中山大障害３連覇でＪ・ＧＩ５勝のオジュウチョウサンが有馬記念に挑戦することが話題を集めている。平地の賞金は低いがファン投票による選出である。近年はファン投票上位でも回避する馬が多くほぼ賞金順で出走馬が決まっていたので、ファン投票は単なる人気投票になりつつあったが、そういう意味ではファン投票によって選ばれた人気のある馬が出てくるというのは良いことかもしれない。もちろん障害ファンの私としては中山大障害に出走して４連覇を目指して欲しかったのだが。

　有馬記念といえば競馬ファンだけではなく普段馬券を買わない一般人でも多くの人が馬券を買う国民的行事である。つまり、マスコミで話題になった馬や素人受けしそうな馬が人気になるレースである。そこで、その様な馬を外してそれ以外の馬を実力通りに買っていればおいしい配当にありつけるということだ。そういう意味で私は有馬記念を毎年楽しみにしている。

　普段馬券を買わない人が書いそうな馬の代表格がオジュウチョウサンだ。一面で扱っているスポーツ紙もあり、マスコミでかなり話題になっている。また、競馬をあまり知らない人が馬柱を見たら「１着」が５つ並んでいる（実際は11連勝中だが新聞などの馬柱に書かれるのは５つ）馬は買いたくなるだろう。ひょっとしたら競馬に障害競走があるということ自体知らない人も馬券に参加してるかもしれないし。しかも騎乗するのが素人でも名前を知っている武豊である。それで実力以上に人気を集めることになるだろう（実際前売りを見る限り過剰人気である）。

　同一年度に平地と障害の両方でＧＩ級レースを勝つとなればもちろん史上初の快挙であり夢があるが、やはり平地では1000万を勝っただけの馬は厳しいだろう。障害ではものすごい活躍をした馬だが、平地と障害では求められる能力が異なる。能力のある馬なので平地でも条件戦レベルなら通用したが、さすがに有馬記念となれば厳しいだろう。勝つ確率もあるが、それはオッズに見合ったほどには高くない。というわけでオジュウチョウサンは無印とする。

　本命は昨年のダービー馬で前売り１番人気に支持されているレイデオロとする。もともと有馬記念は１番人気の馬が強いレースであり、過去10年で連に絡めなかったのはゴールドシップだけだ。天皇賞（秋）を勝ってＪＣはパスして余裕のローテーションで有馬記念に照準を絞ってきた。オールカマーを勝っているので中山コースも問題ない。そもそもオールカマーを勝って秋天に出走した馬は秋天では勝てない傾向にあるのに勝ってしまうのだから、それだけ実力が高いということだ。紐荒れすることはあるが１番人気が強い有馬記念では素直に本命にしよう。

　相手筆頭は昨年の菊花賞馬でジャパンカップ２着のキセキとする。ジャパンカップはアーモンドアイばかりが目立っていたが、キセキも強い内容だった。アーモンドアイには完敗だったものの、３着馬には３馬身半差を付けている。ジャパンカップのレース映像をアーモンドアイがいないものと思って観てみるとかなり強い勝ち方でキセキが勝っているように見える。ＪＣの激走による消耗は心配だが調教を見る限りは心配はなさそうだ。有馬記念は逃げ馬が強いこともあり、期待しよう。

　その他の馬では昨年のジャパンカップ勝ち馬で有馬記念でも３着だったシュヴァルグランを狙う。意外に人気がないが、今年もＪＣ４着なら悪くない。

　狙い馬が外枠に偏ったが有馬記念は内枠有利なので内にいる有力馬も押さえるという意味で、もう１頭モズカッチャンを押さえておこう。実績のある馬であり、デムーロ騎手が騎乗するというもの魅力である。