2008年12月28日(日) 5回中山8日目 15:25発走
10R 第53回有馬記念
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝 2500m 14頭立

 今年は2年ぶりに有馬記念特集ということで全出走馬コメント入りの特別版の馬柱でお送りしよう。

 今年はウオッカ、ディープスカイという中長距離のGI戦線を賑わした馬が不出走である。その2頭が出ないのは寂しい限りだが、それでも豪華なメンバーが勢揃いだ。ウオッカ、ディープスカイが出てこないのはやはり秋天→JCというレースの反動が大きいのだろう。そして顔みせ程度に出てくるだけよりだったが、休ませたいという陣営の思惑だ。

 ところで、有馬記念はかつてはJC激走馬は黙って消していれば良かったレースだった。それだけJCは体力を消耗する激しいレースであるということだ。しかし、スペシャルウィークやテイエムオペラオーのあたりからはそうでもなくなっている。理由は日本馬のレベルが相対的に上がっているからということもあるだろうが、勝負にならないと思った馬は有馬を回避する様になったからということも大きいだろう。有馬記念はかつてのような勝負になるかどうかに関係なく出るだけが名誉であるオリンピックのようなレースではなくなり、入着してこそ価値があるレースという見方をする陣営が増えたのだろう。

 前振りが長くなったが、おそらく今回の鍵を握るであろうJC馬スクリーンヒーローの取捨だ。JC上位組のウオッカ、ディープスカイが揃って有馬記念回避ということは、JCはそれだけ消耗の激しいレースだったということが伺える。スクリーンヒーローは秋天組よりも1週間隔の狭いアル共杯からJCへの参戦である。しかも、この馬の場合夏の札幌からずっと使われっぱなしである。このローテーションでなおかつJCで激走したとあれば、さすがに疲れは残っていて、有馬で好走する余裕はないだろう。JC→有馬と連続連対した馬は過去に何頭かいるが、いずれもそれなりに余裕を持ったローテーションで二兎(場合によっては三兎)を追ってきた馬ばかりである。というわけでJC馬スクリーンヒーローは消し。

 本命は昨年の勝ち馬マツリダゴッホ。前走のJCは4着だが着順以上の好走をしているので、「JC激走馬は消し」といったのに反するのではという突込みが聞こえてきそうだが、ローテーション的に余裕があるので買いである。秋天とかアル共とかを使わずにオールかマーから余裕を持ってJCに臨んだ余裕のローテーションである。JCにしても結果的に0.2秒差の惜敗であるが、無理に追って勝ちに行ったというよりは先行していたら残ってしまったといった感じである。スクリーンヒーローの様に勝ちにいったレースではなかった。中山コースは[7,1,1,1]の中山巧者であり、陣営の狙いももちろん有馬記念であろう。昨年よりも人気だが昨年並みの活躍を期待する。

 対抗はカワカミプリンセス。4歳時は破竹の勢いだったが、エリ女降着で流れが変わってしまった。そして昨年は大不振。しかし、それで終わってしまったわけではなく、今年に入ってから復活の兆しを見せている。2年以上勝ち星は無いが復帰後は2戦連続2着。もともと全盛期並みの力を出せれば勝負になる馬。叩き3戦目の今回はより上積みに期待できる。ぜひとも復活に期待しよう。

 ▲はダイワスカーレット。昨年2着馬である。本当はこっちを対抗にしてもよかったのであるが、配当を考えてカワカミを対抗としダイワは▲とした。ただし、実力的にはこちらの方が上だと思っている。デビュー以来11戦して連を外したことは1度も無い。大崩れすることは無く安定性とか確実性とかというのを考慮するとあのウオッカよりもずっと上を行く馬だと思う。人気にはなっているが抑えておく必要はある。

