’13 中山グランドジャンプ観戦記

2013年4月13日

このレースの予想

 私事で恐縮だが、この中山グランドジャンプの1つ前に中山競馬場で行われた準メインの総武ステークスに私の出資馬サンビスタが出走した。その馬の口取り権利が当たっていたので、私はスーツ姿で中山競馬場に行った。サンビスタが勝てば口取り式に参加だったのだが、惜しくも3着だった。口取り式に参加することは無くなり、次の中山グランドジャンプに備える。

 今年の中山グランドジャンプは田中剛厩舎が3頭出しである。田中剛調教師といえば騎手時代は障害を中心に活躍していたが、調教師になってからも障害が得意である。平地馬障害馬問わず障害練習をさせているそうである。また、重賞レースの成績もかなり良い。予想にも書いたように、その田中剛厩舎の勝負馬と思われるリキアイクロフネを本命とした。

 観戦場所はスタンドの大竹柵の真正面あたり。目の前には芝コースの直線に最終障害となる置き障害が置かれていた。晴れた空にたなびく日本の国旗、そしてアイルランドの国旗。たった1頭ではあるものの、4年ぶりにグランドジャンプに外国馬が参戦してきたのだ。アイルランドのブラックステアマウンテンという馬だ。前哨戦であるペガサスジャンプSで惨敗だったのでその馬の馬券は買わなかったが、せっかくの国際障害レースだし、外国からの参戦があるのは喜ばしいことである。

 そしてJ・GI専用ファンファーレが厳かに鳴り響き、レースのスタートである。ゴールデンガッツが大出遅れ。そして各馬第一障害を越える。出遅れたゴールデンガッツが第一障害の着地時に躓き落馬。その後は各馬続々と障害を越えながらコースを回っていくが、いつの間にかカピターノも競走中止していた。

 コースを半周ほどして襷コース入り口の谷に入り馬群が吸い込まれるようにして私の視界から消え、そして再び姿を現す。そして最初の難関大竹柵だ。各馬続々と飛越。全馬無事飛越だ。最後の馬が着地した瞬間から場内に一斉に拍手が沸き起こる。

放馬

 大竹柵が終わると先ほどとは逆回りに、障害を次々に越えながら馬群は回っていく。

 そして逆回りに半周してきて大生垣。シゲルジュウヤクを先頭に次々と飛越。全馬無事に飛越すると、場内からはまたしても拍手。これがJ・GIの醍醐味だ。

 更に半周して、馬群が2週目順周りの3コーナーに差し掛かろうとしている。この時チラッと視線を直線の置き障害に向けると、そこには空馬が居た。最初の障害で落馬したゴールデンガッツが、置き障害の前でウロウロしていた。そこは後でレース中の馬達が通る場所である。しかも、障害を越えるためのステップとなる重要な場所。これはヤバイかも知れない。場内が騒然となった。少なくとも置き障害に近く、異変に気づいていた私の周辺は。事故につながりかねないし、仮に人や馬が怪我をしなかったとしても最後の踏ん張りどころがこれだとレースがメチャクチャになる。私はもうレースの行方を観てる余裕などなかった。心配しながらずっと置き障害の前の空馬ばかり観ていた。

放馬

 馬群が直線に迫ってくるが、カラ馬はまだ最終の起き障害の前でウロウロしている。係員が飛び出した。

放馬

 迫り来る馬群。レース中の馬にとってはここが最後の踏ん張りどころ。しかし、そこには既にレースを中止した空馬が…。さてどうなる?

放馬

 間一髪、係員がコースの外に空馬を連れて行く。一時はどうなるかと思ったが、間一髪セーフ。

放馬

 草食動物、しかも逃げ足の速いことで有名な動物であるがゆえに広い視野と鋭い聴覚で馬群が迫るのを察知し、衝突を防ぐために自ら避けたのだろうか?

