シンザン記念は牡牝混合のレースながら、勝ち馬からジェンティルドンナやアーモンドアイといった牝馬三冠馬を輩出しており、今年は牝馬のルーツドールに注目が集まっている。フィエールマンの半妹という良血であり、デビュー戦で圧勝してここに臨む。

　しかし、このレースは右回りでの勝ち鞍のない馬は苦戦するレースであり、右回りで勝っていない馬は過去10年で複勝率が9.1%にとどまっている上、2013年以降は〔1・0・0・32〕とさらに苦戦している。東京競馬場でしか勝ち鞍どころか出走経験すらないルーツドールには厳しいデータである。同じことはアルテミスＳ２着馬でおそらく２番人気になるであろうサンクテュエールにも言える。この２頭は絶対にダメということもないが、過信は禁物なので割り引いて考えよう。

　本命は３頭の牝馬の中で残りの１頭であるオーマイダーリンとしよう。このレースは牡馬よりも牝馬の方が成績が良い。1600mという距離が桜花賞を目指す馬にとって合っているので、クラシックを狙える強い牝馬が出走してくることが関係しているのだろうか。この馬は前述の２頭と違い京都で、しかもこのレースと同じ京都芝1600mで勝っているということが心強い。デビュー戦は重馬場ということもあり３着に敗れているが、あのアーモンドアイですらデビュー戦は勝てていないのだからそう悲観することでもないだろう。河内洋厩舎で武豊騎手騎乗という前日の淀短距離Ｓの勝ち馬アイラブテーラーと同じ兄弟弟子コンビの２日連続メインレース制覇に期待しよう。

　相手筆頭は朝日杯フューチュリティＳ４着のタガノビューティー。ダートで２連勝した馬だが、前走で芝適性のあることを示した。朝日杯での実績を考えるとここでも期待できるだろう。

　あとは前述の牝馬２頭ルーツドールとサンクテュエールにも流しておく。右回りの経験がないことが不安なので割り引いたが、能力の高さを考えると完全に消せるほどではないので押さえておこう。