’11 中山大障害観戦記

2011年12月24日

このレースの予想

 今年も暮れの風物詩中山大障害を観るために中山競馬場にやってきた。最近は内馬場で観戦することが多くなったのだが、今年は今までの大生垣側ではなく大竹柵側で観戦。B地区と呼ばれている部分だ。ここに来るのは10年ぶり。以前そこにあった筈の馬券売り場が無くなっている。大生垣側と比べると人はかなり少ない。もともと入り口からもゴールからも離れた場所にあるB地区はそれほど人は多くないのだが、馬券売り場が無くなったせいもあるのだろう。

 内馬場では年に2回しか使われることがない大障害コースの名物の大生垣や大竹柵といった大障害を間近で見ることができるという反面、ターフビジョンを見れず、モニターも襷コースから離れた場所にあるため道中の様子が分からないという欠点がある。その欠点を補うのがワンセグ放送だ。そこで昨年買ったiPadにワンセグ用アンテナとチューナーを繋ぎ、千葉テレビの中継で道中の様子を観ることとする。これでモニター越しに道中のレースが見れないという欠点は完璧ではないものの補うことができる。ただし、千葉テレビに繋がったものの重かった。

 さて中山大障害のレースの方であるが、これで17年連続生観戦である。今年は10頭立てとやや寂しい頭数だが、初めてここに見に来た95年秋の大障害の6頭立てと比べたら十分過ぎるメンバーである。場内に年に2回しか使われないJ・GI用ファンファーレが鳴り響き、年に2回しか使われない大障害コースでのレースのスタートだ。

 レースはドングラシアスとジャストルーラー、スプリングゲントがハナを奪い合うかと思われたが、ほどなくドングラシアスが単独でハナを奪い少し離れたところを他の馬が追走するという展開となる。我が本命ディアマジェスティはそれら3頭の後ろの4番手あたりの様だ。コースを半周ほどして、下って登る谷型のバンケットを越えて襷コースに入るといよいよ大竹柵。バンケットを登ってきた馬達が私の視界に飛び込んでくる。そして目の前に大竹柵を飛び越える。馬が飛び越えるときに時折「ボコッ」という音が大きく聞こえる。この迫力が内馬場での観戦の醍醐味である。全馬が無事に大竹柵を飛越した。

 大竹柵を終えるとスタートとは反対向きにコースを回ってくる。後ろを振り返ると馬達が障害を越えながら走っていくのがわかる。先ほどとは反対側から馬群が襷コースに入って来る。逆周り3コーナーあたりで加速したディアマジェスティが、先頭に並びそうな勢いで前に出てきた。そして大生垣へと向かう。私は大竹柵の横辺りで観ていたのだが、大生垣の飛越を見るのにも程良いアングルの場所だった。その大生垣を馬たちが越えていく。全馬無事に飛越した。思わず拍手をしてしまう。もちろん他の観客も一緒だ。襷コースはこれで終わりなので周囲のレースを見ていた人たちが走ってモニター方面に向かっていた。私はiPadで千葉テレビの中継を見ていたので焦らず走らず、iPadの画面を見ながらゆっくりとモニター方面に向かう。やはり場内モニターの方が画質もいいし画像の流れもスムーズなのである。

 その後ディアマジェスティが先頭に立ってレースを引っ張っていくが、2周目3コーナーでは先ほどまで逃げていたドングラシアスと夏のグランドジャンプ勝ち馬マイネルネオスがディアマジェスティに並びかけ、3頭の先頭集団が他馬を離して2周目4コーナーへと向かう。4コーナー過ぎの時点での位置は、ディアマジェスティ、ドングラシアス、マイネルネオスといった順番だ。

