’１５ 中山大障害観戦記

2015年12月26日

　昨年は有馬記念の前の週に行われた中山大障害であるが、今年は再び有馬記念の前日に戻った。今年は内馬場の大生け垣の近くで観戦した。真正面には大竹柵も見える。馬券の方は予想のページに書いた通り、大障害コースで実績のあるアポロマーベリックとした。

　レースを内馬場で見ていて道中の様子は生ではもちろんターフビジョン等のモニターでは見れないので、スマホのワンセグでテレビ中継を見ようとしたら、アンテナが無くて見れないことが判明。しかし、私はグリーンチャンネルＷｅｂの会員であった。普段は主に自宅のパソコンをテレビに繋いで見ているのだが、こういう外出先（といっても開催中の競馬場であるが）でも見ることができるのがＷｅｂのメリットだ。

　さて、場内に年に２回しか使われることのないＪ・ＧＩ用ファンファーレが鳴り響き、年に２回しか使われない大障害コースでのレースのスタート。グリーンチャンネルＷｅｂで見ているため、スマホの画面にはリアルタイムより２〜３秒遅れて映像が送られてくる。それでもモニターがない場所では便利だ。

　しばらくして馬群が谷を下ってそして登ってきて最初の難関の大竹柵に差し掛かる。視線をスマホの画面から目の前のコースに移すと、馬たちが次々に大竹柵を飛び越える。馬の脚が竹柵に当たって「ボコ」っと鳴る音がリアルに聞こえてくる。全馬無事飛越。場内からは拍手が沸き起こる。

　その後、逆周りでレースが進んでいくが、スマホの映像で見ていた限りでは分からなかったものの我が本命アポロマーベリックが競走中止したらしい。本命馬競走中止て大生け垣を迎える前に私の馬券はハズレが決定した。それでも私のすぐ目の前の大生け垣を馬群は通過していく。その様子を呆然と見ていた。そこには本命馬アポロマーベリックの姿は無かった…。

　大生け垣は全馬無事に飛越。難易度の高い障害で落馬した馬は一頭もいなかった。大生け垣付近で見ていた観客たちは、モニターのある場所に移動し始めた。すでに馬券のハズレが確定していた私もモニターの前に移動して観戦した。途中でサナシオンが先頭に立ち、最後のコーナーでアップトゥデイトが並びかける。２頭の一騎打ちとなるか？

　結果はアップトゥデイトが勝って春秋連覇。春のグランドジャンプほどの圧勝ではないが、春に勝ったのはフロックではない。小倉サマージャンプも勝っているし、最優秀障害馬もタイトルをほぼ手の中に収めた。来年はこの馬が障害界の中心となるであろう。

　２着はキャリアわずか一戦で中山大障害に臨んだエイコーンパス。障害の名手高田が騎乗していた馬だ。高田ならキャリア一戦の馬を持ってくるという離れ業をやれるかも知れないと思い押さえておいた馬である。ちなみに予想のページでも書いたが父のタイムパラドックスは平地で高田が騎乗していた馬である。高田はその夜以下のようにTwitterでツイートしていた。

迷惑をかけっぱなしの弟子で松田先生に本当に申し訳ないです 今日のレースは僕の騎手人生の中で一番悔しです これで僕の今年のレースは全て終わりました 結局リーディングも２位で、Ｇ１タイトルも春秋２着…と本当に悔しい年になってしまいました。 皆さん今年も応援本当にありがとうございました

— 高田潤 (@zunzunzunbow) 2015, 12月 26

　さて、気になっていたアポロマーベリックであるが、残念なことに左第３中手骨開放骨折のため予後不良となってしまった。アポロマーベリックほどの飛越が上手い馬が大障害ならともかく普通の障害でバランス崩して落馬する事はまずないだろうから嫌な予感がしていたのだが、最悪の結果となってしまった。２年連続でＪＲＡ賞の最優秀障害馬に選ばれるほどの名ジャンパーだった。安らかに眠ってほしい…。