’10 中山グランドジャンプ観戦記

2010年4月17日

このレースの予想

 関東地方は桜が咲いて散り始める季節。しかし、なぜかその季節に寒気団がやってきて、中山グランドジャンプの前日の夜は雪が降った。季節外れの雪である。以前、暮れの中山大障害が降雪のために中止となったことがあるが、中山グランドジャンプが雪で中止になったことなど聞いたことがなかったし、主催者側の方も想定していなかったことだろう。暮れの中山大障害が中止の時は翌年の正月開催で代替実施されたが、グランドジャンプの場合は中山最終週。秋まで中山開催自体が無いのである。ここで中止となれば府中で代替なのか?J・GIは賞金や出てくる馬のレベルも去ることながら、障害自体のレベルの高さが見ものなので、それは嫌だ。襷コースがあった頃の府中ならともかくとして「コース改悪」によりただ回っているだけでレベルも高くないコースとなった府中での「中山グランドジャンプ(J・GI)」なんてつまらないぞ。というわけで無事開催してれ。

 そう思いながら迎えた当日の朝、私が住んでいる府中ではうっすらと地面に雪が積もっている。府中より標高の低い中山競馬場はどうなのだろうか?JRAのホームページで確認する。福島競馬は中止だが、中山はグランドジャンプも含め通常通り開催されるようだ。無事開催されてよかった。というわけで中山競馬場に行くこととした。

 ちなみに、以前中山大障害が中止になった2003年の暮れは指定席の予約をしてあったので、中山に行かざるを得ず、メインレースが実施されない競馬開催をカネを払って指定席で見ることとなったんだよな。コース料理を食べに行ったらメインディッシュが出てこないのに通常料金を取られた様な不毛な気分だったな。今回は指定席をとっておらず一般席での観戦となるのだが。

 今年はどこで見ようか迷ったが、大竹柵を超える馬を真正面から観ることができるシルバー席の前に陣取ることとして、グランドジャンプの前にシルバー席前のスタンド席に移動。朝から寒かったせいか意外に空いている。寒くて競馬場に行く気にならない気持ちも分からないでもないが、中山グランドジャンプ(&中山大障害)は現地で見てこそだと思うぞ。だから私は毎年通ってるのだが。

 私の予想であるが、詳しくは予想のページを見ていただくとして、本命メルシーエイタイムからの流し。堂々の1番人気の馬だがこのメンバーだとメルシーエイタイムの連は堅いだろう。今までもこのコースで数々の実績のある馬だし。今年は中山大障害巧者キングジョイが出走を回避し、オーストラリアからペンティフィックという馬が来て前哨戦のペガサスジャンプSには出走したものの故障でグランドジャンプには出走できず。中山グランドジャンプなのに日本の国旗とJRAの旗しか揚がっていないのは寂しいものがある。

 さて、いよいよレーススタートである。年に2回しか聞けないJ・GI専用ファンファーレが鳴り響き中山グランドジャンプのスタートだ。私がメルシーエイタイムの連の相手として馬券を買っているテイエムトッパズレ、バシケーン、ギルティストライクが先頭集団に付ける。ハナを切ったのはテイエムトッパズレ。障害コースを4分の3周してきて谷を下り坂を上がるといよいよ大竹柵。私のいるところから見るとちょうど何も無いところから馬達がひょっこり顔を出して現れる様に見える。そして第一の難関の大竹柵を各馬が飛越。全馬無事飛越だ。場内からは拍手が沸き起こる。

 そして逆回りで馬群は回っていく。この間バトルブレーヴが2番手に躍り出る。先頭は相変わらずテイエムトッパズレのままだ。更に半周して今度は大生垣。マヤノスターダムが飛越時にバランスを崩したものの持ち直し、全馬無事に障害を飛越。場内はまたもや大拍手。

 そこからは順周りでコースを回っていく。しかし、3コーナー手前で落馬した馬がいた。何と断然の1番人気のメルシーエイタイムだ。「メルシーエイタイムが落馬」の実況アナウンスがあると場内はどよめいた。私の馬券もこの時点でハズレとなった。もう1頭のメルシーの馬で厩舎も同じメルシーモンサンが早めに上がっていく。そして4コーナーを過ぎて最終障害を各馬飛越。

