2007年 5月27日(日) 3回東京4日目 15:40発走
10R 第74回東京優駿
3歳・オープン・G1(定量) (牡・牝)(指定) 芝 2400m
ダービーハウス  毎年のようにここの予想で書いていることであるが、ダービーといえば馬主や調教師、生産者等競馬関係者にとって特別なレースである。馬にとっても一生に一度の特別なレースである。ジャパンカップのほうが賞金が高くなったとはいえ、やはり格や重みはダービーが一番である。馬券師としてもやはりダービーは他のレースよりも的中したときの充実感が大きい。競馬場にもダービーデーは独特の雰囲気が漂い、気持ちも高ぶってくる。ぜひとも的中させたいところである。

 さて、最大出走頭数が18頭になってからのダービーは堅く納まることが多く、ここ10年間で9回連対している。しかも1回だけ連を外したメジロブライト(97年)もちゃんと3着には来ている。昨年こうカイタノだが、昨年も見事に1番人気のメイショウサムソンがダービー馬に輝いた。少なくともここ11年で1番人気馬が連を外したのは1回だけということになる。と思って調べて見たら90年以降ダービーで連を外した1番人気馬はメジロブライトだけであった。24頭立てだった89年のロングシホニー(単勝6倍で5着)まで遡らないと、全く馬券に絡まなかった馬は存在しない。これだけ1番人気が活躍するレースということである。馬券購入がマークカード式になったというシステム的な都合で最大出走頭数が18頭となった今では紛れることもほとんどなく、1番人気を消すのは完全に無謀な買い方と断言していいだろう。

 今年の1番人気馬はフサイチホウオー。断然の1番人気である。日米でダービー馬のオーナーとなった馬主ミスターセキグチこと関口房朗氏の持ち馬である。ダービーは運の強い馬が勝つと言われているが、昨年会長を務めるVSNが東証マザーズに上場という運の強さも兼ね備えているので勢いのある今がダービーでも買い時だろう。前回ダービーを勝った時は、そのすぐ後で自身が創業した会社を解任されたが、ダービー時点では運気があったのだろう。ダービーが終わった後の運は知ったことではない。それに昨年はフサイチパンドラがタナボタでエリ女を勝ったという運の強さも見せつけており、その運は未だに衰えていないだろう。

 フサイチホウオーの父はダービー馬ジャングルポケット。ジャングルポケットの父トニービンの産駒はジャンポケに限らず府中が大得意な馬を多数輩出している。まさに府中巧者血統である。ジャンポケも皐月賞では間隔が開いたせいで3着と中途半端な成績に終わっているが、万を持して臨んだダービーでは1番人気に応えて見事な勝利を収めている。フサイチホウオーも同じ路線を歩んできており、いかにもダービーに照準を合わせてきたといった感じである。よほどのことでも起きない限り、勝利はほぼ確定だろう。迷わずにホウオーを軸とする。

 対抗は皐月賞馬ヴィクトリー。97年にダービーを征したサニーブライアンと像がかぶるところがある。ブライアンズタイム産駒で皐月賞を逃げ切ったという点で。鞍上の田中勝春騎手はなかなかGIを勝てない騎手として昨年の12月前半までは有名だったが、今年は皐月だけではなくシンガポールのGIも制している。昨年までのように「カツハルだから」という理由で切るのは危険だろう。この馬は母父がトニービンであり、府中の方が中山よりも合ってる筈である。

 ▲はタスカータソルテ。フサイチホウオーと同じジャングルポケット産駒である。府中実績は無いが、血統的に府中なら最高のパフォーマンスを出せるであろう。

 その他は皐月こそ負けたが安定性のあるレースぶりを見せている、ローレルゲレイロナムラマースと、ダービーとは縁の深い弥生賞を征しているアドマイヤオーラが相手。

結論
[3連単]
15→[1,11,13,14,17]→[1,11,13,14,17]・・・200pts(20点)

