外国馬が出てくればその外国馬の活躍が目立つレースであるが、今年は3頭の外国馬が出走する。スプリンターズSにおける外国馬の活躍といえば香港馬だが、今年は阪急杯を使った香港馬2頭の他にシンガポールのロケットマンが出走する。そのロケットマンは世界的に見てもレベルの高い馬であり注目を集めている。ただし、前売り段階で2倍を切る単勝オッズなのはちょっと人気になり過ぎなのではないだろうか?もちろん能力の高い馬だとは思うが、それ以上にイメージが先行して売れすぎている様な気がする。直線に坂のある競馬場での経験がなく、また、長距離輸送でトライアルを使わずにぶっつけで日本のレースに出走と不安要素がある。05年のサイレントウィットネスの様にあっさり勝ってしまうこともあるだろうが、配当的妙味を考えると別の馬から入りたい。
本命は日本馬の中からダッシャーゴーゴー。GIに出てくるたびに好走するものの降着を食らっている馬だが、それだけにGIタイトルは手にしたいところだろう。能力の高い馬だし、ヨレる癖さえ矯正されればGIに手が届く馬だ。前走のセントウルSは3着だったものの負けてなお強しという内容だったし、休養明けということを考えると悲観する必要はない。叩いた今回は期待できる。安田隆行厩舎からはこの馬の他にカレンチャン、トウカイミステリーを出走させてきており3頭出しで臨む。それだけ勝負がかりということだろう。他の2頭でロケットマンを負かしに行ってダッシャーゴーゴーに悲願のGIを獲らせようという意気込みが感じられる。サマースプリント狙いで夏に使って来たカレンチャンもきちんと結果を出しており魅力だが、夏に休ませてここに照準を絞ったローテーションのダッシャーゴーゴーが厩舎の本線と思われるので本命はこちらとする。
相手筆頭はセントウルS2着のラッキーナイン。スプリンターズSといえば香港馬だし、セントウルSで59kgを背負ってあのレースができるのだから実力、日本の馬場への適性は文句ない。斤量が57kgとなる今回はチャンスである。昨年のセントウルS2着馬グリーンバーディーの主戦でもあるプレブル騎手がこちらを選んだのでラッキーナインを対抗とする。もう1頭の香港馬グリーンバーディーも昨年のセントウルSで見せたパフォーマンスが魅力だし、今年のセントウルSでも降着は食らったものの4位入線しており捨てがたいので3番手評価とする。
もう1頭日本馬からは4連勝中で重賞3連勝中の勢いを買ってカレンチャンを狙おう。
ダッシャーゴーゴーから香港の2頭とカレンチャンへの流しというのが本線だが、押さえとして何頭かに流そう。前述のロケットマンも力のある馬なので一応押さえておく必要があるし、日本馬の中では一昨年の2着馬であり前走で復活の兆しを見せたビービーガルダンとサマースプリントを獲得して勢いに乗るエーシンヴァーゴウを押さえておこう。
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さてレースの方であるが、3頭出しの安田隆行厩舎の中の1頭カレンチャンが突き抜けて勝利。これで5連勝であり重賞4連勝でもある。4連勝中の重賞の中でも最も後続に差を付けた完勝だ。逃げたヘッドライナーを除く先行勢が軒並み上位に残る展開の中で、中団から差し切っての完勝は見事である。本命にした同厩舎のダッシャーゴーゴーは後方のまま伸びずに不発に終わったが、カレンチャンが見事な勝利。厩舎の本線はこっちだったか。
2着は伏兵パドトロワ。先行して4コーナーで先頭に立つとそのまま粘り切る。物凄い脚で伸びて来た勝ち馬にはあっさり差されたものの、粘って2着は確保。先行馬に有利な流れも味方した。
3着はエーシンヴァーゴウ。最後は2着馬を捉える勢いだったがハナ差及ばずの3着。惜しいレースだった。
4着は1番人気のロケットマン。直線で一瞬馬群に囲まれて抜け出せずにいたが、すぐに前が開いた。この不利さえなければ2着はあったと思うが、執拗なブロックに遭ったというわけでもなく、前が開いてからも突き抜けてきたわけでもないので、不利がなくてもカレンチャンには届かなかっただろう。坂が原因だったのか本調子ではなかったのかはよく分からないが最後の伸び脚は期待ほどではなかった。もちろん期待が大きすぎるからであって、4着に粘ってるのだから強い馬ではある。ただし、今日のところは物凄く強いというわけでもなかった。
5着が香港のロケットマン。直線の入り口で内を突こうとしたら前が詰まる不利。この不利が響いて馬券圏内には入れなかったが、どうにか掲示板は確保。
