昔は「強い馬が勝つ」と言われていて堅いＧＩの一つだったのだが、開催時期が２週早まって秋天の前に移動して以降は荒れる傾向にあるＧＩである。時期が早まり特に夏を休養に充てた馬の調整が難しい、トライアルが減ってトライアルの選択肢の幅が狭まったという時期変更による影響もあるし、昔は３歳牡馬なら猫も杓子も菊を狙っていて、出走馬の中で適性のありそうな馬が数頭に絞り込めたが、今は距離適正重視で天皇賞等を目指す馬も出てきているので長距離タイプの馬が多く出走するようになったからという時代の流れ的な要因もあると思う。

　さて今回の菊花賞はダービー馬エイシンフラッシュの取り消しで混戦ムードが漂っている。荒れる傾向のレースであるし結果的に人気になる馬も押し出されての人気だと思うので穴を狙っていくことにしよう。

　本命はシルクオールディー。「私的ＧＩ」阿寒湖特別であり、見事な勝利を修めた馬である。３歳のその時期に古馬相手に阿寒湖特別を勝つ様な馬は大物になる可能性が極めて高い。ステイゴールドやマンハッタンカフェ、ファインモーションなどがいる。あの時期に古馬相手に長距離戦で勝てるということはそれだけ（長距離戦では）力があるということなのだろう。今年の菊花賞は抜けた存在がおらず、こういう他の馬との勝負付けが済んでいない未知の魅力のある馬を狙うのが良いだろう。昨年も似た様なことを書いてポルカマズルカを本命にして見事に轟沈したが、やはり牝馬には3000mのレースは厳しかったのだろう。今回は牡馬であるので狙ってみよう。父も阿寒湖特別を勝って菊花賞を勝ったマンハッタンカフェ。母父はロベルト系のクリスエスなので大舞台に強そうだ。血統的な魅力が十分である。前走の神戸新聞杯は惨敗だったがスローな展開が災いしたし、四位騎手によると物見をするというか、まったく真面目に走っていないそうである。距離は長いほうがよさそうな馬だし巻き返しに期待したい。前走の惨敗で人気の盲点にもなっているし、昆厩舎２頭出しの人気薄なので２頭出しは人気薄を狙えの鉄則に従って本命とする。

　対抗はダービー２着馬ローズキングダム。あのローザネイ一族の馬だ。前走の神戸新聞杯は勝っているし朝日杯も勝っているので常に２着か３着ということもないだろうがＧＩ（２歳戦除く）では２着か３着の可能性が高そうだ。他のローザネイ一族よりは勝つ可能性もあるが、それより確実に３着以内に来てくれる安定性を買って３連複の軸の１つにしよう。

　相手は荒れそうなレースだし本命馬が人気薄なので手広く流す。