B馬名性齢騎手斤量
1 1 タスカータソルテ  牡3 *武豊   57
1 2 ゴールドアグリ   牡3 *勝浦正樹 57
2 3 ウオッカ      牝3 四位洋文 55
2 4 ゴールデンダリア  牡3 柴田善臣 57
B3 5 トーセンマーチ   牡3 *内田博幸 57
3 6 マイネルフォーグ  牡3 川田将雅 57
4 7 フィニステール   牡3 藤田伸二 57
4 8 ドリームジャーニー 牡3 蛯名正義 57
5 9 ヒラボクロイヤル  牡3 武幸四郎 57
510 *プラテアード    牡3 北村宏司 57
611 ナムラマース    牡3 藤岡佑介 57
612 サンツェッペリン  牡3 松岡正海 57
713 ローレルゲレイロ  牡3 *池添謙一 57
714 アドマイヤオーラ  牡3 *岩田康誠 57
715 フサイチホウオー  牡3 安藤勝己 57
816 アサクサキングス  牡3 *福永祐一 57
817 ヴィクトリー    牡3 田中勝春 57
818 $フライングアップル 牡3 横山典弘 57

レース後のコメント
 ウオッカが3馬身差の勝利。64年ぶりに牝馬がダービーを征したのは馬券抜きで感動した。展開が向き、なおかつ来るべき馬が勝手にコケて自分のレースに徹していたウオッカがダービー馬となった。運も味方したのかも知れないが、勝負になる馬がオークスではなくダービーに出てくること自体珍しいし、出てこなければ当然勝てないだろう。ダービー出走を決断した陣営は評価できる。父タニノギムレットもダービーを征しており「ダービー馬はダービー馬から」を地で行く結果となった。

 大波乱となったのはヴィクトリー出遅れが全て。ヴィクトリーが負けたということだけではなく、これでペースが狂ってしまった。出遅れて4番手まで上がっていったがそこで終了。

 その恩恵を最も受けたのが2着に粘ったアサクサキングスだろう。たまたま前に行ってたら展開が向いて2着に粘った。4着に粘ったサンツェッペリンもそんな感じだ。

 その他の有力馬も予想外の展開で仕掛けどころを間違えた馬が多い。特に1番人気馬のフサイチホウオー(7着)。平成に入って初めて1番人気が掲示板に入らなかった。ただしホウオーは入れ込んでいたのも敗因の一つだろう。

 ウオッカに騎乗してダービージョッキーとなった四位騎手の乗り方は、このレースに限らず「勝ちに行く」のではなく「惨敗しないように乗る」のが信条である。GIでは勝つことは少ないが2,3着が多く掲示板を外すことがほとんど無いことでもそれはわかる。今回は来るべき馬が来なかったので結果的に勝利を物にした。将棋で言うところの「勝つより負けない手」というのが功を奏したのだろう。(1対1の勝負である将棋と1対多の勝負である競馬ではその意味するところは全然違うのかもしれないが。)

 今年GIを征した3歳牡馬は現時点でヴィクトリーだけである。牝馬のレベルが高いのか牡馬のレベルが低いのか?そのヴィクトリーがダービーでは「A級戦犯」だし。皐月賞1〜3着馬が出走しているのに、それらが1頭も馬券に絡まないダービーなんて・・・。ダービーがここまで荒れていいのか?皐月賞4着のアドマイヤオーラは3着と健闘しているのだが、アサクサキングスに負けるような器ではないと思う。

 ウオッカを物差しに考えると桜花賞でウオッカ相手に勝ったダイワスカーレットはとてつもなく強い馬ということになる。結果だけ見るとダイワスカーレットが3歳最強馬といえる。

 私の予想はフサイチホウオウの次の着順に来る馬とその次に来る馬は当たった。仮に(ありえないが)上位6頭が降着になったとしたら的中だ(笑)。ちなみに、ウオッカは来てもおかしくはないと思っていたが、過剰人気だと思っていたので無印としていた。

 なお、この日の東京競馬場には安倍首相がダービーのプレゼンターとして来場していたが、馬券は当たったらしい。以前小泉さんが来たときも馬券を当てており、JRAは首相が来場して馬券を買ったらその馬が勝つように操作しているのか?まさか、そんなことはありえないとは思うが、真偽の程は如何に?

