’２１ 中山大障害観戦記

2021年12月25日

　今年も例によって中山大障害を観に行った。これで27年連続暮れの大障害観戦である。今年も昨年よりも入場者数は増えたものの、制限付き入場である。事前にネット上の指定席予約システムで申し込んで抽選を通らないと入場できないのだが、座席が当たったので無事観戦することができた。なお、翌日の有馬記念の指定席も運良く当選したので、２日連続中山競馬場である。この日は某旅行サイトのポイントが貯まっていたこともあり、船橋市内のホテルに宿泊した。

　昨年閉鎖されていた内馬場は今年は入場できるようになっていた。中山大障害は内馬場の大障害の前で観るというのも乙なものだが、結局スタンドで観戦することとした。

　昨年の勝ち馬で今年の中山グランドジャンプも制しているメイショウダッサイが、今回は怪我のために出走できなかった。両レースともに２着だったケンホファヴァルトも不在である。メイショウダッサイの台頭前に障害界の絶対的王者だったオジュウチョウサンは出走するものの、年齢が年齢だけに全盛期ほどの力はない（現に昨年の中山グランドジャンプ勝利以降３戦連続で連を外している）と思われた。混戦模様と読んだ。私の予想はこちらに通り、東京ハイジャンプの覇者ラヴアンドポップを軸とした。

　さて、レースである。年に２回しか使われないＪ・ＧＩ用の厳かなファンファーレが流れレースがスタートだ。

　ブルーガーディアンが大きく出遅れた。その他の馬はまずまずのスタート。ビレッジイーグルが逃げてレースを引っ張って行く。中山大障害といえば、大障害を全馬無事越えると場内から拍手が沸き起こるのだが、今回は普通の障害を飛越した際も拍手が起こっていた。コースを3/4周してきて谷を下って上ると襷コースに設けられた大竹柵である。全馬無事に飛越した。最後の馬が飛越を終えると、場内に大きな拍手が沸き起こった。通常の障害を越えたときよりも大きな拍手である。

　さらにコースを3/4周すると、今度は大生垣である。依然としてビレッジイーグルが先頭だが、オジュウチョウサンが２番手まで上がってきていた。ここも全馬無事に飛越。またもや大きな拍手が沸き起こる。

　さらに半周した順周りの向正面で、オジュウチョウサンが先頭に立った。ブラゾンダムールも上がってきて、並ぶように２番手に付けた。我が本命ラヴアンドポップもその後ろ辺りまで上がったが、３コーナーでは先頭３頭から離された４番手となっていた。

　最後の直線でもオジュウチョウサンが粘っている。いや、粘っていると言うよりは更に後続に差を付けたという感じだ。ブラゾンダムールも３番手以下に差を付けて粘っていたが、オジュウチョウサンとの差は開くばかり。オジュウチョウサンが先頭でゴールを駆け抜けて昨年の中山グランドジャンプ以来の勝利を挙げた。古豪復活である。場内から大きな拍手があがった。

　２着はブラゾンダムールが粘った。単勝万馬券の人気薄だが、穴を開けた。そこから５馬身後ろで３着馬レオビヨンドがゴールし、我が本命ラヴアンドポップはそれに次ぐ４着。その他の馬も競走中止することなく、この長丁場を全馬無事に完走した。

　最後の馬がゴールした時も拍手が起こったが、その拍手はオジュウチョウサンの勝利がほぼ確定的となった時よりも小さな拍手だったのがちょっと残念だ。10歳で中山大障害を制したオジュウチョウサンの偉業はもちろん素晴らしいが、中山大障害は完走することに意義がある。これが普通のレースとは違うところだ。完走した全ての馬が讃えられるべきである。

　馬券は外れてしまったが、オジュウチョウサンの見事な復活劇には感動した。これでＪ・ＧＩ８勝目である。10歳以上で中央のＧＩ勝った日本馬は史上初である。外国馬を入れればカラジ（10〜12歳時に中山グランドジャンプ３連覇）がいるが、そのカラジが中山グランドジャンプを勝った年まで頑張れるだろうか？前走、東京ハイジャンプで敗れた時は「そろそろ引退かな」と思ったが、ここまできたらカラジの記録を超えるまで頑張ってほしいものだ。