今年は外国馬コートマスターピースが出走するが、外国馬といえば取捨に困ることが多い。海外競馬マニアでも無い限りよく知らない様な馬がやって来るわけだし、その馬の実績ぐらいは調べられたところでその馬が長距離輸送に強いかとか日本の馬場に適性があるかということはほとんど分からない。それが分からない限り他の出走馬との横の比較は不可能である。もっと極論を言うとその馬の所属する国からファンが日本にやって来て（合法的に）馬券にどれだけ注ぎ込んで（実力とは無関係な部分で）オッズに影響をさせるか、というところまで予想しないとその馬が期待知的においしいのかどうかの判断が付かないのだが、そこまで読むのはほぼ不可能である。ただ１つ言えることは、ＪＣの様な招待レースと違ってわざわざ自腹を切って遠征してきている訳なので、厩舎サイドが全くやる気がなくてただ出すだけということはほとんど無いということである（ＪＣと言うレースは陣営の本気度まで読みきれないことが多いので普通の国際レースより更に難解である）。

　この様に外国馬の参戦は競馬予想をする上ではやっかいな代物であるが、今回出走する外国馬コートマスターピースは積極的に買いである。いや、鉄板の本命であるといえる。というのは世界一の騎手ランフランコ・デットーリが騎乗するからである。デットーリと言えば昨年のＪＣをアルカセットで征しており、あのイーグルカフェですらＪＣダートで勝たせた騎手である。JRA-VANにデータがある限りデットーリの日本での成績を調べたところ、以下のデータが得られた(このレースの前日11/18の成績は含まず)。

	成績	勝率	連対率	複勝率	単勝回収率	複勝回収率
全騎乗	[15,10,6,33]	23.4%	39.1%	48.4%	185%	124%
ＧＩ	[ 4, 0, 2, 3]	44.4%	44.4%	66.7%	661%	245%
外国馬	[ 3, 0, 2, 2]	42.9%	42.9%	71.4%	552%	261%

　デットーリをベタ買いしていればプラスなのである。しかも、全成績の中には何回か出場しているがほとんど活躍していないＷＳＪＳでの成績も含まれる。ＧＩという大舞台に限れば驚異的な数字。外国馬限定でもイーグルカフェでのＪＣＤ制覇があるので単勝回収率がちょっと落ちるがかなりの結果を残している。しかも、単勝回収率が異常に高い上に、勝率＝連対率（簡単に言うと２着には来ない）なので頭で買うのがかなりおいしい。騎乗技術や馬の能力を引き出す戦略力に長けているため馬を上位に持ってくることが出来て、なおかつ競り合いに強いので１着が多いのである。また、外国馬に騎乗したときにこれだけの成績を残しているということは、勝負になるような馬に乗るのでは無い限りわざわざ日本に来ないということも言える。コートマスターピースの頭狙いで決定である。

　相手を何にするかだが、相手筆頭はダンスインザムード。秋天は６着だったが、本質的には1800m以下の馬であり、厩舎サイドもそういう認識なので秋天は叩きでここを本線に仕上げてきた。相手２番手は昨年の２着馬ダイワメジャー。この秋２連勝で秋天を征しての挑戦であり、勢いではナンバーワン。

　その他は、本当は秋天に出走したかったのだが菊に出走せざるを得ず距離の壁に泣かされたマルカシェンクがここで無念を晴らすべく頑張るだろう。そしてもう１頭、最近はパッとしない成績だが京都限定で無類の強さを発揮する昨年の覇者ハットトリックも警戒が必要。その他にも何頭か流しておく。