 その他の馬では叩き3戦目で実力的に復活があってもおかしくないメイショウサムソンと、同じく叩き3戦目で復活の可能性があるアサクサキングス。それから、AJCC勝ちの実績があり叩き3戦目でなおかつ歴史的名勝負だった秋天で勝馬と0.1秒差と差の無いレースをしたエアシェイディが人気の盲点となっており狙ってみる価値がある。

B馬名性齢騎手斤量
1 1 カワカミプリンセス 牝5 横山典弘 55復調の兆しを見せている「元最強馬」。叩き3戦目の理想のローテーション。
2 2 ベンチャーナイン  牡3 *柴田善臣 55クラシック全て着外の3歳馬。今回はただ出るだけか。
3 3 コスモバルク    牡7 松岡正海 57かつてはGI戦線を賑わした地方馬だが、年齢的に限界と思われる。
3 4 エアジパング    セ5 *藤田伸二 57ステイヤーズSで念願の重賞制覇だが夏から使われっぱなしで余力はなさそう。
4 5 フローテーション  牡3 *ルメール 55菊、ステイヤーズ連続2着。血統的に有馬よりも春天の方が向いてるといった感じ。
4 6 エアシェイディ   牡7 後藤浩輝 57AJCC勝ち。叩き3戦目。秋天で勝馬と0.1秒差。人気の盲点であり穴ならこの馬。
5 7 アルナスライン   牡4 *ペリエ  57菊2着、ハンデ重賞2,3着の実績はあるが重賞勝ちは無し。ペリエでも厳しいか。
5 8 スクリーンヒーロー 牡4 デムーロ 57JC勝ちは評価できる。夏から使いづくめでありJCの激走の反動も気になるところ。
6 9 メイショウサムソン 牡5 *武豊   57JCの雪辱なるか。実力はある馬なので復活の可能性あり押さえておきたい。
610 マツリダゴッホ   牡5 蛯名正義 57昨年の勝ち馬。中山[7,1,1,1]の中山巧者。得意コースなので負けないだろう。
711 ドリームジャーニー 牡4 池添謙一 57GIIまでの馬か。春からコンスタントに使われているので上積みもなさそう。
712 アサクサキングス  牡4 *四位洋文 57今秋はパッとしないがかつての世代最強牡馬。叩き3戦目で変り身に期待。
813 ダイワスカーレット 牝4 安藤勝己 55デビュー以来連を外していないし昨年の有馬も2着。秋天から直行の余裕のローテ。
814 アドマイヤモナーク 牡7 *川田将雅 57GIでは負けすぎであり今回も8着に入れば儲け物という感じでの出走。
結論
[馬連]
10-13 ・・・3000pts
1-10 ・・・ 1000pts
9-10 ・・・ 600pts
10-[6,12]・・・200pts

レース後のコメント
 1番人気ダイワスカーレットがハナを切る。そしてそのまま他の馬に抜かれることは無く先頭でゴールを駆け抜けた。GIは4勝目だが、牡馬相手のGIは意外にもこれが初めてである。デビュー以来ずっと連対と安定した成績は残しているのだが、牡馬相手に勝ったというのは実はこれが初。昨年の雪辱を果たした。ちなみに2着馬に0.3秒差以上つけて勝ったのはこれがデビュー戦以来である。勝つときも2着のときも2着(or1着)馬との差は0.2秒以内。そういう接線ばかりしている馬でもあるんだよな。今回はデビュー以来最も強い勝ち方で勝ったといえるだろう。

 2着に来たのが最低人気のアドマイヤモナーク。ここの予想のコメントでも「GIでは負けすぎであり今回も8着に入れば儲け物という感じでの出走。」と書いた。正直に言うと「今回は全馬のコメント書くことにしたけど、こんなただ出るだけで見せ場も無いと思われる馬のコメント書くのは面倒だな」と思いながらコメントを書いた。それが2着にやってくるのだから驚きである。道中もポツンと最後方を歩いているだけに見えたのだが、気がついたら2着に突っ込んできていた。前に行った馬がダイワスカーレットのペースに翻弄されて軒並み凡走している中をマイペースで行けたのが好走の原因なのかも知れない。川田騎手の好騎乗が光った。1番人気が買っているのに馬連約295倍と大荒れ。

