シルクモーメント初勝利への道のり

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 2002年2月24日中山競馬場第2レース3歳新馬戦(ダート1800m)。このレースでシルクモーメントがデビューだ。今までの2頭はダービー後にデビューしていたので、私の持ち馬のデビュー最速記録更新である(笑)。そもそも新馬戦に登場したのが3頭目にして初なのであるが。

 この新馬戦は9頭立てと少頭数。これなら入着も夢じゃないかな。モーメントの調教は坂路しか行われておらず調教代わりに出るだけなのかもしれない。でも○混のレースなので入着すれば内国産所有奨励賞まで出るので頑張って欲しい。頭数が少ないここはチャンスなのでは。でもサクラローレル産駒は晩成の可能性が高いので新馬で勝てというのはおこがましいのか。しかし、鞍上の小林淳一騎手はサクラローレル産駒に乗ることが多く、ローレル産駒の特徴は知り尽くしているらしいのでやってくれるかもしれないぞ。ということを考えながら、当日は朝早くから中山競馬場に観戦にいった。

 そのレースはオーバーチュアというノボリユキオーの弟が圧倒的な人気。そして唯一の○外タイキジャイブが2番人気。シルクモーメントはブービー人気である。私の馬券はタイキジャイブの単勝と、モーメントからオーバーチュア、タイキジャイブへの馬連流し、モーメントの単複で勝負。気持ち的にはモーメントに勝って欲しいが馬券は馬券と割り切って意外に冷静に買う。発走直前に8枠9番の馬が除外で8頭立てに。ますます入着の可能性が高まる。

 そしてスタート。モーメントはちょっとアオった感じのスタートだ。道中は後ろから2番目あたりをたらたら追走。しかし、3コーナーからが違った。いきなり捲っていく。4コーナーでは3番手まで上がってきていた。そして先頭に並びかける。逃げたダイワフレバー、1番人気オーバーチュア、そしてシルクモーメント3頭のマッチレースだ。ダイワフレバーが垂れて脱落(結果は3着)。オーバーチュアも一瞬シルクモーメントに差されかけるが2の脚を使って勝ってしまった。モーメントは惜しくも半馬身差の2着。3着との差は9馬身。ちなみに我が一口馬主人生初の入着である。今まで賞金を得たのはシルクパイロットが7着だったときの長距離手当だけだったし(その時の付加賞金は勝ち馬とのタイム差が離れすぎていたためもらえなかった)。

 正直言ってここまでやれるとは思わなかった。デビュー戦としては上々である。少頭数とはいえ3着馬に9馬身を着けて圧勝。惜しくも2着だったため次の(おそらく)折り返しの新馬戦では人気になることが予想される。馬券は今買っておいて正解だった。今回は人気薄ゆえに楽に乗れたのかもしれないが次回はマークされる立場になるので、そこでどういうレースができるのかという心配はある。しかし、ここまでやれるのだから勝利は近いであろう。何せレインボークエスト→サクラローレルという晩成血統なのだから将来性もありそうだ。古馬になって活躍するためにはまず3歳のうちに勝って未勝利を脱出しなければいけないのでまずはぞれを目指して頑張って欲しい。シルクパイロットのように未勝利で地方に移籍して古馬になってから快進撃が始まっても出資者には賞金は還元されないのだし(笑)

 ちなみに除外があった関係で馬券は私が買った馬連よりも枠連のほうが配当がよかった。買い目的に全く変わらないのだから枠連で買っておけばよかったかな。そんな馬券的なことよりも何よりもモーメントが頑張ってくれたことが嬉しい。今後も期待しよう。


次のレースは2002年3月17日中山競馬場第4レース3歳新馬戦(ダート1800m)。前回はあまり期待していなかったが、あれだけの走りをしてくれたら次は期待してしまう。まして、この前の週に前走9馬身ちぎったタイキジャイヴが勝利を挙げているのだからなおさら期待がかかる。馬体も-8kgと絞れたし、前回の弱気な厩舎コメントとは一転して厩舎コメントが強気になっている。

