2009年11月15日(日) 5回京都4日目 15:40発走
11R 第34回エリザベス女王杯
3歳以上・オープン・G1(定量) (牝)(国際)(指定) 芝・外 2200m 18頭立

 今年は外国調教馬シャラナヤがエリザベス女王杯に出走する。このシャラナヤをどう扱うかが鍵を握るだろう。まずはシャラナヤの取捨から考えよう。

 シャラナヤはフランスで3歳牝馬のGIであるオペラ賞を勝ってからの来日である。オペラ賞勝ちという実績はあるが、問題なのは今回が初来日であり、しかも国外遠征自体が初めてだということである。扱いが難しいといわれる3歳牝馬で、今回が初遠征といえばやはり不安がある。輸送がうまくできたか、慣れない土地の環境に適応できるかというのもあるし、仮に体調が万全だったとして、フランスの芝馬場とはかなり異なる芝の浅い日本のスピード馬場に対する適性があるかというのも不安である。また、この馬はフランスではスミヨン騎手が乗っていた馬だ。そのスミヨンは現在短期免許で来日中であるが、今回はシャラナヤではなくリトルアマポーラに乗る。シャラナヤはテン乗りでルメール騎手に乗り替わり。つまりスミヨンはリトルアマポーラの方が勝算があると判断したというわけだ。スミヨンに騎乗依頼がなかったという可能性もないわけではないが、もしそうならスミヨンは悔しくて発奮するだろうから、リトルアマポーラの方がシャラナヤよりも期待できるということは変わりない。危険な匂いがプンプンしているのに人気になっている様なのでシャラナヤは消しとする。

 本命は昨年2着で3年前に1位入線(降着)のカワカミプリンセス。休み明けの府中牝馬Sこそ6着に敗退したが、叩き台だった府中牝馬Sと違い、今回は調教状態が万全である。調教状態を見ても叩き2戦目の今回は本来の力を十分発揮できるだろう。過去2回悔しい思いをしているレースだけにぜひともモノにしたいところだ。父のキングヘイローというのも人気の割りに好走することが多い、馬券的優良種牡馬である。古馬GIの一つぐらいは獲れる力のある馬なので期待しよう。

 対抗は前述のリトルアマポーラ。昨年のこのレースの勝ち馬である。そして今回は前述の通りスミヨンが騎乗する。スミヨンの腕にも期待だが、わざわざシャラナヤに乗らずにこちらを選んだということにも着目して対抗に評価する。

 単穴はブエナビスタ。今年の3歳が古馬と比べてレベルがどうかはわからないが、やはり3歳馬は古馬相手のエリ女でも好走することが多いので押さえておこう。春のクラシックは文句なしのレースだったし、秋華賞はハナ差で2位入線。他馬に不利を与えたということで降着を食らったが、その不利を与えるシーンの直前ではブエナビスタ自体が前が壁になる不利を受けている。それを交わそうとして外に持ち出したら、それがブロードストリートの進路を妨げたということで斜行となった。実力的には3歳の中でもずば抜けているといっていいだろう。なお、その秋華賞で不利があっても3着に好走したブロードストリートブエナビスタに次ぐ人気となっているが、受けた不利の程度はむしろブエナビスタの方が上とも思われるので力的にはブエナビスタより1枚落ちると思う。ブロードストリートは消しとしよう。

結論
[馬連]
ボックス[5,8,16] ・・・ 1000pts (3点)


B馬名性齢騎手斤量
1 1 ウェディングフジコ 牝5 菊沢隆徳 56
1 2 メイショウベルーガ 牝4 *池添謙一 56
2 3 チェレブリタ    牝4 *岩田康誠 56
2 4 ジェルミナル    牝3 福永祐一 54
3 5リトルアマポーラ  牝4 *スミヨン 56
3 6 ピエナビーナス   牝5 古川吉洋 56
4 7 クィーンスプマンテ 牝5 田中博康 56
4 8カワカミプリンセス 牝6 横山典弘 56
5 9 ブラボーデイジー  牝4 生野賢一 56
510 $シャラナヤ     牝3 *ルメール54
611 テイエムプリキュア 牝6 *熊沢重文 56
612 ブロードストリート 牝3 藤田伸二 54
713 サンレイジャスパー 牝7 難波剛健 56
714 ニシノブルームーン 牝5 北村宏司 56
715 ミクロコスモス   牝3 武豊   54
816ブエナビスタ    牝3 安藤勝己 54
817 ムードインディゴ  牝4 田中勝春 56
818 レインダンス    牝5 *藤岡康太 56