 ここでメルシーモンシャンが先頭に躍り出た。オープンガーデンがそれに追いすがる。この2頭の一騎打ちか?オープンガーデンはあの障害で活躍したゴーカイの産駒である。障害馬が種牡馬入りすることも珍しいのだが、その産駒が今こうして大舞台を走っている。馬券云々は抜きにして、心情的にぜひとも頑張って欲しい馬だ。まして馬券のハズレはすでに確定している。オープンガーデンに勝ってもらい親子2代での中山グランドジャンプ制覇を達成してもらいたい。そう思って思わず「江田〜!」と叫んだ。しかし、必死でメルシーモンシャンに迫るもクビ差及ばずオープンガーデンは2着。勝ったのはメルシーモンシャン。鞍上の高野容輔騎手がガッツポーズ。メルシーはメルシーでもこっちかよ。何人の人がそう思ったことだろう。少なくとも私のTwitterのタイムラインには何人か居たな。

 最後にパトロールビデオを観たのだが、落馬したメルシーエイタイムの白浜騎手は落馬時に大きく外に振られていて、その軌跡を後ろの馬がまたいでいる。間一髪のところで後ろの馬との衝突をまぬがれたようだ。タイミングがちょっと狂っていたら騎手が全速力の馬に蹴られて大事故になっていた可能性もある。騎手も馬も無事ということで一安心だ。こういう落馬事故という危険な面もあるが、やはりただ走るだけではなく難しい障害を超えて行く、そしてそれを超えた時に客席も一体となって盛り上がれる障害レースは素晴らしいと思う。


2010年 4月17日(土) 3回中山7日 天候 : 晴  馬場状態 : 不良
【11R】 第12回中山グランドジャンプ
障害4歳以上・オープン・J・G1(定量) (国際) 芝 4250m 14頭立
馬名性齢騎手斤量タイム着差通過順上3F単勝体重増減調教師賞金
711 メルシーモンサン 牡5高野容輔63.55.03.503-03-02-02  838.4528 +6(栗)武宏平 7500
69オープンガーデン 牡6江田勇亮63.55.03.5クビ07-06-02-02  511.5486 -2(美)郷原洋行3000
46 トーワベガ    牡6北沢伸也63.55.03.8207-06-07-07  24.7490 -8(栗)橋田満 1900
610 ドールリヴィエール牡6黒岩悠 63.55.04.1205-05-05-04 1268.0492 0(栗)吉岡八郎1100
11 トウカイポリシー 牡7浜野谷憲63.55.04.2 1/211-11-09-08  725.5460 -8(栗)野中賢二750
45テイエムトッパズレ牡7佐久間寛63.55.04.3クビ01-01-01-01  411.4458-12(栗)鹿戸明  
712 メジロスパイダー 牡8五十嵐雄63.55.04.51 1/413-13-12-12 13116.6490 +4(美)高木登  
813ギルティストライクセ6山本康志63.55.04.7106-06-09-10 1038.6506 +4(美)和田正道 
814バシケーン    牡5蓑島靖典63.55.04.91 1/411-11-11-10  618.2442 -2(美)高橋義博 
1022 マヤノスターダム 牡8小坂忠士63.55.05.32 1/209-09-05-06  938.4492-14(栗)坂口正大 
1134 ショウリュウケン 牡5植野貴也63.55.05.4 1/203-03-07-08  38.3464 -6(栗)佐藤正雄 
1233 バトルブレーヴ  牡8西谷誠 63.55.06.6702-02-04-04 1152.6530 -4(栗)本田優  
1358 クルワザード   牡8高田潤 63.55.06.7 1/214-14-13-13 14140.2462 -2(栗)作田誠二 
57メルシーエイタイム牡8白浜雄造63.5------09-10  11.9474 -8(栗)武宏平  

LAP  (データ無し)
通過 マイル:111.8  上り 55.9-42.1  平均 1F:14.28 / 3F:42.85
単勝  11 \3840
複勝  11 \670 / 9 \320 / 6 \200
枠連  6-7 \6580 (21)
馬連  09-11 \12730 (32)
ワイド 09-11 \2570 (27)/ 06-11 \2310 (23)/ 06-09 \930 (8)
馬単  11-09 \23750 (56)
3連複 06-09-11 \21680 (66/364)
3連単 11-09-06 \172980 (386/2184)


観戦記表紙へ
競馬のお時間へ