’１０ 中山大障害観戦記

2010年12月25日

　今年も暮れの風物詩中山大障害を観るために中山競馬場にやってきた。昨年の大障害は内馬場の大生垣の前で観戦していたのだが、今年も内馬場で見ることとした。ターフビジョンは見れないが、道中の様子はワンセグで見れば良い。昨年は携帯電話でワンセグ中継を見ながら観戦したのだが、今年はiPadがある。iPad単体ではワンセグを受信できる機能はないのだが、アンテナ付きのチューナーを装着するとiPadやiPhoneでもワンセグを視聴可能となる。この日のためにワンセグアンテナ付きチューナーを買ったのでワンセグで千葉テレビを受信して内馬場で観ることとした。来年から地上波UHF局の競馬中継は中止だそうで、ひょっとしたら土曜のレースをワンセグで観れる機会はこれが最後かもしれないので。

　さて中山大障害のレースの方であるが、これで１６年連続生観戦である。９５年に初めて中山大障害を現地で観て感動して以来毎年現地で観戦している。年に２回しか使われないＪ・ＧＩ用ファンファーレが鳴り響き、年に２回しか使われない大障害コースでのレースのスタートである。

　我が本命馬マルカラスカルが逃げて、いつもは逃げているテイエムトッパズレが２番手で追う展開。２番手にはトーワベガも並んで付けていた。内馬場で見ていたのだがコースを半周ほどしてきた時に後ろを振り向くと馬群が見えて、下って登る谷型のバンケットに吸い込まれていく。そのバンケットを登って襷コースに入るといよいよ大竹柵。私の目の前で馬たちが大竹柵を越える。時折馬が飛び越えるときに「ボコッ」という音が大きく聞こえる。この迫力が内馬場での観戦の醍醐味だ。全馬無事に飛越。

　大竹柵を終えると襷のコーナーワークでテイエムトッパズレがハナに立つ。そしてスタートとは反対向きにコースを回ってくる。先ほどとは反対側から馬たちが襷コースに入ってきて今度は私の目の前の大生垣障害だ。馬たちが私の目の前で大生垣を越えていく。１頭落馬した。イコールパートナーだ。落馬した騎手はすぐに立ち上がっていたので騎手は大丈夫らしい。その他の馬は無事飛越してレースは続行。大生垣の前でレースを見ていた人たちが走ってモニター方面に向かっていた。私はiPadで千葉テレビの中継を見ていたので焦らず走らず、iPadの画面を見ながらゆっくりとモニター方面に向かう。

　コースを４分の３周ほどしてきて４コーナーになると黄色い帽子の馬が２番手から先頭に立とうとしていた。そして直線に入るときにその黄色い帽子の馬を我が本命馬マルカラスカルだと思っていた私は「にしたに〜！」と叫んだ。しかし、その黄色い帽子の馬はマルカラスカルではなく同枠のタマモグレアーだった。いつの間に入れ替わったのだろう？

　直線でタマモグレアーが抜けだしたが、大外から伏兵バシケーンがやって来た。メルシーエイタイムが来ないことには馬券は当たらない。バシケーンは３着付けで押さえてはいたが、馬券のハズレはほぼ確定なのでシルクジャスティスの代表産駒バシケーンを応援することにした。最後はタマモグレアーとバシケーンの一騎打ち。バシケーンがわずかに交わしてそこがゴール。バシケーンと蓑島騎手がＪ・ＧＩを制覇した。（ちなみにゴール後もしばらく２着だった馬はマルカラスカルだと思っていた。）

　いつのまにか馬群に消えていたマルカラスカルは競走能力を喪失するぐらいの故障を発生していたらしい。完走する事に意義のある中山大障害うを完走はしたものの、この怪我は残念だな。２年ぶりに大障害に出てきたかつての大障害の覇者は、これが最後のレースとなってしまった。もう１頭トウカイポリシーもいつのまにか故障を発生していて競走を中止していた。大障害なので落馬競走中止は仕方がないが、この様な形で競走を中止する馬が出たのは残念である。故障馬が出たのは残念だが、日本一の難易度の障害レースを完走した馬たちには拍手を送りたい。