 1番人気は前走父内国産限定新馬戦で3着以下に7馬身の差をつけたホクセツラッキー。シルクモーメントはそれに次ぐ2番人気。しかし私の予想は、

◎ケイアイベガス
○シルクモーメント
である。ケイアイベガスは初出走だが、初戦に強くダートにも強いジェイドロバリー産駒。鞍上は船橋の石崎(父)。それほど人気ではなかったが、モーメントを負かすとすればこの馬だろう。ということで馬券はモーメントの単勝とケイアイベガスからの流し馬券を購入。

 そしてレーススタート。今回は出遅れず。先頭集団がごちゃついている中、その後ろあたりの好位につける。

3角あたりから得意のマクリ戦法で上がっていき、4角で先頭に立つ。そして馬群から抜け出し、勝ったものだと思われた。そうしたら馬群を割ってきたケイアイベガスの脚色がいい。馬券(馬連)を当てたいがために「石崎〜!!」と叫ぶ。ケイアイベガスが2番手に抜け出す。「そのまま〜」と叫んだがケイアイベガスはシルクモーメントをも抜き去ってしまう。モーメントはまたしても2着。3着以下には大差。ケイアイベガスは2着で良いのに・・・。馬連の配当は40倍もついたが、ケイアイベガスは2着でよかったのに…。

さすがにケイアイベガスは初出走とはいえジェイドロバリー産駒。初戦から活躍でき、なおかつダートは強い。最後はダート適性がものをいったか。それともモーメントは勝負根性がないのか。あるいは坂が苦手なのか。

 前回は逃げた馬との競り合いに敗れたが、今回は差し馬に直線で交わされた。依然として3着馬に大きな差を付けての2着なので実力はある筈なのだが。次走では人気になるだろうな。

 前走は自身が人気薄、今回は自身は人気があったが相手が人気薄。実は穴を開けてくれるすばらしい馬なのかも。しかし馬主としては勝ってくれなくてはな。条件戦で2着3着ばかりの馬は俗に馬主孝行と言われるが、秋までに勝てないと引退なので、2着を繰り返すのは1勝してから上の条件でやって欲しいものである。


そして念願の初勝利!

 新馬戦2戦2着2回で迎えた3戦目は2002年4月7日の中山6R未勝利戦

 この日は桜花賞当日だが、私の一口馬主人生では散ってばかりの桜が初めて咲くこととなった。(昔は大学の合格通知は「サクラサク」とか「サクラチル」という電報が来ていたらしいが、少なくとも私の時代は合格者の受験番号一覧が送られてきただけだったな。)シルクモーメントが念願の初勝利である。そしてこれが私の持ち馬3頭目にして記念すべき初勝利なのである。

 この日、私は中山競馬場に出かけたが、競馬場についたのが発走時刻ぎりぎりだった。船橋法典駅から中山競馬場に向かう地下通路の中でファンファーレが鳴り響く。各馬ゲートに入って・・・っというわけで内馬場までダッシュ。スタートは見ることができなかったが、向正面あたりからは汗だくになりながら内馬場から観戦。といっても、馬が見えたのは3コーナーから4コーナーの間のカーブからだが。今回も道中は中団より後方だったが、やはりマクリ戦法。しかし、今回は4角先頭ではなく、4角では3番手当たりに位置して外に持ち出す。そしてそこからぐんと抜け出す。シルクモーメントは1番人気だったが、2番人気のタマモビクトリーとのマッチレース。タマモを交わして先頭へ。そこからさらに抜け出し、先頭でゴールを駆け抜ける。念願の初勝利。

 時間の関係で馬券も買えず、内馬場観戦だったが、モーメントが勝ったと言うことでウイナーズサークルに向かった。ウイナでは未勝利戦のわりにはそれなりに人が多かった。やはり500口もあるクラブの馬だとそれなりに今回の勝利を心待ちにしていた人が多いだろう。所詮一口馬主は本物の馬主のように口取り写真を撮ってはもらえないので、手持ちのデジカメで口取り式の写真を撮影する。

 これで私の持ち馬が初勝利。モーメントも未勝利ではなくなったので秋の福島終了後に強制引退ということはなさそうだ。サクラローレル産駒は成長力がある筈なので、今後もさらなる活躍に期待したい。


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