’20 中山大障害観戦記

2020年12月26日

このレースの予想

 今年も例によって中山大障害を観に行った。これで26年連続暮れの大障害観戦である。今年はCOVID-19の影響で無観客開催が続き、春の中山グランドジャンプは観に行けなかったが、大障害の頃には制限付き入場となっていた。事前にネット上の指定席予約システムで申し込んで抽選を通らないと入場できないのだが、Kシートが当たったので無事観戦することができた。

 今年はさらに、例年と違うところがある。GI昇格後平日だろうが土日だろうが12/28固定で行われていたホープフルSが、今年は中山大障害と同日に行われたのである。つまり、この日の中山競馬場ではGIが2つ行われるということだ。この日中山競馬場に行けば、GIを2つ生観戦できる。もちろん、私のお目当ては中山大障害であり、ホープフルSはおまけだったが。

 中山大障害は内馬場の大障害の前で観るというのも乙なものだが、今年は制限入場のため内馬場が閉鎖されていた。というわけでスタンド3階の指定席(Kシート)での観戦となった。

 なお、私の中山大障害の予想はこちらの通り。メイショウダッサイを頭とした。その馬は我が出資馬で牝馬ながらチャンピオンズカップを制したサンビスタと似たような血統の馬である。単なる良血というだけではなく、サンビスタ同様グランド牧場ゆかりの血の結晶だ。サンビスタの母父をミシルから同じミスプロ系のスキャターザゴールドに入れ替えた血統構成である。サンビスタといえばグランド牧場ゆかりの血統を凝縮した血統の馬だが、スキャターザゴールドも一時期グランド牧場が付けまくっていた種牡馬である。サンビスタがいかにグランド牧場の血の結晶であるかは、2016年1月の週刊競馬ブックの特集でも述べられており、私も2016/1/12のブログ記事でそのことを話題にしている。なお、これを書いている時点でも競馬ブックネットSHOPにその記事が掲載されている週刊競馬ブック2016年1月12日発売号が残っているようなので、興味のある方は入手してみるのもいいだろう。

 そのメイショウダッサイを頭に、ヒロシゲセブンとブライトクォーツに馬単で流した。メイショウダッサイは1番人気に支持されていた。

メイショウダッサイ

 今年はGIが2レース同日に行われるせいか、ファンファーレは生演奏だった。J・GIのファンファーレが生演奏だったのは今まで記憶にない。その生演奏のファンファーレが場内に鳴り響いて、レーススタートである。

 まずはストレートパンチがレースを引っ張っていく。コースを3/4周してきて谷を下って上ると襷コースに設けられた大竹柵である。全馬無事に飛越した。最後の馬が飛越を終えると、場内に拍手が沸き起こった。大竹柵で先頭に並んだシンキングダンサーが、先頭に変わった。

 そのシンキングダンサーを先頭に、さらに3/4周して来て、今度は大生垣である。ここも全馬無事に飛越。大きく離された最後方のアズマタックンが飛び終えると拍手が上がった。

 大生垣を越えて正面に入ると、我が本命のメイショウダッサイが3番手あたりまでポジションを上げた。コーナーを曲がり向正面に入ると、ケンホファヴァルトが先頭に並んだ。最後の3コーナー過ぎでケンホファヴァルトが先頭に立ち、3〜4コーナーに設けられた最終障害はケンホファヴァルトが先頭で飛越。この最終障害で後方にいた馬が派手に落馬した。シゲルピーマンだ。さらにその影響があったのかどうかはわからないが、ナリノレーヴドールも落馬していた。

 最後の直線ではケンホファヴァルトが粘っている。そのまま逃げ切れるかというところで、外からメイショウダッサイが猛追してきて先頭でゴールを駆け抜けた。鞍上の森一馬騎手は嬉しそうな表情を浮かべた。

 メイショウダッサイが勝った瞬間、場内から大きな拍手が上がった。前述のようにサンビスタと似た血統の馬でグランド牧場の生産馬なのでずっと応援してきたが、その馬がJ・GIタイトルを手にすることができて、本当に嬉しい。2着のケンホファヴァルトは押さえてなかったので馬券は外れたが、その悔しさなどどうでもいいぐらい嬉しかった。父スズカマンボはグランド牧場生産馬初の芝GI馬だが、種牡馬入り後は牧場生産馬初のJRAダートGI馬サンビスタと障害GI馬メイショウダッサイを生み出した。

