2012年4月15日
今年はあいにくの雨模様。前日から降り続く雨のせいで田んぼのような不良馬場で中山グランドジャンプが行われた。昨年は震災の影響で順延となり夏のカンカン照りの日差しの中で行われたのだが、今年は対称的に肌寒い中での開催となった。ここのところ３回連続で内馬場の大障害の前でＪ・ＧＩを観戦していたのだが、雨に濡れながら寒い中（空いているので見やすいかもしれないが）外で観戦するのもどうかと思ったので、スタンドで観戦することとした。大障害の正面あたりに陣取る。一昨年の中山グランドジャンプを観戦した場所と同じようなところだ。
ターフビジョンでグランドジャンプのコース紹介が流れた後、過去の中山グランドジャンプのレース映像が流れた。カラジに乗っていたスコット騎手の風車鞭はカッコいいな。こういう海外の障害の名馬＆名騎手を見られるのも中山グランドジャンプの楽しみの一つではあったのだが、３年連続外国馬はやって来ず、日本馬だけのレースとなった。震災で日程が変更となった昨年はやむを得ないにしても、グランドジャンプに海外馬が１頭もいないのは寂しいものがある。
しかし、日本一レベルの高いレースである中山グランドジャンプ。過去の活躍馬を中心に錚々たるメンバーが揃った。私の予想はこちらに書いた通り、昨年の中山大障害馬マジェスティバイオから過去の中山大障害コースでのレースの活躍馬に馬単流し。もともと強いマジェスティバイオは重馬場が得意そうなので、雨で不良馬場となったらますます堅いだろう。
そしてＪ・ＧＩ専用ファンファーレが厳かに鳴り響き、レースのスタートである。まず、テイエムブユウデンがハナを切り、昨年の覇者メルシーモンサンが番手を追走する展開。この２頭が３番手以下を引き離してレースを引っ張っていく。
各馬続々と障害を越えながらコースを半周ほどして襷コース入り口の谷に入り馬群が吸い込まれるようにして私の視界から消え、そして再び姿を現す。そして最初の難関大竹柵だ。先頭のテイエムブユウデンが無難に飛び越え、２番手のメルシーモンサンが着地時に躓くが建て直す。その他の馬たちも各馬落馬することなく大竹柵をクリア。場内からは拍手が沸き起こる。
そして逆回りに半周してきて大生垣。今度はメルシーモンサンが先頭に立っている。メルシーモンサンはまたしても躓くが体勢を建て直して走り続ける。その他の馬たちも全馬無難に飛越。場内からはまたしても拍手。
その後、順周りに戻ってメルシーモンサンが先頭でレースを引っ張っていったのだが、最後の３コーナーで力尽きて下がっていった。昨年の勝ち馬であり、その時は重馬場が得意だと話していたのだが、やはり展開的に厳しかったのかな。再びエイエムブユウデンが先頭に立ったが、すぐにバアゼルリバーが上がっていく。
そして大本命のマジェスティバイオが外から並びかけていき最後の直線の置き障害。その置き障害をマジェスティバイオが先頭で超えると大勢が決した。マジェスティバイオが突き放し最後は８馬身差の圧勝。これは強い。ただでさえ強いのだが重馬場では更に力を発揮できた。
２着は８馬身差付けられたがバアゼルリバー。障害重賞巧者の小坂騎手騎乗の馬だが、中山の経験が無い割には人気になり過ぎていたと思って予想では無印にしていた馬だ。８馬身差を付けられたものの２番人気には応えることができた。初めての中山も無難にこなした。
１，２着は人気通りだったが、３着は伏兵コスモソユーズ。平沢騎手のレース後のコメントによると不良馬場は得意だそうだ。４着以下に大差を付けての３着は立派である。
あとは大差を付けられたが、１頭も落馬することなく全馬無事に完走。最後のメルシーモンサンがゴールすると場内から暖かい拍手が沸き起こった。私がマジェスティバイオの相手として馬券を買っていた馬は軒並み下位。バシケーンは障害飛越後の着地の際にハミが抜けるアクシデントがあったみたいだし。１着馬と最後の馬の間は10秒近い差があるが、着順はともかく全馬完走できたというのは拍手に値するといっていいだろう。
レース後に隣に座っている兄ちゃんが「柴田大知が史上初の土日ＧＩ連覇に夢を繋いだな」と言っていた。実は土日ＧＩ連覇は以前ＪＣダートとＪＣでデットーリが達成しているのだが、同じ週に障害と平地のＧＩを連覇するとなればなかなか破られない記録だ（結局翌日の皐月賞では柴田大知騎乗のコスモオオゾラは４着）。勝ち馬マジェスティバイオは秋春Ｊ・ＧＩ連覇だが、柴田大知騎手は中山グランドジャンプを２連覇だ。平地中心で乗ってきて一時期は勝つどころか乗鞍すらあまりない低迷期があったが、障害に活路を見出してからＧＩを連覇する様になった。ぜひ今後も頑張って欲しい。
