’13 中山大障害観戦記

2012年12月21日

このレースの予想

 今年も例年通り「暮れの風物詩」中山大障害を観戦に中山競馬場を訪れた。この日は中山競馬場の第8レースに一口出資馬であるレイキッシュボーイも出走していたのだが、口取り権利が当たっていたためスーツ姿で中山競馬場に行った。そのレイキッシュボーイであるが、3番人気に支持されたものの久々が響いたのか13着に敗退。愛馬の惨敗のために少し気落ちしたが、楽しみにしていた中山大障害を観るために場所を移動。大障害の観戦場所は昨年と同じ4コーナー近くのシルバー席の前、大竹柵の真ん前だ。昨年も書いたがスタンドで観戦するのであれば襷コースにある中山大障害名物の大生垣か大竹柵の正面辺りがポイントである。

 さて、場内に年に2回しか使われないJ・GI用ファンファーレが鳴り響き、年に2回しか使われない大障害コースでのレースのスタートだ。各馬最初の障害を飛越。着地の際、1頭落馬した馬がいた。07年の大障害勝ち馬でその他にも大障害やグランドジャンプ2着が何度もある11歳のベテラン、メルシーエイタイムである。しばらくその場にうずくまり苦しそうにしていたが、その後立ち上がり空馬の状態でコースを走って障害も飛んでいた。しばらくの間、レース中の馬群やターフビジョンではなく空馬となったメルシーエイタイムに注目していた観客が多かった。

 レースはスプリングゲントが引っ張る展開である。この馬はエルシーエイタイム以上の高齢馬で御年13歳。09年の中山グランドジャンプの勝ち馬だ。コースを半周ほどして、下って登る谷型のバンケットを越えて襷コースに入るといよいよ大竹柵。バンケットを登ってきた馬達がスタンドに居る私の視界に飛び込んでくる。そして最初の難関大竹柵を飛び越える。全馬が無事に大竹柵を飛越した。スタンドからは拍手が沸き起こる。

 大竹柵を終えるとスタートとは反対向きにコースを回っていく。コースを半周ほどして先ほどとは反対側から馬群が襷コースに入って来る。そしてバンケットの谷を下って上り大生垣へと向かう。各馬が続々と飛越。ここでも全馬無事に飛越し、思わず拍手をしてしまう。最初の障害で落馬したメルシーエイタイム以外はこの時点で脱落していない。

 大生垣を越えた後はアポロマーベリックが先頭に変わった。そして彼がレースを引っ張って行く。

 最終障害で我が本命エアペイシェンスが逃げるアポロマーベリックの後ろまで迫る。飛越後に抜き去って先頭に立つかと思ったが、4コーナーを曲がった後、アポロマーベリックが突き放した。先頭を行くその馬はみるみるうちに後続馬を突き放して、終わってみたら8馬身差の圧勝。後半はハナを切っていたが、バテるどころか直線でさらに突き離した。正直この馬がここまで強いとは思わなかった。

 我が本命エアペイシェンスは見せ場は作ったものの、最後の2着争いで敗れて5着。2着は堅いと思っって見ていたが、観客の大部分とテレビカメラがぶっちぎるアポロマーベリックを見ている間に後続が殺到してた。2着に来たのはハッピーティア。この馬もノーマークだった。

 上位馬が入線後も最後の馬がゴールするまでほとんどの観客がレースを見守っており、最後の馬がゴールするとスタンドからは拍手が沸き起こった。こういうところが中山大障害の魅力である。結果にかかわらず「完走した」ということが讃えられる数少ないレースだからね。



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