでの実績のある馬がよく馬券に絡んでいる。人気所でもアイルラヴァゲインは1400m以下でしか実績が無いので狙いづらい。むしろ笑って切るのが正解だろう。