我が本命ダッシャーゴーゴーは11着に敗退。直線で前が壁になり、更に外から被せられて抜け出せなかったのが響いたのかもしれない。同厩舎の単勝万馬券クラスのトウカイミステリーよりも後ろの着順だった。
外れ
着 | 枠 | 馬 | 印 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 斤量 | タイム | 着差 | 通過順 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | 増減 | 調教師 | 賞金 |
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1 | 5 | 10 | × | カレンチャン | 牝4 | 池添謙一 | 55 | 1.07.4 | 06-06 | 33.8 | 3 | 11.2 | 486 | 0 | (栗)安田隆行 | 9500 | |
2 | 2 | 3 | パドトロワ | 牡4 | 安藤勝己 | 57 | 1.07.7 | 1 3/4 | 02-01 | 34.6 | 9 | 49.4 | 518 | -10 | (栗)鮫島一歩 | 3800 | |
3 | 7 | 14 | △ | エーシンヴァーゴウ | 牝4 | 福永祐一 | 55 | 1.07.7 | ハナ | 04-03 | 34.3 | 7 | 21.0 | 462 | -2 | (栗)小崎憲 | 2400 |
4 | 3 | 5 | △ | ロケットマン | セ6 | コーツィ | 57 | 1.07.8 | 1/2 | 03-04 | 34.5 | 1 | 1.5 | 486 | +7 | [外]ショー | 1400 |
5 | 1 | 1 | ○ | ラッキーナイン | セ4 | プレブル | 57 | 1.07.9 | クビ | 04-04 | 34.5 | 4 | 11.5 | 484 | +4 | [外]ファウン | 950 |
6 | 4 | 7 | フィフスペトル | 牡5 | 横山典弘 | 57 | 1.07.9 | クビ | 06-07 | 34.3 | 6 | 19.3 | 458 | -2 | (美)加藤征弘 | ||
7 | 3 | 6 | サンカルロ | 牡5 | 吉田豊 | 57 | 1.08.0 | クビ | 12-12 | 33.9 | 5 | 16.6 | 502 | +8 | (美)大久保洋 | ||
8 | 8 | 16 | ▲ | グリーンバーディー | セ8 | アングラ | 57 | 1.08.0 | ハナ | 10-09 | 34.0 | 8 | 39.9 | 506 | +2 | [外]ファウン | |
9 | 6 | 11 | トウカイミステリー | 牝5 | 北村友一 | 55 | 1.08.2 | 1 | 14-15 | 33.7 | 13 | 192.8 | 458 | -2 | (栗)安田隆行 | ||
10 | 2 | 4 | エーシンリジル | 牝4 | 田辺裕信 | 55 | 1.08.2 | クビ | 06-07 | 34.7 | 10 | 100.6 | 472 | +6 | (栗)高野友和 | ||
11 | 4 | 8 | ◎ | ダッシャーゴーゴー | 牡4 | 川田将雅 | 57 | 1.08.3 | クビ | 10-09 | 34.3 | 2 | 6.4 | 524 | -2 | (栗)安田隆行 | |
12 | 8 | 15 | サンダルフォン | 牡8 | 酒井学 | 57 | 1.08.5 | 1 1/4 | 14-14 | 34.0 | 15 | 335.4 | 534 | -2 | (栗)松永幹夫 | ||
13 | 6 | 12 | アーバニティ | 牡7 | 北村宏司 | 57 | 1.08.5 | クビ | 13-13 | 34.3 | 14 | 261.3 | 498 | +2 | (美)古賀慎明 | ||
14 | 5 | 9 | ヘッドライナー | セ7 | 幸英明 | 57 | 1.08.6 | クビ | 01-02 | 35.6 | 11 | 177.5 | 492 | 0 | (栗)西園正都 | ||
15 | 1 | 2 | ケイアイアストン | 牡6 | 後藤浩輝 | 57 | 1.08.9 | 2 | 09-09 | 35.2 | 12 | 187.2 | 480 | -2 | (美)和田正道 | ||
返 | 7 | 13 | △ | ビービーガルダン | 牡7 | 佐藤哲三 | 57 | ------ | ---- | -- | 0.0 | 502 | -6 | (栗)領家政蔵 |