2012年 4月14日(土) 3回中山7日 天候 : 雨 馬場状態 : 不良
【11Ｒ】 第14回中山グランドジャンプ
障害４歳以上・オープン・Ｊ・Ｇ１(定量) (国際) 芝 4250m 13頭立
| 着 | 枠 | 馬 | 印 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 斤量 | タイム | 着差 | 通過順 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | 増減 | 調教師 | 賞金 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| １ | 6 | 9 | ◎ | マジェスティバイオ | 牡5 | 柴田大知 | 63 | 5.02.9 | 06-06-05-03 | 1 | 1.5 | 506 | -6 | (美)田中剛 | 6500 | ||
| ２ | 5 | 7 | バアゼルリバー | 牡6 | 小坂忠士 | 63 | 5.04.2 | 8 | 03-03-02-02 | 2 | 4.5 | 480 | +6 | (栗)松田博資 | 2600 | ||
| ３ | 5 | 6 | コスモソユーズ | 牡4 | 平沢健治 | 62 | 5.04.8 | 3 1/2 | 08-09-08-05 | 8 | 36.9 | 500 | 0 | (美)清水美波 | 1600 | ||
| ４ | 6 | 8 | トーセンオーパス | セ6 | 横山義行 | 63 | 5.06.8 | 大差 | 07-07-06-06 | 6 | 31.7 | 452 | -6 | (美)宗像義忠 | 980 | ||
| ５ | 2 | 2 | テイエムブユウデン | 牡5 | 林満明 | 63 | 5.06.8 | ハナ | 02-02-01-01 | 12 | 95.2 | 452 | -8 | (栗)岩元市三 | 650 | ||
| ６ | 3 | 3 | クランエンブレム | 牡8 | 山本康志 | 63 | 5.07.5 | 4 | 05-04-04-04 | 4 | 14.5 | 514 | -18 | (美)手塚貴久 | |||
| ７ | 7 | 10 | セイエイ | 牡4 | 高野和馬 | 62 | 5.07.7 | 1 | 13-13-12-12 | 11 | 93.1 | 528 | -2 | (美)小桧山悟 | |||
| ８ | 8 | 13 | モルフェサイレンス | 牡7 | 大江原圭 | 63 | 5.08.4 | 4 | 11-12-11-07 | 13 | 177.4 | 502 | +12 | (美)大江原哲 | |||
| ９ | 4 | 4 | アグネスラナップ | 牡7 | 北沢伸也 | 63 | 5.10.1 | 大差 | 04-04-09-10 | 3 | 12.5 | 500 | -4 | (栗)西浦勝一 | |||
| 10 | 4 | 5 | × | キングジョイ | 牡10 | 西谷誠 | 63 | 5.10.4 | 1 3/4 | 10-11-13-13 | 7 | 33.1 | 514 | -6 | (栗)増本豊 | ||
| 11 | 7 | 11 | ディアマイホース | 牡6 | 穂苅寿彦 | 63 | 5.10.6 | 1 1/4 | 11-10-09-10 | 10 | 67.2 | 512 | -4 | (美)菊沢隆徳 | |||
| 12 | 8 | 12 | ▲ | バシケーン | 牡7 | 五十嵐雄 | 63 | 5.11.2 | 3 1/2 | 08-08-06-08 | 5 | 16.1 | 448 | +8 | (美)高橋義博 | ||
| 13 | 1 | 1 | ○ | メルシーモンサン | 牡7 | 黒岩悠 | 63 | 5.12.5 | 8 | 01-01-02-08 | 9 | 44.1 | 520 | -8 | (栗)武宏平 |
