昨年の菊花賞馬キタサンブラックが最内枠を活かしてハナに立って逃げる展開。ペース配分の上手い武豊騎手が鞍上ということもあって程よいペースに持込み自分のペースに持ち込んだ。そして最後の直線でカレンミロティックとの一騎打ちとなるが、一瞬だけ先頭を譲ったものの盛り返し、見事に勝利を収めた。さすが菊花賞馬は春天に強い。母父サクラバクシンオーというのが信じられない長距離巧者だ。平成の盾男武豊の絶妙な騎乗も功を奏した。

　２着はカレンミロティック。展開からキタサンブラックがあっさり勝ちそうな感じだったが、そのキタサンに最後まで食らいついた。一旦は先頭に立ったものの、ゴール前の首の上げ下げで際どい２着。勝ったようにも見えたが、運が無かった。昨年のこのレースでもゴールドシップに0.1秒差の３着だったのだが、今年は勝利に届きそうでギリギリ届かない２着。昨年は10番人気で３着だったがそれがフロック視されていたのか、今年はさらに低人気の12番人気だった。８歳セン馬がまさかここで来るなんてと思われていたのだろう。一昨年の宝塚記念でも２着に来ており、ＧＩで忘れた頃にやってくる存在だ。高齢ながらまだまだ見限れない。

　３着はシュヴァルグラン。展開のあやで中団からいくことになり、直線で前が相手からは良く追い詰めたものの、前の２頭には届かなかった。届いてくれたら押さえではあるが的中だったのに…。

　本命にしたトゥインクルは後方に付けていたが、キタサンブラックのペースと見たのか残り1000m辺りから仕掛けたたものの、直線ではスタミナを使い果たしており伸びずに13着に敗退だった。

　１番人気馬ゴールドアクターは中団につけて２周目３コーナーから上がっていき、直線入口で先頭に並びかけたものの、その後は脚もなく後退して12着に敗退だった。キタサンブラックを意識して勝ちにいったが自滅してしまった。自分の馬のパフォーマンスを最大に引き出すだけではなくライバル馬を自滅に持ち込むところまでも含めて豊マジックなのであるが、今回のキタサンブラックの騎乗はそれが見事に炸裂したという感じだった。

外れ