 勝ち馬がゴールした時は大きな拍手が上がったが、最後に馬群から大きく離されてゴールしたアズマタックンが走り終えた時はパラパラとしか拍手があがらなかった。しかも私が拍手したらそれに釣られるように何人かが拍手しただけだった。どんなに離されたビリでも完走したんだから讃えてやろうよ。それが中山大障害なんだから。

 私が中山大障害を好きになったのは、上位馬がゴールしていても観客のほとんどが最後の馬がゴールするまでレースを見続け、最後の馬が完走したら拍手が自然発生するからである。今年は制限付き入場とはいえ、私の周りではそれがなかったのが残念である。競馬場全体がそうだったかはわからないが、少なくとも私の周囲はそんな感じだった。ホープフルSが同日行われたので、ホープフルSを目当てに来場して、中山大障害はついでという人も多かったのだろうか?



2020年12月26日(土) 5回中山7日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【10R】 第143回中山大障害
障害3歳以上・オープン・J・G1(定量) (国際) 芝 4100m 16頭立
馬名性齢騎手斤量タイム着差通過順上3F単勝体重増減調教師賞金
714メイショウダッサイ牡7森一馬 63 4.40.702-03-03-02  11.7512 +4(栗)飯田祐史6600
23 ケンホファヴァルト牡7熊沢重文 63 4.41.01 3/402-02-02-01  969.7474+10(栗)森秀行2600
611 タガノエスプレッソ牡8平沢健治 63 4.41.0クビ06-08-07-08  36.2456 -6(栗)五十嵐忠1700
612ブライトクォーツ牡6西谷誠 63 4.41.31 1/206-04-04-03  24.0478-10(栗)荒川義之990
12 ヒロノタイリク牡5難波剛健 63 4.41.4 3/411-10-07-06 11145.8512+12(栗)宮本博660
48 フォワードカフェ牡8石神深一 63 4.41.82 1/204-04-05-05  415.6536 +8(美)和田勇介 
35ヒロシゲセブン牡5高田潤 63 4.41.8ハナ05-06-10-09  619.4530 +6(栗)北出成人 
11 シンキングダンサーセ7五十嵐雄 63 4.42.0 3/401-01-01-03  518.3468 -6(美)武市康男 
510 ケイブルグラムセ7蓑島靖典 63 4.43.5909-08-07-10  832.6514+12(美)高橋文雅 
1059 ビッグスモーキーセ5植野貴也 63 4.43.6 1/206-06-05-06  725.7540 -2(栗)清水久詞 
11816 スズカデヴィアス牡9北沢伸也 63 4.44.5509-10-12-11 1087.2498 0(栗)橋田満 
12713 セガールフォンテン牡10草野太郎 63 4.46.21015-14-14-12 16473.6492 -6(美)石毛善彦 
1336 ストレートパンチ牡4伴啓太 63 4.57.3大差12-14-15-13 13268.4480 0(美)堀井雅広 
1424 アズマタックン牡7小坂忠士 63 5.04.0大差16-16-16-14 14288.3510 +2(栗)加用正 
815 ナリノレーヴドール牡5小野寺祐 63 ------12-12-13 12247.7472 0(美)上原博之 
47 シゲルピーマンセ5大江原圭 63 ------14-13-10 15307.5490 +8(栗)湯窪幸雄 

LAP  (データ無し)
通過 マイル:106.7  上り 51.1-38.4  平均 1F:13.69 / 3F:41.08
単勝  14 \170
複勝  14 \110 / 3 \650 / 11 \190
枠連  2-7 \3,900 (11)
馬連  03-14 \5,350 (14)
ワイド 03-14 \1,680 (17)/ 11-14 \300 (2)/ 03-11 \2,960 (27)
馬単  14-03 \6,770 (19)
3連複 03-11-14 \6,440 (21/560)
3連単 14-03-11 \35,900 (98/3360)

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