今年の安田記念には香港から３頭の馬が出走する。外国馬が出走してくると、日本馬との対戦経験もなければ日本の馬場への適性も未知数なので取捨に迷うところだが、香港の馬に限っていうと過去10年ベタ買いしていてもプラスと馬券的妙味がある。00年に至ってはフェアリーキングプローンとディクタットがワンツーを決めている。06年もブリュッシュラックが勝ちジョイフルウィナーが３着と２頭が馬券圏内に来ている。さらに今年は日本馬のレベルが例年よりも低い。日本馬でこれぞという馬がいない今年は香港馬中心で狙っていった方がよい。海外の馬というとＪＣで人気になって不発というイメージが強いかもしれないが、招待レースでただ出てくるだけの馬も多いＪＣならともかく、安田記念等の様に遠征費を自腹で出して日本にやってくる馬は、少なくとも勝負にならないような状態で出てくることは無いのだし。（ちなみに香港の馬はＪＣでも好走することが多い。）

　というわけで香港馬を中心に狙ってみよう。香港馬のフェローシップ、ビューティーフラッシュ、サイトウィナーはいずれも狙えると思う。実績的にはフェローシップ、ビューティーフラッシュが上位だが、サイトウィナーも昨年の安田記念に出走しているので慣れというものが見込まれる。今年の日本馬のレベルはウオッカやディープスカイ、カンパニー等が居た昨年よりも数段落ちるし、昨年も惨敗したわけでもないのでこのメンバーなら期待していいだろう。

　さて、地の利を活かせる筈の日本馬はどうだろうか？有力視されている馬の大半が前走マイラーズカップに出走した馬であるが、過去10年前走マイラーズカップの馬は[0,1,4,21]と勝ち星無しで連対率も3.8%と低い。サンプル数が多くてこの数字なので、まず来ないと思ってよい。相当強ければやっと馬券に絡むという感じだが今年は相当強い馬が出走していない。

　というわけでマイラーズカップ組は消すこととして別路線組の馬を狙ってみる。日本馬で最も狙える馬はショウワモダン。ここ２走の強さ、特に前走のメイＳで59kgのハンデを背負っての勝利を見ていると以前よりも数段パワーアップしていると思う。父は安田記念勝馬のエアジハード、母父が多くの府中巧者を輩出しているトニービンと、府中のマイルにはうってつけの血統である。力を付けてきた今ならＧＩでも活躍できるだろうし、血統的にこのコースは非常に魅力的だ。

　さらにもう１頭穴を狙うとすればマイネルファルケ。ラフィアンの馬に松岡騎乗という相性の良さもあるが、馬自体が大崩しないタイプの馬なのでＧＩでも相手なりに好走する可能性がある。現にマイルＣＳで２着に来ている。おそらく逃げるだろうが今の府中の高速馬場ならそのまま逃げ残ってしまう可能性もそれなりにあるので押さえておくことにする。