日本ダービーは１８頭立てとなって以来１番人気の馬が活躍するレースだった。関係者にとってもそうだが、競馬ファンにとっても思い入れのある特別なレースである。競馬ファン以外も馬券に参加する有馬記念はそうでもないのだが、馬券に参加する大部分が競馬ファンで、その競馬ファンがいつもよりも熱心に予想して結論を出して馬券を買うダービーは人気と実力が一致することが多いのだろう。

　しかし、一昨年のダービーは不良馬場で１番人気アンライバルドが轟沈し、昨年は１番人気のヴィクトワールピサが善戦したものの３着だった。ここ２年だけを見るとダービーは荒れているといえる。だが、やはりダービーは人気馬から狙っていくのがいいだろう。ここ２年間連に絡めなかった１番人気馬の騎手は共に岩田騎手である。岩田はダービーが苦手なのではないだろうか？昨年は人気には応えられなかったものの３着と健闘はしており経験を積むにつれて良くなってきているので今年は一応押さえるが。それ以外で１番人気が負けたのはウオッカというもの凄く強い牝馬が出走したという特殊事情があった年で、その時は１番人気のフサイチホウオウもそんなには強い馬ではなかった。やはり、ダービーは基本的に１番人気に推された馬の力を素直に信頼したほうがいいだろう。

　その１番人気の馬は皐月賞馬オルフェーヴル。今年の皐月賞は震災の影響のため東京競馬場で行なわれた。近年は皐月賞馬がダービーで不振ということが多いが、今年は距離は伸びるもののダービーと同じ東京競馬場で皐月賞が行なわれており、ダービーとの相関性はいつもの年より強いだろう。父がステイゴールド、母父がメジロマックイーンと長距離をこなせる血統も魅力だ。府中で実施された皐月賞を強い勝ち方で勝ったオルフェーヴルはダービーでも期待できる。

　相手を何にするのかが問題だ。モハメド殿下所有のデボネアがデットーリを起用してきて、また、馬主であるモハメド殿下も来日して観戦するということで話題になり人気を集めている。デットーリはＪＣやＪＣダートでの活躍もおなじみの名手であり、日本のどんな騎手よりも相当上手い騎手であることは間違いない。しかし、馬自体が１勝しかしていない割には人気になり過ぎだと思う。日本ダービーは雰囲気も普段の競馬と全く異なり、その雰囲気に呑まれてダービー騎乗経験の少ない騎手が力を発揮できずに轟沈することがよくある。デットーリあたりになると日本ダービーは初めてだが他の国のダービーぐらい乗ったことがあるだろうから若手騎手や地方からの移籍１年目の騎手の様なことはないかも知れないが、ＪＣと同じような感覚で乗りに来て舐めてかかると実力を発揮できない可能性がある。馬自体も人気ほどには強くないだろうし、騎手の力だけでひっくり返せるとは限らない。リスクの割にリターンが低いので無印とし、他の馬を狙うこととしよう。

　相手筆頭は皐月賞２着で弥生賞の覇者であるサダムパテック。弥生賞馬は皐月賞よりもダービーで活躍する傾向もあるし、オルフェーヴルを逆転することも期待できる。冒頭で岩田はダービーが苦手だと書いたが、昨年は３着と経験を積むにつれて着順も良くなってきているので今年は問題なく力を発揮できるのではないだろうか。

　その他では共同通信杯の覇者ナカヤマナイト、アンカツ騎乗が魅力でダービーと同コースの青葉賞を征したウインバリアシオン、ブエナビスタの下という血統が魅力で大崩れしないトーセンレーヴに流そう。

　もう１頭注目馬はコティリオン。母父トニービンというのはこのコースに合っている。１勝馬だが大崩せずほぼ確実に馬券に絡んでくるところが魅力である。しかし、橋口厩舎で小牧騎手といえば勝つよりも２着が多い傾向にあるので２着付けで狙うこととする。勝ちきるまではいかないが手堅く上位に絡んでくると思う。馬券に絡む可能性はかなり高いだろう。