今年からダービーの日の最終レースに薄暮開催として行われることになったレースである。日本ダービー発祥の地である「目黒」の名を冠した重賞である。ＪＲＡの同一競馬場で複数の重賞が行なわれるのは、私の記憶では一昨年にＪＲＡ50周年記念として行なわれたゴールデンジュビリーデー、つまりジャパンカップとジャパンカップダートを同日開催した時以来である。ちなみに地方では毎年ＪＢＣクラシックとスプリントが同一競馬場で同一日に行われている。何はともあれ、今年から馬を出走させる側にとっての「残念ダービー」である駒草賞が無くなり、代わりに馬券を買う側にとっての「残念ダービー」が出来たのである。いや、勝負師としてはダービーをきっちり当てて「残念ダービー」ではなくダービーで稼いだカネを転がすレースにしたいところである。

　さて、最終レースとして行われるレースであるので最終レース的な予想が必要である。要は「人気サイドを狙え」ということである。最終レースは負けた客にとっては大逆転の場である。その負けた客は大抵穴狙いに走る。つまり穴馬が必要以上に売れるのである。そして相対的に人気サイドの馬の方が期待値が高くておいしい馬券になることが多い。というわけで人気サイドから狙って行くこととする。

　本命はトウカイトリック。芹沢がダービー騎乗馬が無いにもかかわらず関西から府中にやって来ている。この日の乗鞍は２鞍なのだが、このトウカイトリックに乗るためにわざわざ遠征に来たのだろう。それだけの馬なので期待が持てる上に、芹沢はダービーのことなど考える必要もなくこの馬の騎乗に集中できる。馬自体の実力もこのメンバーだとナンバーワンであり、文句無しの本命。

　対抗は３連勝中で前走圧勝したポップロック。鞍上の川田は今年ダービーに初騎乗だが、ダービーが終わり肩の荷が下りるここは狙い目。ダービーの乗り馬が人気馬だったら負けたショックで立ち直れないということもあるだろうが、ダービーで乗る馬は勝てればラッキーという馬なので、肩の荷が下りたここはいつも通りの力を出せるだろう。もともと若手の中では実力のある騎手であり、ここでも期待して良い。

　もう１頭１番人気アイホッパーも押さえておく。