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嗚呼ラガーレグルス その2

00/5/27

 その1では硬いことを書いたが、この「その2」では5/20に東京競馬場で行われた「ラガーレグルス公開ゲート再審査」の観戦?記を書く。

 それは昼休みに行われた。メインスタンドとメモリアル60を結ぶ通路の前にある芝2300mコースのスタート地点にゲートが設けられた。そして、G1の入場行進曲(関東版)が流れ出す。曲だけが流れたのではなく、99年のダービーの本場馬入場の際の実況付きだ。そして、このゲート審査のために府中へつれてこられたのかも知れないダミーの馬が入場してくる(それともすでにレースが終わった馬を「アルバイト」として出しているのかな)。なかなか本格的である。本番の環境にできるだけ近づけようとしているのだろうな。そしてこのエキストラ達の入場が終わって18頭目に入場してきたのが本日の主役ラガーレグルス号である。

 しばらくゲートの前で輪乗りをした後、ついに本番。G1ファンファーレが流れると、ゲート審査を見るためにゲートのところに集まってきたファンの一部から手拍子が起きた。G1のファンファーレ時の手拍子はレースの妨げとなり馬にも悪影響を与えるものなので控えるべきものであるが、実際問題として手拍子したり新聞を振ったりする人間は結構いるのだ。だから本番の環境に近づけるためにわざとやっているのかもしれない。

 そして、いよいよゲート入り。ラガーレグルスがゲートに入る。スムーズに入ったようだ。ついでラガーレグルスの両側の枠に馬が入れられる。それからしばらく「○○がゲート入りを嫌っています」などという実況が流れる。「ラガーレグルスがゲート入りしてから、他の馬がゲートを嫌がったりしてスタートまでに時間がかかっている」という設定だろう。そしてゲートがあいてスタート。スムーズにゲートを出たようだ。「よくやった」というように佐藤哲がレグルスの尻を軽く叩く。

 これでゲート審査も無事終わったと思ったが、2度目があるらしい。すでに終わったものだと思っていたので私は昼食のきね打ち麺を買いに行って食べていたらまだなんかやっていた。今度は皐月賞と同じ最内枠にラガーレグルスがいれられた。そしてレグルスの隣に馬を入れていると、突如レグルスが暴れ出した。振り落とされそうになった哲三がゲートにつかまっている。これで万事休す。1度目は大丈夫だと思ったのに、残念ながら2度目で不合格は決定的だ。

 「審査の結果は後ほど発表します。」との場内放送が流れる。しかし、それを聴くまでもなく結果は明白である。佐藤哲三騎手はこのゲート再審査で負傷し、午後のレースは他の騎手に乗り代りである。せっかく栗東から府中に遠征に来たのにこういう結果になって非常に無念だったことだろう。不幸中の幸いで怪我は大したことはなく、次の日は中京でちゃんと騎乗して、私の万馬券的中(マイマスターピースが勝ったレース)に貢献もしてくれたが。

 次の日新聞で見たのだがレグルスが暴れたときに観客が「ざまあみろ」と叫んで哲三がそれに向かっていったらしい。JRAの職員が止めたが。その「ざまあみろ」と叫んだファンがまわりの観客から集団リンチを食らうという残念な事件もあったらしい。叫ぶほうも叫ぶほうだが、集団リンチをするほうもするほうだ。「ざまあみろ」と叫ぶのは誉められることではないが、もしかしたらその人は皐月賞や共同通信杯でラガーレグルスに大金を張って大勝負に出ていたのかもしれないし、競馬は命の次の金をかけたギャンブルなんだからある程度までの野次は許されると思う。(少なくとも合法的には)カネを賭けていないはずのプロ野球などでももっとひどい野次が飛び交っているわけだしね。

 ただ、真偽のほどはわからないがゲート再審査中に金網を蹴って必要以上に音を立てていた人がいるらしい。それは許されるものではないと思う。野次は終わったあとで行うものだからある程度までは許されるのであって、こういう審査中の妨害行為は許されないものだ。「ざまあみろ」と叫んだ人物と金網を蹴っていた人物が同一人物かどうかはわからないが、もし同一人物だとしたらその人間を殴りたくなる気持ちもわからないわけではない。でもそれに対して集団リンチを加えるのなら、G1のファンファーレにあわせて手拍子する輩なども集団リンチを食らわせないといけないということになっちゃうけどね。G1レースの場合は自分がレースを観戦することのほうが大事なのでマナーの悪い客を殴ってでもやめさせようという人はいないだろうが。

 なんか、本稿も書いている間に内容が硬くなりつつあるので今回はこれまで。


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