レース後のコメント
 予想は見事に外れてしまったが、思いっきり印象に残るレースだった。

 人気薄のクィーンスプマンテとテイエムプリキュアの2頭が3番手以下を15馬身以上離して大逃げを打つ。場内は逃げている2頭がカメラに写るたびにどよめきが生じた。「どうせ最後には脚色が衰えて差されるだろう」と思って見ていたが、3コーナー、4コーナーにさしかかっても3番手以下を大きく突き放したままだ。そして、レースが終わった瞬間は「何それ?」という以外の言葉が浮かんでこなかった。呆然自失といった感じだ。その2頭がそのままゴールしてしまったのだ。最後に大本命のブエナビスタがもの凄い脚で差してきたが、それも及ばず3着まで。馬連で10万馬券の大波乱。

 逃げている人気薄の馬が1頭だけだったら、いわゆる「ナメられ逃げ」で誰も競りかけて来ずに、なおかつ後続が油断していて仕掛けるのが遅くなってまんまと逃げ切ってしまうということもたまにあるのだが、2頭が馬群を突き放して大逃げを打ってそのままワンツーとは珍しい。少なくとも私はそんなレースは今までに観た記憶がない。

 2頭が逃げようとすると普通は道中競り合ってスタミナを使い果たし、共倒れになるのが常である。しかし、今回は違った。2頭がそのまま最後まで逃げ切ってしまった。サイレンススズカが2頭いるようなもんだ。

 ブエナビスタが最後に使った脚は上がり3F32.9秒というもの凄い脚だ。それでも届かないのだから前の2頭はよく粘ったとしか言い様がない。ペースは1000m通過が60.5秒だったので、2頭が競り合っていたものの別に速くはない平均ペースだった。2頭が3番手以下を突き放していたのでラップこそ平均ペースだが、3番手以下の馬にとってはかなりのスローペースだったのだろう。それが行った行ったを許してしまう原因となったわけだが、2頭が競り合ってペースを速めることもなく折り合いを付けてハナと番手を行ったということなんだろうな。

 おそらく先行した2頭以外はブエナビスタをマークして控えていたのだろう。ブエナビスタは後続集団の中では早めに仕掛けたのだが、それでも先行する2頭には及ばなかった。結局のところブエナビスタをマークせずに自分のペースでレースを進めた2頭の作戦勝ちといったところか。その2頭にとっては自分以外にハナに行こうとした馬がもう1頭居たのは誤算だったが、おそらく番手に付けたテイエムプリキュアのベテラン熊沢はそのまま無理に競りかければ共倒れになると思って番手に控えたのだろう。まあ、無理に勝ちに行かなかったので結果は2着となってしまったが、惨敗するよりはマシなのでナイスプレーといえよう。

 田中博騎手はこれがGI初制覇。勝利騎手インタビューでは感極まってか泣き出しそうな表情を見せた。

 それから2着のテイエムプリキュアはここ3年ハンデ戦でハンデの軽い時に時折好走するが、まともな斤量を背負った時は泣かず飛ばずだった。今春で引退予定だったが、日経新春杯を勝ったので現役続行が決定。それがハンデ戦でも何でもないGIで2着に好走したのだから、引退せずに現役続行して大成功と言えるだろう。

 レース後のブエナビスタのアンカツは「前の2頭に気付いてなかった」とコメントした。このコメントについては非難している人もそれなりにいらっしゃる様だが、実際に乗っている騎手の視点からすれば前の2頭が見えて無くても止むを得ないだろう。長くなるので(もう十分長いが)、その詳細についてはこちらのブログ記事をご覧いただきたい。

