有馬記念は1番人気馬が4連勝中であり、7年連続連対中である。過去10年間でも2007年のメイショウサムソン(8着)を除くと1番人気馬が連対している。
それでいて、暮れの国民的行事である有馬記念は普段馬券を買わない人や競馬を見ていない人が馬券に参加してくるレースでもある。そういう人の中には誕生日等のラッキーナンバーや語呂合わせ等、競馬と直接関係ない買い目で馬券を買う人も多い。売上の中のある程度以上を占めると思われる、そのような買い目はすべての目にほぼ均等に割り振られている筈である。そこで、パリミチュエル方式でオッズが決められている限り、人気馬サイドに有利な配当となり期待値が高い。
というわけで、今年は有力馬が多く人気が割れているものの、素直に前売り1番人気のゴールドシップを本命にしよう。
ゴールドシップは一昨年の有馬記念の勝ち馬であり、昨年も3着に好走している。宝塚記念を2連覇しており、グランプリレースにはめっぽう強い馬だ。クセのあるムラ馬ではあるが、得意のグランプリであるし力を発揮できるだろう。能力を100%発揮できればメンバーの中にこの馬に敵う馬はいない。今回は岩田騎手に乗り替わりだが、阪神大賞典で勝っているので相性は問題ない。エンジンがかからずに凡走することがある馬なので、あたりの柔らかい騎手よりもむしろ岩田のような追える騎手の方が向いていると言える。
相手筆頭はエリザベス女王杯の勝ち馬ラキシス。角居厩舎は今年の秋はGI&JpnIを勝ちまくりであり、波に乗っている。その角居厩舎が3頭出しでここに臨んできた。C.デムーロ騎手を起用してきたことを考えるとこの馬が本線なのだろう。とはいうものの、ラキシスの主戦をわざわざ乗り替わりで乗せてきた同厩舎のJC勝ち馬エピファネイアも捨てがたく、この2頭を相手の中心としよう。
それから今回が引退レースとなるジェンティルドンナとジャスタウェイもかなりの実績のある馬なので押さえておこう。ジャスタウェイはあと1年やらせても面白そうな馬なのでここは引退はもったいないが、ぜひ有終の美を飾って欲しい。
穴っぽいところでは過去の有馬記念の好走馬から昨年はゴールドシップに先着しての2着だったウインバリアシオンと一昨年の2着馬オーシャンブルーを押さえておこう。有馬記念は同じ馬が複数回連対することが多いので。
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この日引退式が行われるジェンティルドンナが有終の美を飾った。道中は離れた3番手に付け、3コーナー辺りから進出を開始し、直線では先頭のエピファネイアを交わしてさらに突き離して快勝。今年はJC3連覇はならなかったが、初挑戦の有馬記念を見事に制した。昨年まではJCに照準を絞っていて有馬は不出走だったが、今年は有馬記念を見据えた調整をして来たのであろう。JCで敗れたのは有馬で走るための余力を残した調整だったのだ。そして、ラストランとなる有馬記念を見事に制して新たなタイトルを手に入れた。2年連続で当日引退式の馬が有馬記念で勝利を挙げた。有馬で勝ちたい馬主さんは当日引退式を開催すればいいんじゃないかな(笑)。
2着はかなりの激戦だった。3歳馬トゥザワールドに後方からゴールドシップが襲いかかる。終始トゥザワールドが優勢だったが、ゴールの瞬間だけは一瞬ゴールドシップの鼻が前に出た様に見えた。レース後に場内に流れたスローVTRを見る限りではゴールドシップが勝っている。しかし、判定はトゥザワールドが2着でゴールドシップが3着だった。判定写真を見るとトゥザワールドの鼻がわずかに前に出ている。スローVTRで映像が静止した時点とゴール真正面に据えられた判定用のカメラが捉えたわずか一瞬の間に2,3着が入れ替わってしまったのだ。
というわけで、VTRを見た瞬間は的中を確信したのだが無情にも予想はハズレ。馬券もハズレだった。
今年の3歳はレベルが低いと思ってたし、3歳馬が来るとしたらワンアンドオンリーの方だと思ってたのでトゥザワールドは無印だった。そのワンアンドオンリー(こっちも結局無印にしたが)は惨敗だったが、皐月賞2着のトゥザワールドがここでも2着。弥生賞も勝っているし中山は相性が良いのだろう。最後のゴールドシップとの接戦は3歳と古馬の斤量差にも助けられた。この時期に来ると3歳馬は古馬並に成長しているのに斤量差が付くので有馬記念は基本的に3歳馬が有利な傾向にあるのだが、今年のレベルでそれはないと思ったのが予想をする上で失敗だった。
ゴールドシップは昨年に続いてまたしても3着。来年も3着ならナイスネイチャに続く有馬記念3年連続3着の偉業達成だが、既に1回勝っているのでナイスネイチャほど大きな話題にはならないだろうな。
僅差の4着はゴールドシップと同厩舎のジャスタウェイ。この馬もこれで引退レースである。須貝厩舎は2頭とも後ろからの競馬だったが、どちらかを前に行かせてれば結果は変わって来ただろう。どちらも掲示板に入ったのだが、2頭出しなんだし勝ちに行く競馬をしても良かったと思う。
