キタサンブラックが終始先頭で逃げ切り勝ちを収めた。人気馬が逃げていても誰も競りかけず、1000m通過が61.7秒というスローペースとなり楽に逃げられた。鞍上の武豊はペース判断に非常に定評のある騎手である。おそらく無理には行くつもりはなかったのだろうが、スローになると見るや果敢に逃げて自分のペースに持ち込んだ。アメリカの馬が２〜３頭参戦していればペースも速くなっただろうし、全く違う流れとなったと思うが、今年はドイツの２頭とフランスの１頭以外は日本馬ばかりだった。キタサンブラックは京都巧者だと思っていたのだが、東京でも難なくＧＩ制覇を成し遂げた。

　２着は「主な勝ち鞍はなみずき賞」の最強の２勝馬サウンズオブアース。またしても２着だった。相変わらず勝ちきれないが、堅実に走って好走はする。賞金はこれで４億を超えた。この馬をステイゴールドに喩えている人が多いが、ステイゴールドは「主な勝鞍阿寒湖特別」を背負って走った馬である。つまり３歳時に1000万条件を勝っているのでその時点で３勝していたということだ。主な勝鞍が500万条件で３歳以降勝鞍がないのにここまで活躍するサウンズオブアースはステイゴールドを超えていると言って良い。また、２着ばかりの馬というとウインバリアシオンも思い出されるが、その馬は同期にオルフェーヴルというとてつもなく強い馬がいてその馬の次点という感じだった（これはテイエムオペラオーに対するメイショウドトウにも当てはまる）。サウンズオブアースは相手が色んな馬で２着を続けるのだから凄い。特に同期のゴールドアクターとはいつも差の無い着順で勝ったり負けたりである。

　そのゴールドアクターは善戦したものの４着。最後にシュヴァルグランにも差された。今回はちょっと太かった模様。前走からプラス8kgの504kgでの出走だったが、有馬を勝った時の494kg前後がベストな馬体重だろう。ここを使って絞れてくると有馬では手強い存在になりそうだ。なにせグラスワンダーの孫なんだからグランプリレースには強いだろうし。

外れ