今年の安田記念には香港から２頭の馬が出走する。外国馬が出走してくると、日本馬との対戦経験もなければ日本の馬場への適性も未知数なので取捨に迷うところだが、香港の馬に限っていうと活躍することが多い。昨年こそ３頭出走して来て１頭も馬券になってないが、過去にはこの安田記念でも00年にフェアリーキングプローンとディクタットがワンツーを決めたり06年もブリュッシュラックが勝ちジョイフルウィナーが３着と２頭が馬券圏内に来たりと活躍している。日本馬も昨年の覇者ショウワモダンが鼻出血で回避・引退したりと確たる存在が居ない。まあ、アパパネが居るがこの馬も牡馬一線級との対戦はこれが初めてであり鉄板とまではいかないだろう。香港馬が活躍するレースなので香港馬中心で狙っていった方がよい。海外の馬というとＪＣで人気になって不発というイメージが強いかもしれないが、招待レースでただ出てくるだけの馬も多いＪＣならともかく、安田記念等の様に遠征費を自腹で出して日本にやってくる馬は、少なくとも勝負にならないような状態で出てくることはないのだし。（ちなみに香港の馬はＪＣでも好走することが多い。）

　というわけで香港から遠征してきた２頭を中心に狙ってみる。サムザップは前走の香港マイルこそ惨敗だったが、勝てないまでも２着や３着に善戦することが多く安定性が持ち味の馬である。ニュージーランド産の馬だが父は日本で活躍したシンコウキングなので日本の馬場への適性も問題ないだろう。前走の惨敗には目を瞑って狙ってみよう。管理厩舎のファウンズ厩舎は昨年の阪急杯で差のない２着だったグリーンバーディの厩舎。グリーンバーディは本番のマイルＣＳは惨敗だったが、この馬で雪辱を果たしたいところだ。厩舎の遠征技術もグリーンバーディの時よりは向上しているだろう。

　もう１頭の香港馬ビューティーフラッシュは昨年の安田記念では惨敗だった。安田記念に２年連続で出走してくる外国馬は大半が２年目の方が成績を落としている印象があるが、その場合掲示板に載る好走をした馬が翌年凡走するというパターンが多いからである。１年目で惨敗したが諦めずに翌年再挑戦するということは勝算があってのことだろう。クルーズ厩舎は05年スプリンターズＳの覇者サイレントウィットネスや06年安田記念の覇者ブリッシュラックの厩舎である。日本を重視していて勝負を賭けてくる厩舎なので昨年惨敗にも関わらず再挑戦してきた意気込みに期待しよう。前走の香港マイルは昨年の３着に対し、今年は４着と着順を落としているが、勝ち馬とのタイム差は0.3秒→0.1秒とむしろ向上している。人気の盲点になっているが、実は臨戦過程は昨年よりも上といよう。人気の関係上人気薄のサムザップを本命としたが、勝つ確率はビューティーフラッシュの方が高いと思う。

　軸は香港馬とするが相手は日本馬にも流す。アパパネが中心だが、比較的荒れるレースなので手広く流そう。荒れるといっても11番人気以下の極端な人気薄が来ることは少ないので２桁人気の馬の中で明らかに格下か距離が長過ぎる馬以外に流す。