久しぶりの府中開催である。この毎日王冠は毎年のことであるが、ＧIIにもかかわらずかなり盛り上がる。秋の古馬ＧＩ戦線の中心となる馬がここか同日京都で行われる京都大賞典からスタートと言うことが多いからと言うこともあるが、日本一の競馬場である東京競馬場に久々に開催が戻ってくるという要因が大きいだろう。同じ府中開催にしてもＮＨＫマイルＣ等の地味なＧＩよりも客が入るし。

　このレースでは出てくるたびに「テレグノシス本命」と書いているような気がするが、今年は主戦・勝浦ではなく大野が代打騎乗と言うことで評価をちょっと下げる。

　本命は府中芝成績６勝のアサクサデンエン。前走安田記念も勝てなかったものの日本馬の中では最先着している。得意のコースでこのメンバーならかなり期待ができそうである。また、鞍上の藤田はこの日の夜、啓文堂書店府中店で自身の著書「特別模範男」のＰＲのためにサイン会を予定している。「男」と名乗っているからには、サイン会を開催する日のメインレースで人気馬で負けるなどというわけには行かず、気合いを込めた騎乗をするであろう。どうしても勝ちたい筈である。その「男・藤田」の気合いはジョッキールームやパドック・本場場入場でもオーラとなって他の騎手に伝わるため、他の馬の騎手も藤田の邪魔になるレースはしないだろう。というわけでアサクサデンエンを本命とする。

　対抗はメジロマントル。毎日王冠の週と言えば開幕週であり先行有利である。芝が傷んでおらずスピードが出やすいことに加え、久々に直線が長い府中で久々の開催と言うことで、後ろからいく騎手が仕掛けるタイミングを間違えることが多いというのもその原因である。まして、今開催は香港・沙田競馬場を超えてギネスブックにも載ることになった特大ターフビジョンを使用しての最初の開催である。今までのターフビジョンより（スタンドに向かって）右端が、４コーナーよりに位置している。ターフビジョンの端を見て今までの距離感覚で追っていると、仕掛けが早くなる可能性がある。だから、例年よりも逃げ馬にとっては相対的に有利であろう。最初から最後まで飛ばして来ればいいメジロマントルには有利な舞台である。しかも逃げ馬にとっては有利な内枠を引いている。

　その他の馬ではロジック、ダンスインザムード、テレグノシスといった府中のＧＩ勝ち馬と、府中成績がいいハットトリック、今年のダービー４着と好走し、まだまだ伸びる可能性を秘めているマルカシェンクを狙う。