 我が本命カワカミプリンセスは早めに仕掛けたものの9着に敗退。これで引退するのだそうだ。対抗のリトルアマポーラは3番手追走で、実質的にはスローペースで逃げた様なものだが、粘れずに7着に敗退している。

外れ



2009年11月15日(日) 5回京都4日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第34回エリザベス女王杯
3歳以上・オープン・G1(定量) (牝)(国際)(指定) 芝・外 2200m 18頭立
馬名性齢騎手斤量タイム着差通過順上3F単勝体重増減調教師賞金
47 クィーンスプマンテ牝5田中博康 56 2.13.601-01-01-0136.81177.1454 0(美)小島茂之9000
611 テイエムプリキュア牝6熊沢重文 56 2.13.81 1/202-02-02-0236.91291.6506 +2(栗)五十嵐忠3600
816ブエナビスタ   牝3安藤勝己 54 2.13.9クビ15-15-09-0332.9 11.6454 +4(栗)松田博資2300
510 シャラナヤ    牝3ルメール 54 2.14.53 1/207-07-09-0833.4 310.4416 [外]デルザン1400
12 メイショウベルーガ牝4池添謙一 56 2.14.6 1/210-08-11-1233.3 619.6498 +2(栗)池添兼雄900
612 ブロードストリート牝3藤田伸二 54 2.14.81 1/210-12-15-1433.2 27.7450 0(栗)藤原英昭 
35リトルアマポーラ 牝4スミヨン 56 2.14.9 1/203-03-03-0334.0 412.4472 -2(栗)長浜博之 
11 ウェディングフジコ牝5菊沢隆徳 56 2.15.2215-15-18-1733.417217.9448 -2(美)戸田博文 
48カワカミプリンセス牝6横山典弘 56 2.15.2ハナ14-14-03-0334.3 515.1484 -6(栗)西浦勝一 
10714 ニシノブルームーン牝5北村宏司 56 2.15.2クビ08-08-11-1133.91066.6462 -6(美)鈴木伸尋 
1123 チェレブリタ   牝4岩田康誠 56 2.15.3クビ04-04-06-0834.213119.8458 -4(栗)荒川義之 
12817 ムードインディゴ 牝4田中勝春 56 2.15.3ハナ17-17-15-1733.6 823.6462+12(栗)友道康夫 
1324 ジェルミナル   牝3福永祐一 54 2.15.3クビ06-06-06-0834.2 721.7462 0(栗)藤原英昭 
14715 ミクロコスモス  牝3武豊   54 2.15.4 1/217-18-15-1433.8 924.2478 +8(栗)角居勝彦 
15713 サンレイジャスパー牝7難波剛健 56 2.15.4クビ10-12-13-1234.018236.7486 +4(栗)高橋成忠 
1659 ブラボーデイジー 牝4生野賢一 56 2.15.61 1/405-05-03-0334.714125.9526 -4(栗)音無秀孝 
17818 レインダンス   牝5藤岡康太 56 2.15.6ハナ10-08-06-0334.616204.9486 +8(栗)宮徹   
1836 ピエナビーナス  牝5古川吉洋 56 2.15.7クビ08-08-13-1434.215130.0456 -4(栗)南井克巳 

LAP 12.5-11.3-12.2-12.3-12.2-12.2-12.3-11.8-11.7-12.2-12.9
通過 36.0-48.3-60.5-72.7  上り 73.1-60.9-48.6-36.8  平均 1F:12.15 / 3F:36.44
単勝  7 \7710
複勝  7 \1410 / 11 \2150 / 16 \110
枠連  4-6 \4590 (18)
馬連  07-11 \102030 (97)
ワイド 07-11 \23310 (98)/ 07-16 \2730 (25)/ 11-16 \4910 (44)
馬単  07-11 \250910 (190)
3連複 07-11-16 \157480 (208/816)
3連単 07-11-16 \1545760 (1378/4896)

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