外れ
着 | 枠 | 馬 | 印 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 斤量 | タイム | 着差 | 通過順 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | 増減 | 調教師 | 賞金 |
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1 | 2 | 4 | △ | ジェンティルドンナ | 牝5 | 戸崎圭太 | 55 | 2.35.3 | 03-03-03-02 | 34.1 | 4 | 8.7 | 470 | -2 | (栗)石坂正 | 20000 | |
2 | 3 | 6 | トゥザワールド | 牡3 | W.ビュイ | 55 | 2.35.4 | 3/4 | 07-07-06-07 | 33.8 | 9 | 31.2 | 524 | +4 | (栗)池江泰寿 | 8000 | |
3 | 7 | 14 | ◎ | ゴールドシップ | 牡5 | 岩田康誠 | 57 | 2.35.4 | ハナ | 11-10-06-05 | 33.9 | 1 | 3.5 | 510 | (栗)須貝尚介 | 5000 | |
4 | 8 | 15 | △ | ジャスタウェイ | 牡5 | 福永祐一 | 57 | 2.35.5 | クビ | 13-13-13-12 | 33.4 | 3 | 4.6 | 504 | +6 | (栗)須貝尚介 | 3000 |
5 | 7 | 13 | ▲ | エピファネイア | 牡4 | 川田将雅 | 57 | 2.35.5 | ハナ | 02-02-02-01 | 34.6 | 2 | 4.0 | 494 | +2 | (栗)角居勝彦 | 2000 |
6 | 3 | 5 | ○ | ラキシス | 牝4 | C.デムー | 55 | 2.35.5 | 頭 | 05-05-05-02 | 34.1 | 11 | 36.3 | 458 | 0 | (栗)角居勝彦 | |
7 | 4 | 7 | ラストインパクト | 牡4 | 菱田裕二 | 57 | 2.35.5 | クビ | 08-09-10-10 | 33.7 | 7 | 17.6 | 484 | -2 | (栗)松田博資 | ||
8 | 1 | 1 | トーセンラー | 牡6 | 武豊 | 57 | 2.35.7 | 1 | 03-03-03-05 | 34.4 | 8 | 22.8 | 462 | -4 | (栗)藤原英昭 | ||
9 | 6 | 12 | デニムアンドルビー | 牝4 | 浜中俊 | 55 | 2.35.7 | クビ | 11-11-10-12 | 33.9 | 16 | 118.6 | 448 | +6 | (栗)角居勝彦 | ||
10 | 5 | 10 | フェノーメノ | 牡5 | 田辺裕信 | 57 | 2.35.7 | 頭 | 08-07-06-07 | 34.2 | 6 | 15.3 | 502 | +8 | (美)戸田博文 | ||
11 | 6 | 11 | サトノノブレス | 牡4 | 池添謙一 | 57 | 2.35.9 | 1 1/2 | 13-13-14-15 | 33.6 | 13 | 81.0 | 512 | +4 | (栗)池江泰寿 | ||
12 | 5 | 9 | △ | ウインバリアシオン | 牡6 | 藤岡康太 | 57 | 2.35.9 | ハナ | 10-11-10-07 | 34.1 | 10 | 34.9 | 530 | -4 | (栗)松永昌博 | |
13 | 2 | 3 | ワンアンドオンリー | 牡3 | 横山典弘 | 55 | 2.36.0 | 1/2 | 05-05-06-10 | 34.4 | 5 | 11.8 | 492 | +4 | (栗)橋口弘次 | ||
14 | 1 | 2 | ヴィルシーナ | 牝5 | 内田博幸 | 55 | 2.36.1 | クビ | 01-01-01-02 | 35.4 | 12 | 77.7 | 458 | +4 | (栗)友道康夫 | ||
15 | 4 | 8 | メイショウマンボ | 牝4 | 武幸四郎 | 55 | 2.36.4 | 2 | 16-16-16-16 | 33.9 | 14 | 86.3 | 486 | -4 | (栗)飯田祐史 | ||
16 | 8 | 16 | △ | オーシャンブルー | 牡6 | 蛯名正義 | 57 | 2.36.4 | ハナ | 15-15-14-14 | 34.2 | 15 | 87.1 | 432 | -4 | (栗)池江泰寿 |