’09 中山大障害観戦記

2009年12月26日

このレースの予想

 今年も暮の風物詩中山大障害を観るために中山競馬場にやってきた。本当はもっと早い時間帯に競馬場に着く予定だったのだが、ちょっとしたトラブルがあり船橋法典から通路を通り競馬場の門をくぐったのは中山大障害の一つ前のレースのスタート直前だった。法典門から内馬場に直行して、ひとつ前のレースである中山第9レースを内馬場のモニターで観戦。せっかくだから中山大障害は内馬場で観戦することにした。

 中山競馬場の内馬場で障害観るのは数年ぶりのこととなる。内馬場で観るメリットといえば、年に2回しか使われることの無い襷コースの大障害を間近で観れるということである。スタンドから観るのも悪くないが、日本一の難易度を誇る中山の大障害を馬たちが飛び越えるシーンを至近距離で観るのも生観戦の醍醐味だ。

 中山の大障害開催時の内馬場といえば、以前来たときにはトラックの荷台にモニターが載った可動式のターフビジョンがあり、目の前を馬が通り過ぎるシーン以外はそのモニターで見ていたのであるが、今年はそんなものはなかった。普通に芝生の片隅に普通のテレビがあるだけ。私が陣取ったのは大生垣の真ん前。内馬場の芝生に備え付けのテレビはそこでは見えなかった。

 大障害の前でレースを見ていると、確かにそこを馬が通る時の迫力は凄いのだが、その代わりレース全体が見渡せない。これが正面スタンドだとターフビジョンを見ていればいいのだが、大生垣の前に陣取った私の可視範囲内にはレース中継を流すモニターは存在しなかった。これが内馬場での観戦のデメリットである。しかし、私が持っていた携帯電話はワンセグ放送を観れる機種であるということに気がついた。レース中継はこれで観ればいい。携帯電話の小さな画面だが、無いよりはよっぽどマシだ。携帯ワンセグではグリーンチャンネルなど観れるわけがなく地上波(と同等の放送)しか受信できない。中山競馬場で受信できる局で地上波で中山大障害を放映している局はあるか?チャンネルを合わせて確認してみたところ、チバテレビが競馬中継を放送しているようだ。中山大障害のレースの道中は、携帯の画面でチバテレビのレース中継を観ることとする。

 さて、レースの方はというと私の本命はメルシーエイタイムが軸である。1番人気で昨年の勝ち馬キングジョイも強いと思うが、乗り慣れた高田ではなく西谷に乗り替わりだったのでちょっと評価を下げた。詳しくは予想のページをご覧になっていただきたい。

 年に2回しか使われることが無いJ・GI用ファンファーレの厳かなメロディーが場内に流れ、第132回中山大障害のスタートである。レースの方はテイエムトッパズレが逃げる展開…ということが片手に持った携帯電話の画面上で確認した。スタンド前を通過し、向こう正面入り口から馬群は襷コースに向かう。ここで斜め後ろを振り返ると、馬たちが下って上るバンケットに吸い込まれるように入っていくところが見えた。そして、襷コースの大竹柵障害。実は私の位置するところからは、大竹柵は大生垣に隠れて死角となり、大生垣やそれを飛び越える馬は見えないのである。しかし、雰囲気に呑まれ私の視線は手に持った携帯の画面ではなく、大竹柵があるであろう方角に自然と向かってしまう。馬たちが竹柵を飛び越える時に「ボコ」っという音がすることで、馬群が竹柵を飛び越えたということがわかる。視覚的にはレースは見えなかったが、至近距離で障害を飛び越える音が聞こえて来るので聴覚的にレースの迫力を味わうことがきる。スタンドから拍手が沸き起こったということで全馬無事に飛越したことが分かった。

 さらに馬群が1周してきて、いよいよ私の目の前の大生垣を馬達が飛び越える番だ。ワンセグの中継で観ている限りはこの時点で脱落した馬は居ない様である。バンケットの坂を駆け上がって私の視界に馬達が登場し、目の前にある大生垣を飛び越えて行く。1頭、そしてまた1頭。全馬無事に飛越だ。私の周囲に居た人たちを含め場内の観客から拍手が沸き起こる。私も拍手はしたが、片手に観戦用の携帯電話を持っていたために、格好だけの拍手であり音は響かなかった。

