牝馬のファンディーナの皐月賞出走が注目を集めている。前売り段階で３倍を切る１番人気だ。無敗の３連勝でフラワーカップを５馬身差の圧勝。桜花賞に出走していたら勝っていたと思われるが、牡馬相手の皐月賞ではどうだろうか？

　JRA-VANにデータがある1986年以降で牝馬が皐月賞に出走したのは２回だけである。ダンスダンスダンスが５着、バウンスシャッセが11着だ。２回だけのデータなのでサンプル数が少なすぎて当てにはならないが、このデータからだと「消し」である。牝馬が皐月賞を制したのは1948年のヒデヒカリが最後だ。戦後間もない当時（その年のクラシック出走馬は終戦の年生まれ）は生産頭数も少なかったこともあり、牝馬でも強ければ勝負になったのだろう。現代は生産頭数も多く、当時とは状況が異なる。

　というわけでファンディーナは無印とする。来てもおかしくはないのだが、普通に考えたら牝馬には厳しい。それでいてマスコミで話題になったこともあり、人気になっている。この手の馬は人気がなかったら「買い」で、人気だったら「消し」とするのが賢明だ。というわけで人気に見合った可能性があるとは思えないため「消し」とする。

　本命はスローペースの弥生賞で差し切り勝ちを収めたカデナとしよう。グランド牧場の生産馬である。グランド牧場といえばダートというイメージだが、サンデーサイレンス産駒のスズカマンボが芝のＧＩを制しているように、芝の優良種牡馬を付けた馬は芝でも走る。カデナの父はディープインパクトである。当然芝でも走り、大舞台にも強い血統だ。その牧場がめったに付けない社台系のリーディング種牡馬を付けてきたのだから、牧場にとってもスズカマンボ並みに期待されている馬だろう。兄のスズカコーズウェイも芝の重賞馬である。弥生賞の勝ちっぷりはスローペースで差したのだから着差以上のものと見て良い。１番人気になってもおかしくない馬であるが、それなりの配当となっているのだからこの馬を本命としよう。

　相手筆頭はペルシアンナイト。デムーロ騎手は皐月賞で過去10年に４勝２着１回と非常に得意にしている。この４勝というのはJRA-VANにデータがある86年以降でも最高の成績である。また、池江厩舎が２頭出しで臨んできているので勝負がかりであるだろう。もちろん厩舎の勝負馬はデムーロを乗せてきたペルシアンナイトである。アーリントンカップからという異色のローテーションだが、そのアーリントンカップは圧勝だった。距離さえこなせれば勝ち負けだろう。デムーロ騎手の腕に期待したい。

　その他の馬では近年皐月賞と相性が良くなってきた共同通信杯勝ちのスワーヴリチャード、鉄砲になるが無敗でホープフルＳを制したのは侮れないレイデオロ、２頭出しの音無厩舎のうち武豊を起用してきた方のダンビュライト、昨年の２歳チャンピオンのサトノアレス、スプリングＳの覇者ウインブライトを押さえておこう。