’98中山大障害(秋)観戦記

 暮れの風物詩中山大障害(秋)を見にいくのも今年で4年連続。私はこの4月から府中に住んでいる。それ以来、府中競馬場には頻繁に出没しているが、気づいてみたら府中以外の競馬場にはいっていない。馬券を買いにWINS後楽園にいったことはあるが。府中以外の競馬場にいくのは去年の大障害以来である。

 というわけで、12月19日私は東京競馬場の最寄り駅である府中本町駅から武蔵野線(通称:ギャンブル列車)に乗り、船橋法典にいった。距離的には都心をまわった方が近いが、乗り換えがないので東京郊外を迂回している電車でいった。

 大障害の話をする前に昼休みになかなかおもしろいレースを見たので少し書いておく。ただし、そのレースの馬券は売っていなかったが。なぜか昼休みにどっかで聞いたことのある音楽が・・。関東のG1の本馬場入場の音楽である。何かと思ったら、競馬学校騎手課程15期生の模擬レース、つまり来年3月デビュー予定の騎手候補生たちによるレースを行うそうである。そしてG1のファンファーレがなり、レースが始まる。その実況がなかなかおもしろい。というのは実況が騎手の名前をいうときに「先頭は××××(馬の名前)、鞍上には○○、東京都出身マラソンが得意です」などのようにレース中に騎手の名前が出てくる時にその騎手のプロフィールが入るのだ。ただでさえ競馬の実況は難しいのに、プロフィール入りで実況できるアナウンサーに感心してしまった。

 では、大障害の話をしよう。私の買い目は予想に書いた通り、ノーザンレインボーとゴッドスピードの1点。7レースで万馬券が的中したため、5000円と多めに賭けておいた。今年は8頭立て。私が生観戦した中山大障害では最も多い頭数である。でも、もっと増えて欲しいのだが。

 そして重賞のファンファーレが鳴り始める。なぜデビューもしてない騎手と引退して練習用の馬になった馬で行われるレースでG1のファンファーレが鳴るのに、大障害はG1のファンファーレじゃないのか納得がいかない。この日の最も格の高いレースは模擬レースなのか?まあ、来年からG1になるようなのでよしとしよう。

 大本命ノーザンレインボーが鼻を切る。障害には特設カメラが設置されていて、障害を飛越する際にはそのカメラからの迫力のある映像がターフビジョンに映し出される。このファンサービスは今年から始まったらしい。やはりレースの見所は年に2度しか使われない大障害コース。各馬大生垣、大竹柵を飛び越えてゆく。一周目は各馬無事に飛越した。そして2周目。向こう上面から正面に向かってくる途中、大生垣にて先頭をゆく馬が落馬。一番人気のノーザンレインボーである。悲しきかな、この時点で私の馬券がはずれることが確定。先頭はゴッドスピードに変わる。

 ゴッドスピードがノーザンレインボーに変わって逃げるが、4コーナーではばてていた。どうしたんだ2番人気馬。そして直線抜け出したビクトリーアップが後続を大差で突き放す圧勝である。見事なまでの圧勝だ。

 結果は次の通り。

着順 馬番 記号 馬名 負担
重量
騎手 タイム 着差 馬体重 調教師 単勝
人気
13 3ビクトリーアップ せん 6 59.0kg横山義行4:44.1   460Kg 0吉永正人 3
25 5メジロファラオ   6 59.0kg大江原隆4:45.8 大差 464Kg 0大久保洋吉 4
32 2ケイティタイガー  10 61.0kg嘉堂信雄4:45.9 クビ 468Kg-4吉岡八郎 5
41 1エアファントム   6 59.0kg鈴木寿4:46.0 1/2馬身 462Kg+4伊藤正徳 6
57 7ゴッドスピード   5 59.0kg西谷誠4:46.2 1 1/2馬身 500Kg-6瀬戸口勉 2
64 4エルウェーウディー 6 59.0kg林満明4:48.0 大差 446Kg+2坪憲章 7
78 8カミノリファード  7 59.0kg成田均4:49.6 10馬身 470Kg 0鈴木伸尋 8
中止6 6ノーザンレインボー 9 61.0kg田中剛   468Kg-2鈴木康弘 1

 ノーザンレインボーは東京障害特別(春)でも私の目の前で落馬した。その時も◎をいっぱい背負った一番人気だった。しかも襷コースだった。今回と似たようなシチュエーション。なんで私が見にいった時に限って落馬するんだろうね。

 グレードの付かない障害重賞はこれで最後。来年からは中山で行われる2つの障害重賞はG1となる。春は中山スプリングジャンプと名称変更となるようだが、秋は障害がジャンプと名前が変わろうが「中山大障害」という名前は残される。やはり伝統あるレースなので、来年からも暮れの風物詩であって欲しいものだ。


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