外れ



2007年 5月27日(日) 3回東京4日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【10R】 第74回東京優駿
3歳・オープン・G1(定量) (牡・牝)(指定) 芝 2400m 18頭立
馬名性齢騎手斤量タイム着差通過順上3F単勝体重増減調教師賞金
23 ウオッカ     牝3四位洋文 55 2.24.509-11-11-0833.0 310.5482 -4(栗)角居勝彦15000
816 アサクサキングス 牡3福永祐一 57 2.25.001-01-01-0134.91484.5488 -6(栗)大久保龍6000
714アドマイヤオーラ 牡3岩田康誠 57 2.25.313/405-06-07-0933.7 412.7442 -2(栗)松田博資3800
612 サンツェッペリン 牡3松岡正海 57 2.25.3クビ02-02-02-0235.0 933.0476+10(美)斎藤誠 2300
48 ドリームジャーニー牡3蛯名正義 57 2.25.43/414-16-16-1833.1 832.8412 +2(栗)池江泰寿1500
24 ゴールデンダリア 牡3柴田善臣 57 2.25.5クビ17-16-16-1533.5 623.0462 +2(美)二ノ宮敬 
715フサイチホウオー 牡3安藤勝己 57 2.25.5クビ08-06-05-0734.1 11.6508 +2(栗)松田国英 
611ナムラマース   牡3藤岡佑介 57 2.25.6クビ12-14-14-1633.51036.3456 -6(栗)福島信晴 
817ヴィクトリー   牡3田中勝春 57 2.25.811/412-04-04-0434.8 28.2472 -4(栗)音無秀孝 
10818 フライングアップル牡3横山典弘 57 2.25.8ハナ18-18-18-1633.71272.0498 -6(美)藤沢和雄 
1111タスカータソルテ 牡3武豊   57 2.25.805-08-07-0534.6 723.7450 +4(栗)藤原英昭 
1236 マイネルフォーグ 牡3川田将雅 57 2.26.011/414-13-14-1334.118200.9440 +2(栗)宮徹   
13713ローレルゲレイロ 牡3池添謙一 57 2.26.1クビ04-05-05-0534.81379.1460 0(栗)昆貢   
1435 トーセンマーチ  牡3内田博幸 57 2.26.1ハナ05-09-07-1234.41586.7492 +2(美)萩原清  
1547 フィニステール  牡3藤田伸二 57 2.26.1クビ09-09-07-0934.51153.2510 +2(栗)藤原英昭 
1659 ヒラボクロイヤル 牡3武幸四郎 57 2.26.1ハナ11-12-11-1334.2 521.1488 +6(栗)大久保龍 
1712 ゴールドアグリ  牡3勝浦正樹 57 2.26.1ハナ14-14-11-0934.516135.8478 -6(美)戸田博文 
18510 プラテアード   牡3北村宏司 57 2.27.103-03-03-0336.517152.7500 -2(美)藤沢和雄 

LAP 12.6-10.9-12.3-12.6-12.1-12.1-12.7-12.6-12.2-11.4-11.4-11.6
通過 35.8-48.4-60.5-72.6  上り 71.9-59.2-46.6-34.4  平均 1F:12.04 / 3F:36.13
単勝  3 \1050
複勝  3 \420 / 16 \2140 / 14 \350
枠連  2-8 \1990 (8)
馬連  03-16 \54470 (80)
ワイド 03-16 \12900 (86)/ 03-14 \2000 (15)/ 14-16 \15140 (93)
馬単  03-16 \97890 (139)
3連複 03-14-16 \248790 (328/816)
3連単 03-16-14 \2155760 (2039/4896)

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