 3〜4コーナーで更に1頭落馬していたが、残りの馬は最終障害を「普通に」飛び越え、レースは直線の攻防へと進んでいった。

 4コーナーで先頭に立ったアイルランドのブラックステアマウンテンと執念深く粘っている逃げ馬シゲルジュウヤクによる必死の攻防。やがて、ブラックステアマウンテンが振り切るが、我が本命「日本のエース」リキアイクロフネが必死で迫ってゆく。しかし、半馬身届かずブラックステアマウンテンが先頭でゴールを駆け抜けた。そして、最後の馬がゴールすると場内からは暖かい拍手が沸き起こった。

 4年ぶりにやって来た外国馬がグランドジャンプ制覇である。前哨戦のペガサスジャンプSではスタートが悪く、日本の障害にも慣れていないせいか最初の障害での飛越が悪くて後手に回ってしまったが、その反省を活かしてしっかりと本番を物にしたウォルシュ騎手はさすがである。障害の本場の馬と騎手だけある。馬券は外れてしまったが、久しぶりの外国馬の活躍もあり、国際レース中山グランドジャンプの楽しみが存分に味わえた。空馬が障害の前に立ち塞がっていた時はどうなることかと思ったが。


2013年 4月13日(土) 3回中山7日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第15回中山グランドジャンプ
障害4歳以上・オープン・J・G1(定量) (国際) 芝 4250m 16頭立
馬名性齢騎手斤量タイム着差通過順上3F単勝体重増減調教師賞金
612 ブラックステアマウンテンセ8R.ウォル 63 4.50.504-05-03-02  826.4514 0[外]マリンズ6500
59リキアイクロフネ牡6金子光希 63 4.50.6 1/210-11-07-05  24.6470 -2(美)田中剛2600
35 シゲルジュウヤク牡5熊沢重文 63 4.50.81 1/401-01-01-01  36.0484 -6(栗)西橋豊治1600
713 タニノハービービー牡4草野太郎 62 4.51.3312-12-10-08 1395.7482 -2(美)小桧山悟980
815 セイエイ牡5高野和馬 63 4.51.3クビ07-07-06-05  723.9524-10(美)小桧山悟650
23バアゼルリバー牡7小坂忠士 63 4.51.5108-07-07-09  12.4492 +4(栗)松田博資 
714 ハクサン牡7石神深一 63 4.51.71 1/202-02-02-02  46.5442 0(美)浅野洋一 
11トーセンオーパスセ7江田勇亮 63 4.51.9 3/403-03-05-05 1044.6444 -8(美)宗像義忠 
24 ワシャモノタリン牡7中村将之 63 4.52.32 1/204-05-03-04  620.8504-12(栗)谷潔 
1047 ウォークラウン牡7林満明 63 4.52.51 1/414-14-12-10 1280.7512 -6(栗)中竹和也 
1148×ビービースカット牡6柴田大知 63 4.55.9大差04-03-07-11 1157.3512 0(美)田中剛 
1236マイネルネオス牡10浜野谷憲 63 4.56.6410-09-10-12 14131.4462 +6(美)田中剛 
13816 ナリタシャトル牡8西谷誠 63 4.57.23 1/208-09-13-13  516.2498-14(栗)小野幸治 
611 メルシーモンサン牡8黒岩悠 63 ------13-13-14 15166.2522-12(栗)武宏平 
510 ゴールデンガッツ牡8植野貴也 63 ------  933.5506 -8(栗)加用正 
12 カピターノ牡9平沢健治 63 ------ 16167.8500 0(美)粕谷昌央 

LAP  (データ無し)
通過 マイル:105.9  上り 52.2-39.0  平均 1F:13.67 / 3F:41.01
単勝  12 \2640
複勝  12 \730 / 9 \200 / 5 \240
枠連  5-6 \4200 (15)
馬連  09-12 \6720 (20)
ワイド 09-12 \1800 (19)/ 05-12 \2640 (27)/ 05-09 \620 (5)
馬単  12-09 \17420 (47)
3連複 05-09-12 \13570 (38/560)
3連単 12-09-05 \123370 (290/3360)


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