 ディアマジェスティが盛り返してゴールの3メートルほど手前までは先頭で持ちこたえていたが、外から差してくる馬がいた。その馬はディアマジェスティより半馬身前でゴールを駆け抜けていった。8番のゼッケンを着けたマジェスティバイオだ。ディアマジェスティは惜しくも2着の様である。しかし、場内に設置されたスピーカーから「勝ったのは8番ディアマジェスティ」という実況の声が聞こえてきた様な気がする。ずっとディアマジェスティに注目していた私は「ディアマジェスティは最後にはっきりと差されたよ」と思い、出馬表を確認すると8番にはマジェスティバイオと書かれていた。似ている名前だし実況が馬名を間違えたような気がしたが、勝ったのはマジェスティバイオ。騎手時代は障害の名手として鳴らした田中剛調教師の管理する馬である。障害の名騎手が調教師に転身して1年ちょっとでGI初制覇。そのGIが中山大障害だったというのが感動的だった。ついこないだまで騎手だったのでまだ若いと思っていたら調教師としては新米なもののもう50歳なのか(これを書いてて調べてたら気づいた)。

 3着には逃げたドングラシアスが粘る。4コーナーで先頭集団に躍り出たマイネルネオスも4着に粘った。そして全馬競走中止すること無く完走。障害の難易度が日本一高い中山大障害は完走することに意義があるのだが、全ての馬が完走できたというのは素晴らしい。

 最終レース終了後、場内モニターで中山大障害のVTRが流れていた。ゴール直後の実況では「勝ったのは8番マジェスティバイオ」と言っていた。さっき「ディアマジェスティ」と聞こえたのは空耳だったのだろうか?確かにそう聞こえたし隣で一緒にいた人もそう聞こえた様だったのだが。それとも実況を訂正して差し替えて編集したのか?そう思ってTwitterで聞いてみたところ、何人ものフォロワーが「確かにディアマジェスティと言っていた」という内容のリプライが返ってきた。やはり、リアルタイムで流れていた実況は間違っていたのだったんだな。レーシングビュアーやディスクボックス、グリーンチャンネルの過去の重賞リプレイ放送等でも使われる公式な音源となるので実況部分を上書きして訂正された様だ。まあ、確かに両方とも名前にマジェスティと入っているので取り違えることもあるだろうな。


2011年12月24日(土) 5回中山7日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【10R】 第134回中山大障害
障害3歳以上・オープン・J・G1(定量) (国際) 芝 4100m 10頭立
馬名性齢騎手斤量タイム着差通過順上3F単勝体重増減調教師賞金
78マジェスティバイオ牡4山本康志 63 4.44.207-07-04-04  12.9506 -6(美)田中剛7000
810ディアマジェスティ牡5高田潤 63 4.44.3 1/201-01-02-01  33.5464 0(栗)昆貢2800
22 ドングラシアス牡7熊沢重文 63 4.44.6202-02-01-02  411.6512-14(栗)柴田政見1800
33マイネルネオス牡8柴田大知 63 4.45.02 1/206-05-03-03  23.4460 -4(美)稲葉隆一1100
44スプリングゲント牡11白浜雄造 63 4.45.42 1/203-03-05-04  514.2516 +2(栗)野村彰彦700
55ディアマイホース牡5横山義行 63 4.45.82 1/205-05-05-06  824.0518 +4(美)菊沢隆徳 
66ジャストルーラー牡5穂苅寿彦 63 4.48.6大差04-04-05-07  723.8490 +2(美)戸田博文 
77 コアレスアルダンセ5大江原圭 63 4.51.5大差09-09-08-08 10124.4474 +4(美)藤原辰雄 
89 トップモンジュー牡7金子光希 63 4.51.71 1/210-10-10-10  973.7438 0(栗)森秀行 
1011メジロクリントン牡4江田勇亮 63 4.54.2大差08-08-09-09  614.7542+14(美)大久保洋 

LAP  (データ無し)
通過 マイル:106.7  上り 51.3-38.8  平均 1F:13.86 / 3F:41.59
単勝  8 \290
複勝  8 \130 / 10 \150 / 2 \240
枠連  7-8 \440 (1)
馬連  08-10 \460 (2)
ワイド 08-10 \220 (2)/ 02-08 \460 (4)/ 02-10 \560 (6)
馬単  08-10 \860 (1)
3連複 02-08-10 \1530 (3/120)
3連単 08-10-02 \4890 (7/720)

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