ジャパンカップというレースは毎年外国馬の取捨に迷うレースである。外国馬の出走数自体が多い上に、他の国際レースとは異なり遠征にかかる費用をＪＲＡが負担する招待レースだからである。出走するために余計なカネがかからないので、単なる顔見せとか関係者が観光旅行をしたいからとかＪＲＡに頼まれたから仕方なくとかの理由で本気を出さない陣営がいるからである。したがて、その馬の実績や能力・東京競馬場への適性が高かったとしても、まともな仕上げがされていない状態でレースに臨むことが多い。全部の馬がそんな感じなら外国馬は全てバッサリ切ればいいので話は簡単なのだが、中には世界でもトップクラスの賞金を稼ごうと万全な状態で勝負をかけてくる陣営もいるので悩ましい。

　ただし、今年のコンデュイットは信頼できると思う。キングジョージとＢＣターフを勝って堂々の来日である。このジャパンカップを勝てばＪＣ自体の賞金の他に約２億５千万円のボーナスが入るので万全の状態で勝負にくるだろう。実績的にも出走馬中ナンバーワンであるし、単なる顔見せではなく本気で仕上げてくるだろうからここは狙いである。コンデュイットを本命とする。

　対抗は昨年の覇者スクリーンヒーロー。秋天では２着とウオッカを下しているように状態は上向きである。そして今回は鞍上に昨年も乗っていたデムーロを乗せて、鞍上強化策で臨む。父がグラスワンダーという大舞台に強い血統であるので、勝負がかりの今回は期待できそうだ。気になるのはＪＣは２年連続で勝った馬がいないということであるが、そのジンクスもこの馬なら破れるだろう。

　１番人気ウオッカであるが、これは３番手評価。実績的にはスクリーンヒーローと比べても遜色ない、しルメール騎乗というのも魅力的であるが、昨年から今年の春ほどの勢いは無くなっているし、調教もそれほど良くなかったのでちょっと評価を下げて３番手評価とした。ただし、東京競馬場ではかなり高いパフォーマンスを発揮する馬であり完全に消すというわけにもいかないので押さえておこう。