 3着はエアシェイディ。穴を開けるとしたらこの馬だと予想した馬だ。人気をいい意味で裏切る好走は見せたのだが、2着に買える要素がほとんど無い馬が来るようじゃね。エアシェイディは買えるがアドマイヤモナークは買えないよ。

 我が本命マツリダゴッホは12着。3コーナーから4コーナーにかけて上がっていった時は「さあ、来るぞ!」と思ったのだが、4コーナー付近で脚がピッタリ止まってしまった。内に入れたかったのにはじかれるように外を回らされたのは痛かったが、それにしても負けすぎ。ペースが速かったから控えたのかも知れないが、本来はもっと前からの競馬をする馬だし前に行かせてもバテない馬なのでもうちょっと前から行ってもよかったのではないだろうか?昨年は3番手からの競馬で勝ってるんだしね。

外れ



2008年12月28日(日) 5回中山8日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【10R】 第53回有馬記念
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝 2500m 14頭立
馬名性齢騎手斤量タイム着差通過順上3F単勝体重増減調教師賞金
813ダイワスカーレット牝4安藤勝己 55 2.31.501-01-01-0136.4 12.6494 -4(栗)松田国英18000
814 アドマイヤモナーク牡7川田将雅 57 2.31.81 3/414-14-13-1135.81490.2468 +6(栗)松田博資7200
46エアシェイディ  牡7後藤浩輝 57 2.31.9 3/408-08-05-0736.41036.1496 +6(美)伊藤正徳4500
711 ドリームジャーニー牡4池添謙一 57 2.31.9ハナ11-13-13-0935.9 724.1430+10(栗)池江泰寿2700
58 スクリーンヒーロー牡4デムーロ 57 2.32.0クビ10-08-05-0236.5 36.4488 +2(美)鹿戸雄一1800
57 アルナスライン  牡4ペリエ  57 2.32.2111-11-10-0936.4 518.3554+14(栗)松元茂樹 
11カワカミプリンセス牝5横山典弘 55 2.32.5202-02-05-0737.0 619.0488-10(栗)西浦勝一 
69メイショウサムソン牡5武豊   57 2.32.5ハナ02-02-02-0237.3 48.4520 +4(栗)高橋成忠 
45 フローテーション 牡3ルメール 55 2.32.71 1/406-05-02-0437.5 827.3486 +2(栗)橋口弘次 
1022 ベンチャーナイン 牡3柴田善臣 55 2.32.7クビ08-08-12-1136.81380.0500 0(美)小桧山悟 
1133 コスモバルク   牡7松岡正海 57 2.32.8 1/206-05-10-1137.01275.7516 +2[地]田部和則 
12610マツリダゴッホ  牡5蛯名正義 57 2.33.11 3/411-11-05-0437.5 24.4498 +6(美)国枝栄  
1334 エアジパング   セ5藤田伸二 57 2.33.9505-05-05-1138.31154.4452 +8(栗)藤原英昭 
14712アサクサキングス 牡4四位洋文 57 2.34.32 1/204-04-02-0439.1 929.5498 0(栗)大久保龍 

LAP  6.9-11.2-11.9-11.2-11.9-13.0-13.2-12.4-11.5-11.9-12.0-11.7-12.7
通過 30.0-41.2-53.1-66.1  上り 72.2-59.8-48.3-36.4  平均 1F:12.12 / 3F:36.36
単勝  13 \260
複勝  13 \130 / 14 \2280 / 6 \600
枠連  8-8 \18640 (29)
馬連  13-14 \29490 (53)
ワイド 13-14 \7160 (49)/ 06-13 \1360 (12)/ 06-14 \28200 (86)
馬単  13-14 \33490 (75)
3連複 06-13-14 \192500 (220/364)
3連単 13-14-06 \985580 (1052/2184)

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