本命は皐月賞２着の良血馬トゥザワールド。名牝トゥザヴィクトリーの仔であり、父はダービー馬キングカメハメハだ。皐月賞では１番人気で２着。皐月賞を勝ったイスラボニータとは前売り時点で人気が逆転している。しかし、距離が伸びたらどうかと考えると、トゥザワールドに分があるだろう。確かにイスラボニータは東京コースで実績があるのでダービーも行けるかもしれないが、父がフジキセキということで2400mは長い。2400mならトゥザワールドの方が上だろうし、皐月賞の結果で人気がやや落ちているので今回は狙い目である。それから、展開の鍵を握る逃げ馬ウインフルブルームが取り消したことで、先行馬であるトゥザワールドは有利になった。先行有利になったメリットはイスラボニータも一緒であるが、差しタイプの伏兵に足元を掬われる可能性が減ったのは大きい。先週はオークスで１番人気のハープスターに乗って２着止まりだった川田騎手であるが、このダービーを勝てば史上最年少で５大クラシック制覇である。来年は史上最年少ではなくなるので、今年がその最後のチャンスだ。きっと渾身の騎乗をするだろう。

　相手筆頭は皐月賞馬イスラボニータ。前述のように距離に不安はあるものの、東京コースで重賞２勝の実績は侮れない。実績的にはナンバーワンであり、距離さえこなせれば勝ち負けになるだろう。本命にはしなかったが、外せない一頭だ。

　その他、同コースで行われた青葉賞勝ち馬のショウナンラグーンも狙ってみたい。来年定年を迎える大久保洋吉調教師にとって最後のダービーであり、ここはどうしても勝ちたいことと思われる。騎乗するのは厩舎所属の吉田豊騎手。フリーにならずに所属厩舎の馬に優先して騎乗しているので実力の割には勝ち星が伸びていない騎手だが、こういういう騎手こそ次厩舎の馬でダービーを勝てば盛り上がるだろう。今回は大久保先生の最後のダービーということで気合が入っているのは間違いない。フリーの一流騎手ほど勝ち星は挙げていない騎手であるが、ダービーを勝ってもおかしくないぐらいの実力はある騎手なので期待しよう。

　さらにもう１頭、母父にトニービンを持つ京都新聞杯ハギノハイブリッドも押さえておこう。東京芝2400mといえばトニービン系であり、母父トニービンの馬は血統的に魅力だ。外人騎手を起用して勝負を賭けていることも気になるので、押さえに買ってみるのも面白いだろう。