今年は6年ぶりに本家の年度代表馬が発表になってからじっくりと選考(笑)。
というわけで、ここで昨年までの私的年度代表馬を振り返ってみよう。
中央競馬しか観ていなかった人は、「何それ?」と思うことだろう。そう、北海道競馬所属馬で中央競馬では一度も走っていない馬である。JRAの年度代表馬には選ばれるどころか初めっから対象外な馬だ。しかし、この私的年度代表馬は別に中央馬に限定しているわけではない。香港の馬が候補に上がったことだってあるし。とにかく馬でありさえすればペルシュロンだろうがポニーだろうがトカラ馬だろうが、その資格は有するのである。まあ、競走馬以外の馬を選ぼうとする意志は選考委員(私一人)にはないし、サラブレッド以外の種が選ばれたこともないのであるが。
私はグランド牧場の大ファンであり、特にスマートボーイが最も好きな馬なのであるが、今年(去年か?)のグランド牧場の2歳馬は特に地方では快進撃だった。北海道2歳優駿を強い勝ち方で勝ったビッグバンや鎌倉記念、平和賞と南関の重賞を連勝したスマートボーイ産駒のナンテカ、北海道2歳優駿3着で平和賞2着で全日本2歳優駿でも2着な堅実派ブンブイチドウといった北海道・角川厩舎の3頭を初めとして有力馬揃いだ。それらは馬主もグランド牧場だが、デビューから5連勝で兵庫ゴールドトロフィーと全日本2歳優駿を勝ったラブミーチャンも馬主こそドクター・コパであるものの生産はグランド牧場である。
その粒揃いのグランド牧場産馬の中で、私的年度代表馬にふさわしいのはナンテカだ。平和賞では船橋まで観に行ってたのだが、パドックを観ていたらナンテカは尻尾を振り回していて暴れているようにも見え、逆にブンブイチドウは馬体が絞れて気合も乗っていていい感じに見えた。心情的にはスマートボーイ産駒のナンテカに勝って欲しいのだが、馬券的にはブンブイチドウでしょうがないかと思い、ブンブイチドウが頭の3連単で勝負。そうしたら私の予想とは裏腹にナンテカが逃げ切って2馬身半差の圧勝。2着はブンブイチドウだった。馬券は外したがスマートボーイ産駒が重賞を勝ってくれて嬉しい。
そしてこの年の2歳戦のクライマックス全日本2歳優駿。この年に限って言えば中央の2歳GIよりもこのレースをよっぽど楽しみにしていたレースだ。前述のビッグバン、ナンテカ、ブンブイチドウ、ラブミーチャンが一同に会することとなったレースである。その日私は名古屋出張だったがレースに間に合うように抜け出してきて川崎まで駆けつけた。ナンテカは内田博幸騎手を鞍上に据えて臨むのだから勝負がかりであると見ていい。また、持ち馬を3頭出してくるオーナーブリーダーのグランド牧場サイドから見ても、自分のところの生産馬であり自分のところに繋養されている種牡馬スマートボーイの産駒にGIを勝たせて種牡馬としての価値を高めたいことだろう。おそらく他馬のマークをビッグバンに集めさせておいて、実のところはナンテカで勝負に来ている可能性が高い。そう思ってナンテカを頭の3連単馬券で勝負。
しかし、ナンテカはスタート直後に大きく外によれて、こともあろうにビッグバンにぶつかってしまう。1番人気ビッグバンと我が本命ナンテカは不発に終わったレースだった。残りのグランド牧場産馬ラブミーチャンとブンブイチドウのワンツーで決まった。それはそれで嬉しいのだが、スマートボーイ産駒のナンテカに勝って欲しかったよな。勝ったのは唯一馬主がグランド牧場ではないラブミーチャン。私はどちらかというと生産者としてよりも馬主としてのグランド牧場のファンなので、馬主グランド牧場の馬で勝って欲しかった…。
なぜ、私が馬主グランド牧場のファンなのかというと、最大の理由は粋な名前の馬が多いからである。その優れたネーミングセンスが魅力的なオーナーブリーダーグランド牧場であるが、「ナンテカ」というのはどういう意味なのだろう?登録されている馬名の意味・由来には「何てか」とだけ書かれている。聞くところによると社長の口癖らしい。粋な名前の多いグランド牧場の馬だけにもっと深い意味があると思っていたのだが、社長の口癖とはねぇ。こんな感じだったのかな?
ちなみにこれを思いついた元ネタは、こっ、これ。
父スマートボーイは私が最も好きな馬なのであるが、一度も私的年度代表馬には選出されておらず特別功労賞しか受賞していない。しかし、その産駒のナンテカが見事に私的年度代表馬に輝いた。父子二代にわたる悲願なのかどうかは知らないが、たぶん違うだろう(笑)。年初めにはスマートボーイが種牡馬を引退したという噂が流れていたが、実際は繋養先がグランド牧場に移動になっただけで種牡馬は続けていることが判明して安心した。そのことも選考委員(私一人)の印象に残り、昨年の私的年度代表馬と接戦の末、私的年度代表馬に輝いたのである。ぜひとも今後も種牡馬を続け、個性的な馬を輩出してもらいたい。