 目の前の大生垣を馬が飛び越えると、大生垣の真ん前で観ていた人たちは場内テレビがある場所まで移動する。私もその移動した人の中の一人なのだが、ワンセグでレースの様子は観れており、焦る必要もないためゆっくりと場内テレビの方に向かう。我々の移動中に向こう正面で先頭を行くテイエムトッパズレがバランスを崩して騎手が落馬した様だ。私は携帯で観れているが、他の移動中の人たちはレースの様子がわからない人も居るだろうから、周りに聞こえるような声で「テイエムトッパズレ落馬!」と叫んでおいた。

 そうこうしているうちに場内テレビの前に到着。最後はそのモニターで観戦。キングジョイがメルシーエイタイムを交わして2連覇を達成。メルシーエイタイムが2着となり私の予想は一応的中だ。ただし、最も安い目だけなので対して儲かっていない。3着にはゴーカイ産駒のオープンガーデン。この馬も狙いの1頭だったので3連複でも買っておけばよかったか。キングジョイの2連覇も凄いが、メルシーエイタイムの同一GI5年連続連対というのも凄い記録だ。そのうち1度しか勝ってはいないものの、これはもっと評価されてもいいと思う。

 ただ、残念だったのは勝ったキングジョイに乗っていたのが、ずっとこの馬に乗っていて昨年もこのレースを勝った高田騎手ではなく、西谷騎手だということだ。別に西谷騎手に対して悪気があるわけではないのだが、高田騎手はデビュー3年目ぐらいから障害の名手として私が注目してきた騎手であり、一時期は低迷したものの昨年悲願のGIを勝った騎手なので、もう一度キングジョイで中山大障害を征して欲しかった。その高田騎手は今年の中山大障害では乗らずに阪神で騎乗していたのだが、悔しいだろうな。たぶん高田が乗っていても勝ったと思うし、もっと圧勝できたかも知れない。そう思っている。西谷も上手い騎手だが、やはり馬との相性や慣れというのもあるので。


2009年12月26日(土) 5回中山7日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【10R】 第132回中山大障害
障害3歳以上・オープン・J・G1(定量) (混) 芝 4100m 14頭立
馬名性齢騎手斤量タイム着差通過順上3F単勝体重増減調教師賞金
57キングジョイ   牡7西谷誠  63 4.41.703-03-02-02  12.5510 0(栗)増本豊 8000
814メルシーエイタイム牡7横山義行 63 4.42.0203-04-02-01  23.3476 -4(栗)武宏平 3200
11オープンガーデン 牡5江田勇亮 63 4.42.31 3/406-06-04-04  720.6482 -8(美)郷原洋行2000
34 モルフェサイレンス牡4大江原圭 63 4.43.2512-11-08-07  516.5488 -2(美)大江原哲1200
58 メルシーモンサン 牡4高野容輔 63 4.43.3 1/208-08-05-06 1393.8522 +4(栗)武宏平 800
712 マイネルネオス  牡6宗像徹  63 4.43.51 1/409-10-09-09  834.1460 0(美)稲葉隆一 
33 トウカイポリシー 牡6北沢伸也 63 4.43.6 1/202-02-01-03  410.1466-10(栗)野中賢二 
69 メジロスパイダー 牡7穂苅寿彦 63 4.43.91 3/406-06-05-05  962.9492 +2(美)高木登  
813 バトルブレーヴ  牡7菊地昇吾 63 4.44.6411-11-11-11 1174.3542 -8(栗)本田優  
10711 スプリングロック 牡4金子光希 63 4.44.7 1/213-13-11-11 14151.7444 +4(美)成島英春 
1122クルワザード   牡7小坂忠士 63 4.45.33 1/214-14-13-13 1285.6460 -6(栗)作田誠二 
1246 ドールリヴィエール牡5黒岩悠  63 4.45.4 1/210-08-07-07 1069.0480 -8(栗)吉岡八郎 
13610 ドングラシアス  牡5熊沢重文 63 4.46.03 1/203-04-09-10  620.0510-14(栗)柴田政見 
45テイエムトッパズレ牡6佐久間寛 63 ------01-01  35.3452-16(栗)鹿戸明  

LAP  (データ無し)
通過 マイル:107.7  上り 52.7-39.4  平均 1F:13.74 / 3F:41.22
単勝  7 ¥250
複勝  7 ¥120 / 14 ¥130 / 1 ¥300
枠連  5-8 ¥340 (1)
馬連  07-14 ¥350 (1)
ワイド 07-14 ¥180 (1)/ 01-07 ¥610 (6)/ 01-14 ¥780 (10)
馬単  07-14 ¥630 (1)
3連複 01-07-14 ¥1650 (4/364)
3連単 07-14-01 ¥4940 (10/2184)

観戦記表紙へ
競馬のお時間へ