’１６ 中山大障害観戦記

2016年12月23日

　今年は天皇誕生日が金曜日だったということもあり、中央競馬の最終週は金・土・日の３日間開催となった。そして、私が毎年生観戦している中山大障害は金曜日に行われた。中山競馬場では小雨がぱらついていた。内馬場で観戦しようかとも考えたが、雨が降っていたのでスタンで観ることとし、４コーナー近くのシルバー席の前に陣取った。大竹柵の飛越を真正面から観れる絶好の場所である。

　馬券の方は予想のページに書いた通り、昨年Ｊ・ＧＩ連覇のアップトゥデイトと今年の中山グランドジャンプの覇者オジュウチョウサンの馬連一点とした。その馬券は朝のうちにネット投票で買っていたのだが、買った直後にその２頭と人気を三分していたマキオボーラーが跛行のため出走取消というニュースが流れてきた。ただでさえ１、２番人気の安い馬連を買っているのに、それに次ぐ人気を集めている馬が取消では配当がエラい安くなるではないか…。

　さて、レースである。場内に年に２回しか使われることのないＪ・ＧＩ用ファンファーレが鳴り響いた。ファンファーレが鳴り響いた瞬間、雨が強くなり本降りとなった。私が居るところは屋根の先端の境目付近なので、完全ではないものの雨粒が落ちてくる。雨の中での中山大障害となった。

　というわけで天候の発表は曇だったが、雨の中での中山大障害のスタートである。ドリームセーリングが逃げて、その後ろにアップトゥデイトが付ける展開。コースを半周ほどして、下って上る谷型のバンケットを越えて襷コースに入るといよいよ大竹柵だ。バンケットを登ってきた馬達がスタンドに居る私の視界に飛び込んでくる。そしてドリームセイリングが難関大竹柵を飛び越え、直後にアップトゥデイトの芦毛の馬体が越えて、その後他の馬も続々と大竹柵を飛越。全馬が無事に大竹柵を飛越したところでスタンドからは拍手が沸き起こる。

　大竹柵を終えるとスタートとは反対向きにコースを回っていく。コースを半周ほどして先ほどとは反対側から馬群が襷コースに入って来る。そしてバンケットの谷を下って上り大生垣へと向かう。各馬が続々と飛越。ここでも全馬無事に飛越した。スタンドから大きな拍手が沸き起こる。無論、私も拍手をした一人だ。

　さらに馬群が半周していき、２周目向正面に入ったところで、昨年の最優秀障害馬アップトゥデイトが先頭に立った。それからしばらくドリームセーリングに替わりアップトゥデイトがレースを引っ張って行ったのだが、３〜４コーナーはオジュウチョウサンがアップトゥデイトに並びかけ、一騎打ちの様相を呈していた。

　その２頭の一騎打ちかと思われたが、直線に入るとオジュウチョウサンが突き離した。楽勝である。アップトゥデイトは９馬身離れた２着だった。馬連勝負なので馬券的には的中なのだが、◎を打ったのがアップトゥデイトの方だったので、ここまで突き離されると予想が外れたような気分だ。３着には高田騎手騎乗のルペールノエルが上がってきた。結局買い目は人気上位の２頭だったが、障害重賞の名手高田潤が騎乗するルペールノエルにも注目していた。だから上位２頭裏表固定の三連単にしておけば良かったか。まあ、マキオボーラーが取消したので最終的にルペールノエルが３番人気となり、ガチガチに堅いレースとなったのだが。

　１，２着の差が９馬身、２，３着の差が５馬身、３着馬から後ろは大差という差の付いたレースだったが、ほとんどの観客は最後の馬がゴールするまでレースに注目していた。そして、最後のウインイルソーレがゴールした瞬間、大きな拍手が沸き起こった。取消した馬はいたものの、スタートに漕ぎつけた馬は全て完走である。勝った馬もビリだったが完走した馬も同じように讃えられる。それが中山大障害。頭数が少なかったこともあり、後ろの着順の馬は大差に大差だ。それでもこの日本一ハイレベルなコースを完走したということに意義がある。レースが終るのとほぼ同時に雨が止んだ。まさにこのレースに合わせるように降ってきた雨だった。