近年は荒れる傾向にある皐月賞。１番人気の取捨が問題だが、今年の１番人気になるであろうヴィクトワールピサは皐月賞よりもダービーで勝つ傾向があり、過去10年で皐月賞を勝ったのはアグネスタキオンとディープインパクトのみである。ヴィクトワールピサがその２頭に匹敵するぐらいの強さかというと疑問である。また、皐月賞は前走先行した馬が圧倒的有利であり、前走４角４番手以内の馬がよい。あのディープインパクトですら前走は早めに上がっていき４角３番手だった。ヴィクトワールピサは前走４角９番手。もっと前には先行して勝ったこともあり差し一辺倒ということはないだろうが、先行していた時期はスピードの絶対値が違うので前にいた様に思われ、レベルが高いメンバーでは差す競馬をするので、これは割り引く必要がある。というわけで配当的なことを考えてもヴィクトワールピサの頭は狙えない。

　本命はエイシンフラッシュ。出世レースといわれるエリカ賞を勝ち、京成杯も征した馬である。今回は内田博騎手に乗り替わりで勝負がかりである。おそらく重馬場でレースが行われることだろうが、重馬場での内田博は手強いものがある。藤原厩舎はネオヴァンドームとの２頭出し。ネオヴァンドームの鞍上は安藤勝騎手だし、ウチパクとアンカツの両一流騎手を確保できた藤原厩舎は非常に期待できる。皐月賞は先行有利ということで、同コースで先行して勝ちきっているエイシンフラッシュの方を本命とする。

　対抗はハンソデバンド。ジュニアカップ→共同通信杯と裏街道っぽいところを連勝。先行力があるし、デビュー以来連を外していない勢いが強みである。距離が200m伸びるがマンハッタンカフェ産駒だけに距離が伸びた方がいいだろう。

　３番手評価はアリゼオ。スプリングＳを逃げ切り勝ちの馬だ。今年に入ってからの横山典騎手は非常に乗れており、毎週の様に重賞を勝っている。このＧＩの大舞台でも期待して良い。一時期２着が多かったが、ダービーを勝って以降貫禄がついたし、もともと大舞台に強い騎手だったので期待してみよう。重馬場実績があるところも強みだ。

　上記３頭を頭として狙っていくが、２、３着には確実に来そうな馬がいる。あのローザネイ一族のローズキングダムである。とにかくこの一族は小倉では勝つのだが中央場所の重賞では２、３着が多い血統である。ローズキングダム自身は昨年の朝日杯を勝って一族悲願のＧＩ馬となったが、格の低い２歳ＧＩならともかく３歳以上のＧＩではやはり２、３着が定位置だろう。前走のスプリンターズＳではお約束のように３着となっている。勝負強さに欠けて勝ち切れないが、逆に言うと２、３着には確実に来る堅実な馬であるということなので、３連単の２、３着に固定して狙ってみよう。馬券に絡む可能性ならこの馬が一番だと思う。